Nicotto Town


黒曜のアジト


【絵本風に】シロツメクサ【オリジナルストーリー】


子供にも読んでもらえるような、「絵本」を目指して作ったオリジナルストーリーです。










おててとおてて、ぎゅっと握れば怖くない。
 知らない所でも大丈夫。二人で居れば大丈夫。
 
 王妃さまは、ある日ローザに言いました。
「わたしの姫を守っておくれ。これは約束よ。」
 そう言って木でできたおもちゃの剣を渡しました。
 
 ローザは、隣の国の王子様でした。
 この国のお姫様と結婚するために、この国へやってきたのです。
 でも、ローザもお姫様もまだ子供です。
 お姫様とローザは、まるでお友達のように、一緒に暮らしています。
 みんなから好かれるおてんばで優しいお姫様の名前はマルゲリータといいました。 

 ある日、マルゲリータはお部屋の窓を大きく開けて言いました。
「私もお外にでたいわ。」
 マルゲリータはいつもこう言っては、ローザを困らせていました。
 マルゲリータもローザもとても忙しいのです。
 毎日、毎日、お勉強や楽器の練習、乗馬のおけいこをしていると、いつの間にか日は暮れてしまいます。
 一度も出たことのない、街をのぞいて、マルガリータはため息をつくのでした。

「ねぇねぇ、マルゲリータ。とってもすてきな道をみつけたんだ。」
 ある日、剣のおけいこから帰ってきたローザは、マルゲリータに言いました。
「きっと外に出られるよ!」
 
 ローザがマルゲリータを連れてきたのは、地下から外につながる道でした。
「ここなら門番もいないよ!」

 街は人がたくさんいました。
 大人も子供も、みんな忙しそうに歩いています。
 お城の土地の外で、歩くことは、ローザにとってもマルゲリータにとっても初めてでした。
 
「わんわん!わんわん!」
  二人が街の中を歩いていると、大きな白い犬が吠えかかってきました。
「きゃあ!怖いよローザ!」
 犬を怖がったマルゲリータは、ローザの手をぎゅっと握って、ローザの後ろに隠れました。
「…大丈夫!僕がまもるから!」
 そう言ったローザは王妃様からもらった木の短剣を手に犬に立ち向かいました。
 その時のことです。
「プリムラ!めっ!」
 犬の後ろから女の子の声がして、犬は吠えるのをやめました。
「ごめんね。この子、すぐ吠えちゃうの。」
 女の子は、ローザとマルゲリータに謝ると、にっこりと笑いました。
 犬は、女の子に撫でてもらって、ご機嫌そうにすわっています。

「おーい!犬見つかったか?」
 街の方から走ってきた子供達が、女の子に話しかけました。
 女の子たちは、逃げた犬を探していたのでした。
「ええ。みつかったわ。」
「それならよかった。その子たちはだれ?」
 子供達は、ローザとマルゲリータをじっと見た後、こう言いました。
「この辺じゃみかけないけど、一緒に遊ばない?」
 二人は、差し出された手を取り、たくさんの子供達と一緒に野原を駆け回りました。
 マルゲリータやローザにとって、お互い以外で同じくらいの年の人と遊ぶのは初めてでした。
 白い犬とボールを追いかけて、いつの間にか二人の着ている服は泥だらけになってしまいました。
 二人の着ている真っ白なスカートや、ズボンには、はねたどろんこがとても目立ちます。
 それが気にならないくらい、夢中で遊びました。

 

 いつの間にか明るい太陽は山の奥に隠れて、日が暮れました。
 一緒に遊んでいた子供達も、一人、また一人と帰っていきます。
 二人が帰らないといけないことに気づいたのは、すっかり暗くなってからでした。
「いっけない!はやくお城に帰らないと!化け物に食べられちゃう!!」
 黒いマントで覆ったようにまっくらな辺りを見渡して、マルゲリータはそう言いました。
 マルゲリータがもっと小さい頃から読んでいた絵本には”暗くなっても外にいる子供は、悪魔に食べられてしまう”と書いてありました。
 マルゲリータは、それを信じて、暗くなった後に外に出たことはありません。お城の庭にもです。
 ローザの手を引っ張って、帰り道を急ぐも、その足はだんだんとゆっくりになっていきました。
「どうしたの?マルゲリータ。」
 うつむくマルゲリータに、ローザは聞きました。
「本当に、食べられちゃうかも……お城に帰れなかったらどうしよう…」
 涙を流しながらそういうマルゲリータに、ローザは言いました。
「大丈夫だよ。僕がついてる。悪魔なんてやっつけるから。」
 ローザは、マルゲリータのおててをぎゅっと握って、出来るだけ胸をはってあるきました。
 あふれそうな涙や、弱音をじっと我慢して。
 だって、王妃様に言われたことでしたから。”姫を守っておくれ”と。


 お城に着いた頃には、山の向こうに月がらんらんと光っていました。
「まあ、二人してどこに行っていたの?こんなにお洋服を汚して。」
 王妃さまは二人を叱って、ぎゅっと抱きしめました。
「ごめんなさい、王妃さま。」
「ごめんなさい、お母さま。」
 二人が謝ると、王妃さまは、二人の頭をゆっくりと撫でて笑いました。
「暗くて、怖かったでしょう?」
「こわかったよ!でも、ローザが守ってくれたの。」
 王妃さまが聞くと、すっかり元気を取り戻したマルゲリータが答えました。
「あらローザ、マルゲリータを守ってくれてありがとう。」
 王妃様がお礼を言うと、ローザの顔がぱっと明るくなりました。
「はい……あ、そうだ。王妃さまに、お土産です。」
 照れたように返事をしたローザは、ズボンのポケットから、一輪の白い花を出しました。
「あら、可愛らしい。シロツメクサね。」
 長い間ズボンのポケットに入れられていた花は、少ししおれていました。でも、王妃さまはとても喜びました。
「ありがとう、ローザ。……花言葉は”約束”ね。」
「……ハナコトバ?」
 花言葉の意味が分からなかったローザは首をかたむけましたが、王妃さまは「ふふっ」と笑いました。
「知らないで持ってきたの?……まあいいわ、どこかに活けておきましょう。」
 そう言って王妃さまは、小さな花をじっと見つめました。


 それから何年も経って、ローザとマルゲリータは結婚しました。
   二人は、教会で結婚式をしたあと、お城の庭でパーティーをしました。
 小さい頃仲良くなった女の子たちも呼んで、おいしい料理を食べたり、楽器を演奏しました。
 
 ローザは、パーティーの終わりに、庭にたくさん咲いているシロツメクサで花冠を作って、マルゲリータの頭にかぶせました。
「王妃さまとの約束の印だよ。これからもずっと、君を守るって。」
 ローザがそう言うと、マルゲリータは、自分の頭の冠を少し撫でて言いました。
「……まあ……母さまとそんな約束を……?」
 マルゲリータのきれいな金髪を、真っ白なシロツメクサが優しく飾っているのでした。

 ほどなくしてローザは、王様になりました。
 マルゲリータとも仲良しで、国民からも好かれています。
 
 二人はずっとずっと、この国のお城で幸せに暮らしました。







普段、割と使ってしまう、比喩とか難しい言葉を少なくして、一文を短くしてみました。
話の内容は、定番な感じ?

…あと、登場人物の名前を「ピザw」とか思った人w
ちがうんだからな!?イタリア語で「ヒナギク」つまり「デイジー」って意味だからな!?
普通に、向こうでは人の名前です。ちなみにマルゲリータのニックネームは「メグ」です。



…頼んだぜ。杏奈。描きにくいかもだけど。

#日記広場:日記

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2013/03/28 12:09
わかった!
頑張るわノノ
アバター
2013/03/28 11:39
何ページにしたらいい?
登場人物の容姿とかは…?
水彩絵の具でいいかな?
なんかこうしてって言うのがあったら言って!!

お話面白いし俺は好きだな(*´`)




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