Nicotto Town


黒曜のアジト


【ザンスク】愛しのシェリー


ざんすくです。モブがヘタレになってしまった…

 酒付きのボスの趣味もあり、ヴァリアーのアジト内には専用のバーがある。シチリアの夜景が見渡せる大きな窓と、薄暗い間接照明の空間が、大人びた雰囲気を盛り上げている。
 主たるザンザスは、部下兼恋人であるスクアーロを連れて、よくここを訪れていた。専属に雇われたバーテンダーは、二人の好みを分かってか、二人が訪れるといつも二人が好物にしている酒を振る舞った。
「…なぁ…お前、花言葉みたいに、酒言葉っつーのもあるって本当か?」
 低く掠れた声で、スクアーロがバーテンダーに問う。滅多に自分には話しかけてこない二人が話しかけたことに驚きつつも、すこし困ったように、小さく答えた。
「…ええ。まあ…」
 落ち着かないと、髪をいじる癖があるのか、バーテンダーは肩まで伸ばした自分の金髪を、しきりに触れていた。
「……たとえば、ザンザス様が飲まれているオールドファッションなら『我が道を行く』と言ったような…」
「う゛ぉおおい!そりゃあボスさんにぴったりの言葉だぜぇ。おもしれぇ。」
 酒でも比較的強いものを好むザンザスは、オールドファッションのようなウイスキーをメインにした酒を好む。彼が好きな酒に、こんな意味があったとは……スクアーロにはとても新鮮だった。
「……あと…スクアーロ様が飲まれているシェリーワインは…いえ…これは…」
「あ?なんだぁ?最後まで言いやがれ。」
 言いかけて、あわてて口をつぐんだバーテンダーに、スクアーロは詰め寄った。それでも、バーテンダーはもじもじしているのだった。あきらかに「ヤバイ」というような顔をしながら。


「……『今夜は全てを捧げる』だ。…このくらいも知らないのか。ドカスが。」
 そのやりとりを聞いていたザンザスは、艶のある低音でそう答えた。ザンザスが飲んでいた琥珀色の酒に入っていた氷が、カランと音を立てる。
「…なっ…」
 バーテンダーが言いにくそうにしていた理由も含め、全て分かったスクアーロは、紅を差したかのように赤面した。ただの酒に言葉があるなんて、それも色っぽい裏の意味を含んでいるなんて、それ自体を初めて知ったのだ。
「…スクアーロ、もう酒はいい。……寝るぞ。」
「おい、酒まだ飲み終わってねぇぞぉ!」
 半ば無理矢理スクアーロの腕を引っ張ったザンザスは、ずかずかとバーを後にする。


「全てを捧げろ……俺のために。」




バーにはわりと、「甘くて飲みやすいけどとっても強いお酒」が置いてあります。
これは、デートなんかで女性に飲ませ、女性が酔ったところで男性が女性を好きにするためです。そんなタイプのお酒は、いわゆる「お酒言葉」や「カクテル言葉」も色っぽいものが付いていたりするのです。

ちなみに、誕生花みたいに「誕生酒」なんてものもあるらしい。

#日記広場:日記

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2013/03/18 07:11
目から鱗だなw
酒言葉があるとは…

誕生酒w
調べようw




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