Nicotto Town


黒曜のアジト


初音ミク誕生祭 side_Len


僕の書く設定のボカロが初めての方がほとんどだろうと思うので、ちょっと解説をします。

連(レン)
大財閥鏡音の御曹司で、鈴の双子の弟。
両親は海外に居ることがほとんどなので、今は鈴、それとお手伝いさんと暮らしている。
双子である鈴と、禁断愛の設定。
常識人でしっかり者。

鈴(リン)
連の双子の姉。
双子である鈴と、禁断愛の設定。
活発でお転婆な性格。

瑠香(ルカ)
鈴と連の家のお手伝い。
レギュラーメンバーだけど、今回は出てこない。

未来(ミク)
初音カンパニーの女社長でありながら高校生。
義理の両親が事故で死亡し、初音カンパニーの全てを15歳にして引き継ぐこととなる。
柏にメロメロ…かもしれない。
実は…

柏(ハク)
アルビノの女性。女手一つで育ててくれた母親を早くに亡くし、天涯孤独のみになる。
どうして良いか分からなくなったとき、未来に見初められ、未来の屋敷で同居することになる。
未来に憧れと共に恋心を抱いている。


以上です。
まあ、深く考えなくても読めるかもですが…
しかも未来と柏が出てくる割には今回GL要素が低いです。


瑠香さんが遅番だったある日、僕が作った朝食を二人で食べようとしていたときのこと…
「鈴ちゃん連くんいるー?ちょっとかくまってほしいの!」
そう言って堂々と僕たちの家に進入し、なぜか僕が作ったベーコンエッグを頬張っている彼女。
「あの…未来さん?どうしたの?」
よく見れば彼女はなかなかの美貌だと思う。緑がかった髪を二つに結い、頬は薄紅を差している。
「えへへ…今日は私の誕生日なの。」
照れたように彼女がそう言うと、隣に座っていた鈴がかくんと首を傾けた。
いったい、どういう事情なんだろう…
「いや…それがね、柏が私用にケーキ作ってくれるらしいの。パーティーまで内緒にしたいから、未来はどこか行っていてって…」
「…それで、朝ご飯も食べずに…?」
「いやぁ…朝ご飯は食べたよ?柏の作ったみそ汁とご飯。」
じゃあ、どうしてここでさも当然のように朝ご飯を頬張っているんですか!?
そう問うと、「だって美味しそうなんだもの!」と、答えた。

彼女は…一体どんな胃袋をしているんだろう…

朝食を食べ終えた僕たちは、ボードゲームをして遊んでいた。
「未来ちゃん、マス全部埋まったよ!!」
「あ…ほんとだ…いちに…さん…やった白の方が多いよ!!」
「えーまた負けた!!もう一回!」
「えへへ…望むところだよ!」

そのとき、軽やかなメロディーが部屋に響く。
「未来ちゃんの携帯じゃない?」
「うん…」
そういって、未来さんが携帯に出た。
「柏…?うん…出来たの!?やったぁ!冷蔵庫…?うん…開けないようにする。じゃあ今から帰るね。…」
パチンと携帯を閉じる音がして、未来さんがこちらを振り向く。
「もう帰って良いみたいだから、帰るね。…あと二人とも、夕方の…6時頃にうちにおいで。…朝ご飯のお礼。」
そう言うと満面の笑みを浮かべて我が家を出て行った。

「プレゼント買おうね!ねぇ連。」
「そうだね…。」
時刻は5時を少し回った頃、初音邸への道を少し寄り道して…
寄ったのはアンティークの趣味の良い雑貨屋だった。
数々の雑貨…写真立てやアクセサリー…を見回って、僕たちが目に留めたのは葡萄の柄のティーカップだった。
こういうときは、特に僕達の息がぴったり合う。
「これ…」
「いいよね…」
決して安い物では無かったけど、ありがたいことにお小遣いには余裕がある。
ピンク色の包装紙に小綺麗に包まれたプレゼントを見て、僕らは微笑みあった。


初音邸の目の前、古びたドアノッカーを2回たたくと、中から女性が出てきた。
白銀の長い髪に白い目…柏さんだった。
「ようこそ…。」
彼女は僕たちに柔らかな笑みをむけ、迎えてくれた。
「未来は、中にいるわ…というか…普通にインターホンも使えたんだけど…」
思い返してみれば、ノッカーの隣にインターホンがあることに気がつく。
「なんか1回使ってみたかったんだよ!!ねぇ連。」
「ああ…うん。」
僕は単に気づかなかっただけなんだけど、そう言うことにしておこう…

案内された食堂には、数々の料理が並んでいた。
野菜の洋風煮、ピザやパスタ…もちろん大きなケーキ…
「すっごーい!!これ全部柏ちゃんが作ったの!?」
大きな声で驚く鈴に、少し戸惑いながらも微笑みで返していた。
「ええ…誰でもない未来のためだから…腕をふるったの…」
頬をわずかに朱に染めた彼女は、沢山の食器を一人で運んでいた。
はじめは順調に運んでいたのだけど…柏さんがテーブルの脚に足をぶつけた。
「痛っ…」
ぐらぐら…揺れ動く食器…
「柏…危ない!!」
僕や鈴が動くより、誰より先に動いたのは、席に着いていた未来さんだった。
危機一髪…食器も柏さんも、未来さんに支えられて無事だった。
「ごめんなさい…未来…私迷惑ばっかかけて…」
「いいんだよ!!柏が無事なんだから!!本当は食器なんてどうでもいいの。」
事件はあったものの、パーティーは順調に進んでいた。
話には聞いていたけど、柏さんの料理は本当に美味しかった。
「そう言えば、未来さんは何歳になったの…?」
「えっと…せ…16歳!!そうだった16歳になったよ!!」
言葉のつまりが気になったけど、それを聞いて、ケーキに16本のろうそくを立てる。
火を付けると、橙の炎がゆらゆらと揺らめいて、とても綺麗だった。
未来さんがケーキを吹き消す。一息では消えず、二回目に全てが消えた。
「おめでとー!!」
いっそ主役より楽しんでいそうな鈴が、ハイテンションでお祝いの言葉を告げた。
主役の未来さんは、いつもの明るい笑みでそれに応えるのだった。

「あと、これはプレゼントにとおもって…。」
「あら…開けて良いの?」
包みを受け取った彼女は僕にそう問う。
「ええ。もう未来さんのものですよ。」
包みを丁寧に破った未来さんは中身を取り出すと歓声ををあげる。
「わぁ!ティーカップ!嬉しいな。私、毎日これでダージリンを飲むよ!」
そう未来さんが言うと、隣にいた柏さんがすこしむっとしたように見えた。
それに気づいたのか気づいていないのか未来さんは、僕に耳打ちをする。
「今日はありがとう。もうパーティーはお開きにさせてもらっていいかしら?それじゃ…鈴ちゃんと仲良くね。」

…僕が鈴の手を取って玄関を出るのを確認すると、未来さんは、柏さんの腰を抱いて…屋敷の奥に姿を消した。
僕は振り返ってそれを見ると、一言つぶやいた。
「グットラック…」

#日記広場:自作小説

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2012/09/01 10:54
ありがとうございます。
普段はこちらのサイトで、小説を連載中です。
ジャンル混在してますが、ボカロはボカロできっぱり分けていますのでよければご覧ください。

http://id4.fm-p.jp/419/miyunosyosai/index.php?nocnt=1&prvw=NG9HeUxOR2MyN0xqT0FEaUZQS1czdz09
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2012/09/01 10:52
いいですね!!
ボカロ大好きッコです(´∀`#)!

ミクHappyBirthday!




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