JR特急列車くろしお 381系
- カテゴリ:レジャー/旅行
- 2012/08/23 06:02:59
「くろしお」は、西日本旅客鉄道(JR西日本)が、京都駅・新大阪駅 - 白浜駅・新宮駅間で東海道本線(JR京都線・梅田貨物線)・大阪環状線・阪和線・紀勢本線(きのくに線)経由で運行している特急列車です。また、写真の国鉄381系電車は、日本国有鉄道(国鉄)が1973年から1982年の間に設計・製造した振子式の直流特急形車両で、国鉄分割民営化後は東海旅客鉄道(JR東海)・西日本旅客鉄道(JR西日本)に承継された車両です。
「くろしお」の名称は、日本近海を流れる「黒潮」に由来するため、この海流の沿岸であればどの地域でも採用できる列車名でした。そのため、大阪対南紀直通列車の系譜を引く紀勢本線列車以外にも日本国有鉄道(国鉄)では、四国と房総半島でも使用されており、3地域で「くろしお」「黒潮」の名が同時使用され、重複するという事態が起こりました。
1961年10月より四国の高松駅 - 窪川駅間を運行する急行列車「黒潮」。現在の「南風」「しまんと」に相当します。
1963年10月より、房総半島で両国駅 - 安房鴨川駅間を走る準急列車「くろしお」。現在の「わかしお」に相当。
これらは1965年10月、四国の「黒潮」が「南風」に、房総の「くろしお」が「外房」にそれぞれ改称され、「くろしお」の3重複はこの時解消しました。また、国鉄バスが運行した松山高知急行線の高知行きの急行バスも「くろしお」と名乗っていたが、本列車名と混同するため公募で「なんごく」と改称。私鉄では、京成電鉄でもこの愛称を使用していたことがありました。
京阪神地区と南紀を結び、京都駅・新大阪駅 - 和歌山駅・海南駅・紀伊田辺駅・白浜駅・新宮駅間で運転されている。新大阪駅 - 白浜駅間では原則1時間に1本運転(ほかに定期列車としては新大阪発9時台および白浜発14時台のみ1時間2本運転)されている。2011年3月12日のダイヤ改正によって、白浜駅 - 新宮駅間へ乗り入れる列車はすべて「スーパーくろしお」「オーシャンアロー」に統一されました。なお、2012年3月17日ダイヤ改正より京阪神地区と南紀を結ぶ特急列車の愛称は「くろしお」に統一されました。
運行開始当初はすべて天王寺駅発着だったが、1989年7月22日以降天王寺駅始発は原則として臨時列車のみとなっていました。2010年3月13日のダイヤ改正により土曜のみ運転の天王寺駅始発「くろしお」11号が廃止され、2011年現在では臨時1往復(81・84号)以外のすべての特急が新大阪方面へ乗り入れ運転しています。なお、東海道・山陽新幹線からの乗り継ぎで、天王寺駅発着の列車には、乗継割引は適用されません。
なお、2号車(自由席)に乗車の場合の1号車(グリーン車)からの乗車はしないように案内されており、天王寺駅や和歌山駅では、1号車のドア付近に駅係員を配置しています。使用される車両はすべて日根野電車区に所属です。
381系電車
リニューアル編成が使用されている。駅の表示板では「くろしおC」と案内される。基本編成は6両で運転されているが、繁忙期には9両に増結されて運転する日もある。この場合、増結編成の7 - 9号車はすべて指定席であり、中間車3両を差し込んだ増結編成をのぞいて6号車と7号車の通り抜けができません。なお、「スーパーくろしお」では中間車を差し込んだ9両編成以外の増結編成は白浜駅で増解結作業を行うため、上り列車においては対向列車待ちおよび増結作業を見込んだ余裕時間を含めて、白浜駅で7 - 9分間停車するダイヤが組まれています。これに対し、解結作業を行う列車の同駅での停車時間は2 - 3分です。この影響もあり、新大阪駅 - 新宮駅間の平均所要時間は新大阪行きの方が若干長くかかっています。
2012年3月17日まで「スーパーくろしお」で使用されていた車両にはパノラマ型グリーン車が連結されている。これはもともと中間車であった車両を先頭車化した改造車で、前面展望を考慮して傾斜した構造の前頭部が取付けられている。座席は2席と1席の3アブレスト(最後尾のみ1席と1席の2アブレスト)で、展望を考慮して座席の枕の部分が少し小さくなっているのが特徴である。なお、車両運用の都合でパノラマ型グリーン車を連結している編成が臨時「くろしお」の運用に就く場合もありました。1998年に普通車の座席が「スーパーくろしお」編成用と同じ改良型簡易リクライニングシートへと改造されました。また、シートピッチを1,000mmに広げたため一部の席で側壁の冷房のダクトが支障するようになり、その部分の席は片側1人掛席になっています。
2009年7月19日から2011年3月31日まで、当時の「くろしお」で運転されていたの4号車(9両編成で運転するときは7号車)の16番A・B・C・D席にパンダシートが設置されていた。この4席は指定席・自由席として発売されておらず、記念撮影用の座席としています。