Nicotto Town


黒曜のアジト


樹ノ乙女~歌姫ハ夢ミルⅢ~


ズキズキと痛む頭、おぼつかない足取り。
景色だけはただ見慣れた緑。

しかし…ぐらぁりとぐらついて歪む。

ビャクランさん…助けて…

目を覚ますと、懐かしい感覚のする煉瓦造りの家の中だった。
重たいまぶたを開き、半身を起こす。

「えっと…目が覚めましたか?」
声のした方を見やると見慣れた黒髪。
そして花を鏤めたような刺青の少女が其処にいた。
「ええっと…ハルのような者に助けられるのは不服でしょうが…治るまでは是非ここにいてください…。」
彼女は曇りがちな笑顔で、自虐的な言葉を口にする。
「そんなことはありません!助けてくれて…ありがとう御座います!!」えっと…私はキョウコといいます。」
「いえ…あ…私はハルっていいます。」

どうやら私はあのまま森で倒れて、ハルちゃんに助けられたみたいだ。
運命の巡り合わせ…縁とは不思議な者で、こうして二度も助けられてしまった。
でも今のハルちゃんはコマドリの私と接していたときとはずいぶん違う。
覇気もなければ…表情も始終暗い。

彼女の表情を伺っていると、木のドアを軽く2回…叩く音がする。

「ハル…居るだろ?」
ドアを勝手に開けて入ってきたのは身長が優にドアの高さを超える大男だった。
目の下には、やはり千花族の証…痣。
「は…はひ…」
ハルちゃんはというと大男を前にして怯えていた。
「家賃の徴収に来たぞ。」
「申し訳ありませんっ!もう少し…もう少し待っていただけませんか?」
「ダメだダメだ。もう何週間待っていると思って居るんだ?お前何ぞをここに住まわせてやるだけでも骨を折っているのにな……金がないなら、今夜オレの家に来ると良い…家賃代くらい用立ててやらぬでもないぞ?」
大男が人の悪い笑みを浮かべる。
可哀想に、ハルちゃんはふるえていた。
「ハルさん…私の荷物をとってもらってもいいかな?」
私がそう言うと、ハルちゃんは慌てて荷物を取ってくれた。」
私は、ムクロさんに貰った革袋の中から、銀貨をひとつまみ取りだして大男に差し出す。
「家賃…これで足りますか?」
「おまえさん…村の人間じゃないな…なぜダニーナの民なんぞに金を出す?」
「ダニーナとか千花とか関係ないんです!彼女は私を助けてくれた。…それだけです。」
「ふん…金はもらった。」
手のひらの銀貨を受け取ると、大男は去っていった。
後ろを振り向くと、驚いた表情で私を見つめるハルちゃんが居た。
「そんな!悪いですそんなこと。」

彼女はそう言ったけど、多分問題ない。
ムクロさんにもらったお金はなにぶんまだ沢山ある。

私は頭を下げて彼女に頼む。

「家賃をお支払いします。ここに居させてください。」

#日記広場:日記

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2012/09/18 19:40
ノシ
普通二ヶ月間隔なのに12月とかどんだけ待たせる気なんだろう…
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2012/09/18 19:38
十二月とか・・・(泣
クリスマスプレゼントか!?←いやっ可笑しいだろ

宿題しなきゃダメだから落ちノノ
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2012/09/18 19:31
おー…
次のコミックス発売12月とか待てないよ…(泣
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2012/09/18 19:28
うん。ジャンプでねw
イエーガー達と戦ってて息ピッタリだったっていうw
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2012/09/18 19:26
黒曜組はなんとなく家族みたいで好きだなという勝手な好み。
理由付けてツナにも協力してるよね。
雲雀さんとは…息ぴったりなんだ?
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2012/09/18 19:24
そうだねぇ^^
ツナにもなんだかんだ言って協力してるし、恭弥くんとも息ピッタシだしねぇw
犬やら千種やらのめんどうも見てるし・・・
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2012/09/18 19:21
道具だ手駒だただの協力者だいっておいても何だかんだできちんと最後まで面倒見てるところが、原作でも私の作品でも骸様の良さだと思ってる。
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2012/09/18 19:19
骸しゃん・・・仮にもが引っ掛かりました←
あーぁ、凄いねw
M・Mの気持ちがちょっとわかる気がするw
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2012/09/18 19:18
ムクロ「仮にも協力者だからのたれ死にされても困るんですよ」
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2012/09/18 19:17
すごーいw
ちょっw骸しゃん太っ腹だなww
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2012/09/18 19:13
王宮勤めだしそこそこ金はあるんだろうね。
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2012/09/18 19:12
骸しゃん・・・いったいいくら渡したんだ・・・w




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