US-1A 飛行艇 海上自衛隊
- カテゴリ:レジャー/旅行
- 2013/02/09 14:53:16
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US-1は太平洋戦争中に飛行艇技術では世界一を誇った川西航空機の流れを汲む新明和工業が開発し、海上自衛隊が使用する飛行艇です。愛称は特にありません。コールサインはIVORY(アイボリー)。初飛行はPS-1の原型PS-Xによって、1967年(昭和42)10月24日、PS-1改によって1974年(昭和49)10月6日。
対潜哨戒機として開発されたPS-1は、その哨戒能力が時代遅れで(陸上機による投下式ソノブイなどの進歩によりディッピングソナーの優位性は急速に薄れていましました。)、機体も問題が多かったために、大量導入を見送られたが、機体は改修を重ねて世界的に通用するまでになり、これを多用途飛行艇化する計画が持ち上がりました。その計画の一環として、新明和ではPS-X開発終了後の1971年(昭和46)に、海上自衛隊の救難飛行艇として提案する基本構想をまとめ上げた。
防衛庁は1972年(昭和47)と1973年(昭和48)に「水陸両用救難飛行艇」として計3機の試作機を発注し、開発が始まった。PS-1の対潜装備の代わりに救難機器を設置し、陸上離着陸能力(ランディングギアなど)を持たせた。試作機PS-1改(防衛庁の呼称。新明和では当初よりUS-1)が製作され、1974年(昭和49)10月6日に初飛行を行った。初飛行では洋上への離着水であり、初の離着陸は12月3日に行われた。1975年(昭和50)3月5日に1号機が納入され、1976年(昭和51)6月に部隊使用が認められ、救難飛行艇「US-1」と名づけられました。
その後、試作を含めて6機のUS-1(シリアルナンバー:9071~9076)が製作され、1981年(昭和56)製の7号機(9077)からはエンジンをT-64-IHI-10E(3,060馬力)からT-64-IHI-10J(3,500馬力)に換装したUS-1Aとなりました。
海上自衛隊岩国航空基地所属の第31航空群第71航空隊に7機が配備され、そのうち1機を厚木基地に分遣隊として派遣していたが、現在は後継機のUS-2の配備により徐々に運用機数を減らしている。乗員には機上救護員などの救助要員も含むために、12名と多くなっています。
飛行艇の有利な点として、洋上での発着が可能なことから、飛行場の無い離島へもアクセスできること、ヘリコプターより長い航続距離と、ヘリや船舶よりもはるかに高速であることです。US-1はこれらの利点を最大限に活用した機体です。
救助要請を受けると、US-1は哨戒機(P-2J、P-3C)1機とペアを組んで基地を出発、まず巡航速度の速い哨戒機が進出し、レーダーやカメラ、目視で要救助者・船を捜索する。発見するとカメラで撮影、基地へ伝送すると共に、目印のマーカーを投下(必要ならば食料・飲料水と共にラフトを投下)、無線通信でUS-1へ位置、気象情報、海面の状況を伝え、現場へ誘導する。US-1は基地からも誘導を受け(遠距離の場合は哨戒機が中継連絡)、現場海域到着後、着水前に海面状況を航空機搭載用波高計で計測・確認します。二次遭難を避けるため、機体が損傷を受けない海面状況であることを確認した後に着水します。着水後、機体備え付けのゴムボートで要救助者を救出し、救助後も哨戒機の誘導・基地からの中継連絡を受けて帰還する。このように、US-1/1Aは哨戒機とペアを組むことを前提に開発された機体です。
直線翼の中型機であり、水平尾翼を垂直尾翼の上に配したT字尾翼を採用した。主翼端にはフロートが装備されており、艇体には消波機構がある。エンジンは石川島播磨重工業(現 IHI) でライセンス生産したターボプロップエンジン4基を搭載しています。なお、境界層制御装置 (BLC) 制御用にガスタービンエンジンも別途搭載している。機体の大きな特徴は、機首に立っている迎え角や偏流のセンサーマストです。
波高3メートルの荒れる海への着水が出来るほか、時速50~53ノット(時速100km程度)で離水可能な短距離離着陸(STOL)性能を有しています。60度という深い角度を持つフラップと、翼表面の気流が滑らかに流れるようにする境界層制御装置 (BLC) が、この低速性能を実現した(驚くほど低速かつ短い滑走で離陸する様子は、滑走路を持つ基地での航空祭でも見ることができる)。
主脚は陸上離着陸のために、PS-1より強化・大型化され、胴体側面にはバルジが追加され、そこに収容される。機体には、捜索用レーダーとして、テレフンケン社とトムソン-CSF社が共同で開発したXバンド・レーダーであるオーシャン・マスターが搭載されているほか、着水海域の波高が着水性能(波高3m)以内であることを確認するために、世界で唯一の航空機搭載用波高計(波高測定専用の連続波FM-CWレーダー)を搭載しています。機体キャビンには12名分(P-2J哨戒機の隊員に合わせてある)の担架を収容できるが、機内はコックピットを除いて与圧されておらず、気圧維持の為に高高度と低気圧での飛行は避けなければならないため、飛行計画は気象条件に左右されます。
US-1A
乗員 - 12名
全長 - 33.5 m
全幅 - 33.2 m
全高 - 10 m
翼面積 - 135.8 m²
空虚重量 - 25,500 kg
運用自重 - 26,600 kg
最大離陸 - 43,000 kg
燃料容量 - 19,456 L
エンジン - GE/石川島播磨重工業 T64-IHI-10Jターボプロップ×4
出力 - 47 kW×4(3,500 ESHP×4)
最大速度 - 490 km/h
航続距離 - 4,000 km以上
実用上昇限度 - 8,660 m
用途:救難機
分類:飛行艇
製造者:新明和工業
運用者: 日本(海上自衛隊)
初飛行:
1967年10月24日(PS-X)
1974年10月6日(PS-1改)
生産数:20機
運用開始:1976年6月(7月1日に部隊結成)
運用状況:3機現役(2010年9月現在)
部隊名:第51航空隊岩国航空分遣隊 :第71航空隊
上位組織: 航空集団直轄 :第31航空群
当初は第51航空隊岩国航空分遣隊で運用試験が行われましたが、1976年7月1日に第71航空隊が編成されると全機そちらに移管されました。また、1982年3月からは厚木航空基地に分遣隊を置いています。
青空とのコントラストが美しい~。
US-1Aくん(ちゃん?)気持ちよさそう♪