売り捌く。
- カテゴリ:ニコッと農園
- 2012/08/22 19:12:29
ニコッと農園のランキングで入賞しました。

順位 | 種類 | 貢献度 |
---|---|---|
18位 | 貢献度ランキング (日) |
57,099pt |
ある日、私は得体の知れぬものから"枯れない野菜の種"とかいうのを譲り受けた。
丁度、老後のために家庭菜園でもしておこうかと将来を夢見ていたところだ。
納屋に封印されし先祖代々受け継がれてきた鍬を持ち、私はさっそく庭を開墾し、種を蒔いた。
どうも、この種は不思議な力が宿っているらしい。
水をあげ忘れても、肥料をやり忘れても、すくすくと育つのだ。
初の家庭菜園ともあり、おそらく小さく弱弱しい野菜になるだろうと諦めていたのに。
種を蒔いたその日から、芽が出、空高く伸び、なんと通常の2倍以上あるであろう大きな実がなったのだ。
これには驚愕だ。いい意味で期待を裏切られたと。
さっそく私は納屋に封印されし先祖代々受け継がれてきた荷車にあふれるほどの野菜を詰め込み、農協に売り捌くことにした。
もちろん、数日分の野菜は冷蔵庫に入れて。
満面の笑みで駆け寄ってくる業者。
荷車の中にある我が子を手に取り、手にしていた紙になにやら記帳をしている。
「これくらいでどっスかね?」
ポケットから取り出した電卓を勢いよく叩き、そのディスプレイを私の顔に向ける。
…少ない。0が、予想していた3つほど足りない。
これでは次の種も買えないどころか、その日の生活すらできないだろう。
困惑し、つかの間考えた結果、私は業者の情に訴えてみようと考えた。
幸い私は女だ、相手はまだ若い男のひt…人? のようだ。
重い荷車を引くために必要であったゴム手袋をはずし、頬に手を当て、眉を顰める。
「困りましたわ…これじゃ、家族を食わせていけないかも…」
「へェ、家族は何人で?」
「100人」
言い過ぎたか。業者は目を白黒させている。
荷車を長い道のり引いてきて疲労困憊している脳に鞭打ち、それに繋がる次の嘘を考えていると、業者は茶色い頭を爪で掻きながら、申し訳ない表情で私に記帳していた紙を見せてきた。
「ウチは1日ごとに野菜の価格が変動するんスよ…おいらじゃ価格を変えることができやせん。よければ、売値が高いときに売られたほうが」
なるほど。
適当に相槌を打ちながら、見せられた紙に書かれたグラフを頭にインプットしていく。
今が売値のピークであろう野菜だけを売り払い、残りの野菜はまた荷車に積んで持ち帰ることにした。
背に腹はかえられない。世の中金がすべてだ。そう言い聞かせながら、元来た道を歩く。
…こんなケチ具合を、神は見ていたというのであろうか。
何の仕打ちなのか、一向に売値が上がらない野菜もあれば、予想外の価格変動でチャンスだった日を逃してしまうことも多々あった。
腐らないんだからいいじゃないか、その考えが仇となったようだ。
そして、思いがけない出来事が発生する。
そう、とうとう野菜をしまっておく小屋にスペースがなくなってしまったのだ。
未だ瑞々しく香る野菜たち。
私は頭を抱えた。手段はもう1つしかないだろう。そう、価格関係なく、売ってしまうことしか。
いつかの日のように、私は荷車からあふれるほどの野菜とともに農協を訪れた。
風の噂によれば、農協は貢献度とかいうサービスを始めたらしい。
疲れきった表情の、いつかの少年…少年? が、私を出迎えてくれた。
「こんくらいになりやす」
ポケットから取り出した電卓を、私の目に突きつけてくる。
やはり、その価格に私は肩を落とすこととなった。
背に、腹は、変えられない。
空になった荷車と、多量のコインを腰に、私はその日の帰路についた。
…という、妄想。
ケチって、高い日に売ろうーとか思ってたらいつの間にか倉庫いっぱいいっぱいだったよ!w
全部売り捌いたら、ランキング乗ってたってやつです。
それでも18位なんだから、みなさん頑張ってるんだなぁ…(´ω`)
よくこんな長いの読みましたね…w
自分で書いといて、読みたくなくなるwww
私も倉庫いっぱいになってびっくりしましたよw
なるんだねぇ…w
にしても、倉庫っていっぱいになるんですね^^;