【絵本風に】シロツメクサ【オリジナルストーリー】
- カテゴリ:日記
- 2013/03/28 11:07:58
子供にも読んでもらえるような、「絵本」を目指して作ったオリジナルストーリーです。
おててとおてて、ぎゅっと握れば怖くない。
知らない所でも大丈夫。二人で居れば大丈夫。
王妃さまは、ある日ローザに言いました。
「わたしの姫を守っておくれ。これは約束よ。」
そう言って木でできたおもちゃの剣を渡しました。
ローザは、隣の国の王子様でした。
この国のお姫様と結婚するために、この国へやってきたのです。
でも、ローザもお姫様もまだ子供です。
お姫様とローザは、まるでお友達のように、一緒に暮らしています。
みんなから好かれるおてんばで優しいお姫様の名前はマルゲリータといいました。
ある日、マルゲリータはお部屋の窓を大きく開けて言いました。
「私もお外にでたいわ。」
マルゲリータはいつもこう言っては、ローザを困らせていました。
マルゲリータもローザもとても忙しいのです。
毎日、毎日、お勉強や楽器の練習、乗馬のおけいこをしていると、いつの間にか日は暮れてしまいます。
一度も出たことのない、街をのぞいて、マルガリータはため息をつくのでした。
「ねぇねぇ、マルゲリータ。とってもすてきな道をみつけたんだ。」
ある日、剣のおけいこから帰ってきたローザは、マルゲリータに言いました。
「きっと外に出られるよ!」
ローザがマルゲリータを連れてきたのは、地下から外につながる道でした。
「ここなら門番もいないよ!」
街は人がたくさんいました。
大人も子供も、みんな忙しそうに歩いています。
お城の土地の外で、歩くことは、ローザにとってもマルゲリータにとっても初めてでした。
「わんわん!わんわん!」
二人が街の中を歩いていると、大きな白い犬が吠えかかってきました。
「きゃあ!怖いよローザ!」
犬を怖がったマルゲリータは、ローザの手をぎゅっと握って、ローザの後ろに隠れました。
「…大丈夫!僕がまもるから!」
そう言ったローザは王妃様からもらった木の短剣を手に犬に立ち向かいました。
その時のことです。
「プリムラ!めっ!」
犬の後ろから女の子の声がして、犬は吠えるのをやめました。
「ごめんね。この子、すぐ吠えちゃうの。」
女の子は、ローザとマルゲリータに謝ると、にっこりと笑いました。
犬は、女の子に撫でてもらって、ご機嫌そうにすわっています。
「おーい!犬見つかったか?」
街の方から走ってきた子供達が、女の子に話しかけました。
女の子たちは、逃げた犬を探していたのでした。
「ええ。みつかったわ。」
「それならよかった。その子たちはだれ?」
子供達は、ローザとマルゲリータをじっと見た後、こう言いました。
「この辺じゃみかけないけど、一緒に遊ばない?」
二人は、差し出された手を取り、たくさんの子供達と一緒に野原を駆け回りました。
マルゲリータやローザにとって、お互い以外で同じくらいの年の人と遊ぶのは初めてでした。
白い犬とボールを追いかけて、いつの間にか二人の着ている服は泥だらけになってしまいました。
二人の着ている真っ白なスカートや、ズボンには、はねたどろんこがとても目立ちます。
それが気にならないくらい、夢中で遊びました。
いつの間にか明るい太陽は山の奥に隠れて、日が暮れました。
一緒に遊んでいた子供達も、一人、また一人と帰っていきます。
二人が帰らないといけないことに気づいたのは、すっかり暗くなってからでした。
「いっけない!はやくお城に帰らないと!化け物に食べられちゃう!!」
黒いマントで覆ったようにまっくらな辺りを見渡して、マルゲリータはそう言いました。
マルゲリータがもっと小さい頃から読んでいた絵本には”暗くなっても外にいる子供は、悪魔に食べられてしまう”と書いてありました。
マルゲリータは、それを信じて、暗くなった後に外に出たことはありません。お城の庭にもです。
ローザの手を引っ張って、帰り道を急ぐも、その足はだんだんとゆっくりになっていきました。
「どうしたの?マルゲリータ。」
うつむくマルゲリータに、ローザは聞きました。
「本当に、食べられちゃうかも……お城に帰れなかったらどうしよう…」
涙を流しながらそういうマルゲリータに、ローザは言いました。
「大丈夫だよ。僕がついてる。悪魔なんてやっつけるから。」
ローザは、マルゲリータのおててをぎゅっと握って、出来るだけ胸をはってあるきました。
あふれそうな涙や、弱音をじっと我慢して。
だって、王妃様に言われたことでしたから。”姫を守っておくれ”と。
お城に着いた頃には、山の向こうに月がらんらんと光っていました。
「まあ、二人してどこに行っていたの?こんなにお洋服を汚して。」
王妃さまは二人を叱って、ぎゅっと抱きしめました。
「ごめんなさい、王妃さま。」
「ごめんなさい、お母さま。」
二人が謝ると、王妃さまは、二人の頭をゆっくりと撫でて笑いました。
「暗くて、怖かったでしょう?」
「こわかったよ!でも、ローザが守ってくれたの。」
王妃さまが聞くと、すっかり元気を取り戻したマルゲリータが答えました。
「あらローザ、マルゲリータを守ってくれてありがとう。」
王妃様がお礼を言うと、ローザの顔がぱっと明るくなりました。
「はい……あ、そうだ。王妃さまに、お土産です。」
照れたように返事をしたローザは、ズボンのポケットから、一輪の白い花を出しました。
「あら、可愛らしい。シロツメクサね。」
長い間ズボンのポケットに入れられていた花は、少ししおれていました。でも、王妃さまはとても喜びました。
「ありがとう、ローザ。……花言葉は”約束”ね。」
「……ハナコトバ?」
花言葉の意味が分からなかったローザは首をかたむけましたが、王妃さまは「ふふっ」と笑いました。
「知らないで持ってきたの?……まあいいわ、どこかに活けておきましょう。」
そう言って王妃さまは、小さな花をじっと見つめました。
それから何年も経って、ローザとマルゲリータは結婚しました。
二人は、教会で結婚式をしたあと、お城の庭でパーティーをしました。
小さい頃仲良くなった女の子たちも呼んで、おいしい料理を食べたり、楽器を演奏しました。
ローザは、パーティーの終わりに、庭にたくさん咲いているシロツメクサで花冠を作って、マルゲリータの頭にかぶせました。
「王妃さまとの約束の印だよ。これからもずっと、君を守るって。」
ローザがそう言うと、マルゲリータは、自分の頭の冠を少し撫でて言いました。
「……まあ……母さまとそんな約束を……?」
マルゲリータのきれいな金髪を、真っ白なシロツメクサが優しく飾っているのでした。
ほどなくしてローザは、王様になりました。
マルゲリータとも仲良しで、国民からも好かれています。
二人はずっとずっと、この国のお城で幸せに暮らしました。
普段、割と使ってしまう、比喩とか難しい言葉を少なくして、一文を短くしてみました。
話の内容は、定番な感じ?
…あと、登場人物の名前を「ピザw」とか思った人w
ちがうんだからな!?イタリア語で「ヒナギク」つまり「デイジー」って意味だからな!?
普通に、向こうでは人の名前です。ちなみにマルゲリータのニックネームは「メグ」です。
…頼んだぜ。杏奈。描きにくいかもだけど。






























頑張るわノノ
登場人物の容姿とかは…?
水彩絵の具でいいかな?
なんかこうしてって言うのがあったら言って!!
お話面白いし俺は好きだな(*´`)