古い本棚をポイすることに決めたんです。

　もともと親のモノで、引越しの際に頂戴した古い本棚。これが１２０×５０×２００というビッグサイズで、そのレトロなデザインは私の部屋で完全に浮いていた。

　塗装が一部剥げてたり、装飾が邪魔で掃除が面倒だったり、ホコリがこびりついて取れなかったり（前の家では同じフロアに下駄箱や自転車があったくらい）、ガラスが変色してたり、中央部分が押すと凹んだり、入れておいた本がだんだん汚れていく……という状態だったんです。

　あと壁に密着させてるから、後ろを掃除できないっつーデメリットも。

　替えよう、替えようと思って、ついに十年以上使ってしまった。

　しかし廃棄するにしても、どうやって部屋から出せばいいのだろうか？？？　幸い私の部屋は一階だから、ドア～玄関を潜り抜ければＯＫです。けど、それは玄関に靴箱等がなかった場合の話。

　引っ越しの時って、大きい家具から先に入れるでしょ。後だと入らないから。

　そんなわけで古本棚ちゃんは脱出不可能に。下駄箱とか全部どけてられないし、高さ２メートルの本棚を横に向けるスペースなんて……これは分解（破壊）するしかない。

　組み立て式なら自分でバラせなくもない。しかし昭和風のレトロな古本棚ちゃんは、パーツごとに完全に接着されてしまっているようだ。素人では手がつけられないので、グーグル先生に探してもらったプロに相談することに。

　「はい、できますよ～」

　明日のお昼に見積もりに来てくれるそうです。

　五千円くらい掛かるんだろーなあ。タダほど高いモノはない。でも五千円であのゴミ……っと、思い出いっぱいの古本棚ちゃんとお別れできるのなら、安いもんです。

　ところで。このサービス会社、サイトに「よくあるご質問」ってのを載せてるんです。そこまでは別段フシギなことでもない。ほかのお客さんはどんなふうに利用してるのかな～と、ちょっと確かめてみた。

　「ひとり暮らししてる娘の部屋がゴミ屋敷に！　何とかして！」

　うんうん、あるあ……ねーよ！　よくあってたまるかい。

　でも質問リストのトップなのよね、コレ。
　
　
　
　現実という名の恐怖は、そこにある。