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だるま鬼家族 2

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 大鬼達が家路につくのはいつも夜だった。
「かあちゃん、はらへった」
大鬼が土で汚れた手で鼻を拭きながらそう言った。
「おまっとさんだね。そろそろ帰ろうか。かあちゃんもはらぺこ」
大鬼は母のこの言葉をずっと待っていてた。
「うん」
嬉しそうに頷いた大鬼は微笑みながら母の顔を見上げた。
「なんだいその顔、汚れてドロドロじゃない。またお猿と遊んできたのかい」
母はそう言うと、乾いたタオルで大鬼の顔を力を込めて拭いた。
「痛いよ!」
思わず顔をそらした大鬼が母をにらんだ。
「ご免ご免、思わず手に力がはいっちゃた」
母は大鬼のことを不便に思い、鬼の顔が人間の顔になるように力を込めて無意識に拭いていたのだ。

 母は家で昼ご飯を済まし大鬼を連れて店のある神社に来る。
店といっても屋根がある訳でなし、露天のような店で大きなダルマ鬼の張子が置かれているだけだった。
占いのお客が多いのは昼過ぎから夕方にかけてだ。
お客さんのほとんどが主婦や学生で女性が多かった。
そのためにこの時間に母は店を開くのだ。
神社は山の麓にあり街から少し離れていたが近くにスキー場やスケート場があり、昼に暇な主婦達が遊びに来るし、神社自体も主婦の溜まり場として利用されていた。
母が占いの仕事をしている間、大鬼は神社の裏山で一人で遊んでいた。
いつしか裏山の猿達と仲良くなり、その小猿達といしょに遊ぶようなり猿の鳴き声の内容が理解できるようになった。
そのころからボス猿も大鬼を仲間と認め始めたが、大人の雌猿には大鬼を近づけなかった。
若い雄猿と同じようにだ。
猿社会の掟は一夫多妻なので力のあるボス猿だけが雌を支配できたのだ。
大鬼は猿達から社会の仕組みを学んでいった。

#日記広場:自作小説

アバター
2013/02/10 17:49
>鬼の顔が人間の顔になるように
母心ですね・・・(;_:)
アバター
2013/01/31 00:12
な、なんかたくましいです!!
そして、母ちゃん頑張れ!!
アバター
2013/01/30 22:45
学んだ事をどこで生かすんだろう?(笑)



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