海上自衛隊の護衛艦うみぎり DD-158
- カテゴリ:車・バイク
- 2013/03/12 05:57:13
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一般公開に行ってきました。2回目の乗船です。「うみぎり」はあさぎり型護衛艦の8番艦。。
あさぎり型護衛艦は、はつゆき型12隻に続き、計20隻で、4個護衛隊群に各5隻の汎用護衛艦(DD)を配するいわゆる新「八八艦隊構想」の基準構成艦として整備された。前級にあたるはつゆき型は当初、建造費の低減を図るため上部構造にアルミ合金を使用し軽量化を図っていた。
ヘリ格納庫は、哨戒ヘリコプターを必要に応じて2機収容できるよう大型化された。
C4Iシステム:搭載する戦術情報処理装置は、はつゆき型のものを基本としているが、その能力は大幅に強化されている。前期建造艦が搭載するOYQ-6は、対空レーダーとの連接やリンク 11の送受信に対応しており、アメリカの文献では「full destroyer CDS」とも称される。
その後、最終艦である「うみぎり」においてOYQ-101 ASWDSの搭載に伴い、これとの連接に対応したOYQ-7に発展した。これにより、対潜戦におけるパッシブ情報の統合・表示および哨戒ヘリコプターとのデータ・リンク機能が強化されており、この情報処理所要の増大に伴い、電子計算機はデュアルプロセッサ化されている。これはのちに、あさぎり型の他艦にもバックフィットされたとされている。
対空戦闘システム:はつゆき型と同様、シースパローIBPDMS、62口径76ミリ単装速射砲、高性能20mm機関砲(CIWS)と3重の対空火網を備えており、これらの火器は、OYQ-6/7を中核として連接され、半自動システムを構成している。そのサブシステムは下記のとおりである。
OPS-14二次元対空捜索レーダー(DD-151~DD-154)
OPS-24三次元対空捜索レーダー(DD-155~DD-158)
OYQ-6/7戦術情報処理装置
FCS-2射撃指揮装置
シースパローIBPDMS (NSSMS)
76ミリ速射砲
経空脅威に対しては、まずOPS-14/24対空捜索レーダーで目標を探知しOYQ-6/7戦術情報処理装置により捕捉・追尾しコンピュータからのリコメンドまたはオペレータの情勢を判断により攻撃の優先順位を決定し自動または手動によりFCSに目標を指示しシースパローIBPDMSまたは76ミリ速射砲による攻撃に至る。
射撃指揮装置としては国産のFCS-2シリーズが用いられており、76ミリ砲の射撃指揮にはFCS-2-22が、シースパローIPDMSの射撃指揮にはFCS-2-12E/Gが使用されている。なお、DD-155~DD-158はFCS-2-22に換えてFCS-2-23が装備されシースパローIPDMSを管制できる。 また、シースパローIBPDMSのGMLS-3発射装置(米海軍のMk 29と同等)には、機力による直接装填装置が後日装備された。
また、近接防空火器 (CIWS;Close-In Weapon System) としては高性能20mm機関砲2基が搭載される。なお、OYQ-6/7戦術情報処理装置から20mm機関砲に対する干渉は必要最小限であり、基本的には独立したシステムとして攻撃を実施することになる。
対水上戦システム:はつゆき型に引き続いて、ハープーン艦対艦ミサイルによる長距離対水上打撃力を備えている。ハープーンは4連装のMk 141発射筒2基に収容されて、艦中央部の煙突脇に搭載されており、その射撃指揮を行なうSWG-1 HSCLCSを介してOYQ-6/7に連接されており、目標諸元の入力を受けることになる。
また、対水上センサーとしては、新型のOPS-28対水上レーダーが搭載された。これはCバンドで動作し、遠距離での精密捜索能力に優れており、水上の目標のみならず低空を飛行する巡航ミサイルなどの探知にも使用される。
また、レーダーを作動させることが危険な状況においては、NOLR-6C ESM装置やデータリンクからの情報に基づいて攻撃が実施されることになる。
対潜戦闘システム:対潜戦闘システムは、当初、あらゆる面ではつゆき型搭載のものを踏襲したものとなっていた。
本型の主たる対潜センサーは、船体装備のOQS-4A IIIソナー、および哨戒ヘリコプター装備のディッピングソナーとソノブイである。このうち、ソノブイからの情報のみが戦術情報処理装置に入力されて処理を受け、それ以外のセンサーからの情報は、いずれも水測員によって処理された上で、直接に水中攻撃指揮装置SFCS-6Bに移管されていた。
一方、対潜攻撃兵器としては、従来より使用されてきたアスロック対潜ミサイルの8連装発射システムMk 16およびHOS-302A 3連装短魚雷発射管に加え、搭載するヘリコプターの短魚雷を使用することができる。従って、本型は長射程においてはヘリコプター、中射程においてはアスロック、短射程においては短魚雷と3段構えの対潜火力を行使することができるが、これは、同世代の欧米の同級艦と比して極めて強力なものである。特に対潜ミサイルについては、オランダ海軍のコルテノール級、西ドイツ海軍のブレーメン級など当時盛んに建造された列国の3,000トン級フリゲート(いわゆるStandard Frigate)には無い装備である。また、従来の護衛艦装備のアスロック発射機が人力装填であったのに対し、艦橋構造物下部の弾庫から直接次発装填する方式に改められている。
これらのうち、アスロックおよび短魚雷発射管はSFCS-6B水中攻撃指揮装置によって統制を受ける。一方、本型の搭載する対潜哨戒ヘリコプターは、アメリカ海軍のLAMPSとは異なり、かなり高度な独立作戦能力を有しており、固有のディッピング・ソナーからの情報に基づいて攻撃を実施することもできるが、LAMPSと同様、母艦からの統制のもとで攻撃を実施することもできる。
その後、最終艦である「うみぎり」において、長距離捜索が可能なOQR-1戦術曳航ソナー(TACTASS)によるパッシブ・オペレーションが導入されたことに伴い、対潜情報処理能力を向上させる必要性からOYQ-101 ASWDS(ASW Direction System)が装備された。これにより、対潜センサー情報はすべてASWDSで一元的に管理されることとなった。
電子戦システム :ESM装置としてNOLR-8、ECM装置としてOLT-3を有する。また、対ミサイルのソフト・キル用として、OLR-9C ミサイル警報装置、Mk 137 チャフ発射機および曳航式デコイを備えている。
航空機 :8艦8機体制をとる護衛隊群のワークホースとして考えたとき、本型のもっとも重要な装備と言えるのが、搭載する哨戒ヘリコプターである。
本型では、初めて当初よりSH-60Jの搭載を想定した設計がなされており、その機上のヘリコプター戦術情報処理装置(HCDS)とのデータ・リンクのため、ORQ-1ヘリコプター・データリンクを搭載する。
またハンガーも拡張されており、常時の搭載機数は1機であるが、緊急時にはさらにもう1機を収容できる。