Nicotto Town


ま、お茶でもどうぞ


尊敬する人物


尊敬する人物を一人に絞ることはできません。
毎日を懸命に生きる名もなき人すべてです…!と真剣に語ってこのお題は終わろうかと思っていましたが。

つい先日、手塚治虫の「ブッダ」に引き続き、蒼雪にまた神が降臨しました。

その名も美内すずえ

ガラスの仮面、本当に傑作です。まだ途中までしか読んでませんがww

面白い話というのは、一ページ目から読み手を引き付けて放しません。
ガラスの仮面は、昔実写ドラマになったり、アニメで観て知っていましたが、原作の神髄までは再現できていなかったように思います。

異能の天才北島マヤと、もう一人の天才女優・姫川亜弓、そしてマヤを指導する月影先生、マヤを思う速水真澄…生き馬の目を抜く芸能界での栄光と挫折、三者三様の人間模様恋と情熱、などが非常に濃厚に描かれ、読み手を飽きさせません。

芸事に関する向上心と情熱、夢に生きる厳しさを教えてくれながら、やっぱり根本は恋愛マンガです。
誰かを好きになり、あの人の気持ちはどうなのよと一喜一憂するマヤたちの表情や動向は典型的でありながら、素直に感情移入できるのがすごいです。

そこは作者が魂で感じて書いているからだと思います。

昨今のマンガは、絵はうまいけど内容が薄いのが多くて、それに比べて昔のはどうしてあんなに中身が濃かったのかと考えたんですが。

それは、作者が書きたくて書いたかどうか、何を訴えたいのかにかかっていると思います。
今の人はみんな目が肥えているおかげで、文章や絵も達者ですが、上手いだけでは面白い作品はつくれないのです。
一見上手に書けているようでも、読んでいてまったく面白くない。
頭で考えて計算した内容を器用に絵や文にしてこなしているだけ。
だからキャラや話の展開などがありたきりになっているんです。
キャラに魂が感じられないんですね。

ガラスの仮面は、内容やメッセージは決して奇抜でも斬新でもない、全部昔から言われていることなのだけど、作者が本当にそう感じて書いているから、とても説得力があります。

とくに紅天女編は圧巻でした。
月影千草が、女優として最終的に達した境地が「天と地の理を知り、神の意思と一体になる」という…。
ふつー少女漫画でそこまで描かないだろ!w
と、思わず心のつっこみが入りましたが、同時にとても納得し、ここまで達した美内すずえの境地に驚いていたのです。

本当にこの作者さんは、自然の意思(神の存在と意味)を頭ではなく、魂で理解したんだな、と。
「ブッダ」以来の驚きでした。真に悟ってたんですね。

そこに至るまでにただ他人の意見を鵜呑みにしたり、漠然と考えたのではなくて、常にそういう意識をもって世の中を見ていたから、人は大自然に生かされている存在なんだ、と悟ったのだろうなと思います。

紅天女の相手役・一真を演じるために桜小路が現役の仏師を訪ねる場面がありましたが、この話もまた印象的でした。(本物の仏師に会って取材したと思われるリアリティでした)

普段は市役所の戸籍係をしている海慶という仏師は、一見、ふつうの家庭を持つふつうのお父さんです。
仏像だけ作って生活できる腕なのに、なぜ公務員をしているのかという桜小路の問いに、彼はこういうふうに答えました。

「人と接することが修行。喜怒哀楽にまみれることで学ぶことがたくさんある」

なるほどなぁと思いました。(←この書き方だと軽い感じだけど心底共感した)
そして彼が仏像を彫るのは、生活のためでなく、まして趣味のためでもなく、ただ己の中に眠る清い精神を樹木から彫り出すためにあったのです。

どうしようもなく彫りたくて仕方なくなるまで我慢して、その時が来るまでは腕が鈍らないように基本技術を練習する海慶。
技術はただ、彼の心を忠実に彫り出すための手段に過ぎず、技術を上手に見せるために仏像を彫るのではないと語ります。
なるほどなぁと思いました。(←本当に共感した)

私もちょっと絵や文章を書くのでわかります。自分の感じた本当に伝えたいことを形にするには、技術が必要であると。
技術がなくては始まらず、逆に技におぼれては何も伝えられないのです。
ほんと、これは大昔から言われていることなんですが。今さらのように実感しました。

月影先生がマヤに言っていました。

「上手な演技と、人を惹きつける演技は違うのです」

全くその通りでございます。

自分の身に起きる感情のすべて――喜怒哀楽、恋までも芸のこやしにせよという月影先生。
芸の到達点は最終的に神の意思に近づくこと、芸のみならず何かにうち込むことは、人間として完成される過程のための修行なんだという意識が、ものいわぬ迫力で伝わってくるマンガです。

なんて語ると、壮大すぎてちょっと抽象的ではないかと思われそうですが。
神の意思とか言う時点でかなりやばい雰囲気ではと警戒されそうですがwww

でも言わんとすることは変に宗教的なものでは決してなくて、「生かされている自分を知ること」を伝えようとしているんです。
作者も最初から紅天女についてそこまで考えていなかったんだろうけど、連載が続く過程でその気づきを得て、だから紅天女編に入ったときは怒涛のようにその気づきを語ったのだろうと思います(笑)

そんなたいそうなことはさておき、ふつうに物語として傑作なので、そこがまた絶賛される理由だと思います。
キャラが衝撃を受けた時に白目になる表情なんて、今見ると古典的過ぎて逆に新鮮ですしね(笑)

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2013/05/29 08:54
ゆめろーさん、コメント感謝です。

そうですね、わくわくしますね^^
私の場合、どうしても気になって仕方ない作品はハズレがないです。

でも、前々から本屋で見かけても食指が動かなくて、これどうだろう、いや読まなくていいやと思いつつ放置していた作品を、「でも面白いかも…」と思って買った作品は、すべてハズレだったりします。

自分の勘は信じて間違いないですね^^;
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2013/05/29 08:52
ふうこさん、コメント感謝です。

学力テストなどの調査によると、全国的に子供たちの表現力が下がってきているそうです。
自分で何かを作り出す云々の前に、表現するという行為、動機が衰えてきているのでは。

昔と違って今はたくさんのジャンルで優れた作品があふれかえっていますから、自分でも何か作ろうという気が失われつつあるのかもしれません。
とはいえ、やっぱり自作小説とか、イラストなどは今の子達も積極的につくってますけどね。
ただそこに、「自分本来の表現したいものはあるか」となると、おそらく微妙なのでしょう。

なぜかというと、先人の優れた作品が多いがために、オリジナルですごいアイデアというのは出にくいものだからです。
どうしても誰かの模倣になってしまう。真似たつもりはなくても、どこか似通ってしまうんですね。
アイデアは早い者勝ちですから。これはプロの世界でもいえることです。努力しても、ヒットする鉱脈を探し切れない。

でも、どうしても自分で書きたいものがあるなら、そこに人を惹きつける魅力が宿ると思います。
内容の濃さと薄さは、その熱意が込められているかどうか、じゃないかなぁ。

マンガ喫茶、私も行ってみたいですが…お金払って入っても、めあての作品がなかったらやだなぁと思うと、なかなか踏み込めません^^;
どんなマンガが何巻まで置いてあるかわかれば行きますww

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2013/05/29 08:42
小鳥遊さん、コメント感謝です。

ガラスの仮面、略してガラかめ…なんか亀みたいですねww

今は傑作とされている作品は文庫化などされているので、原作本をそろえるより楽かもしれません。
でも私も借り物を読んだので、今全巻そろえる気力と財力がありません(笑)
文庫版ですら23巻とか。しかもまだ続いているんだからすごいですね。

この作品は、どこから読んでも面白いんですよね。そして続きが気になってたまらなくなる。
キャラのブレもほとんどなくて、そして濃いんですよね。
恋愛模様が情念の世界なんですよ。誰かをひたすらに思い続けるという。そして惹かれあう運命のふたり!w
ものすごくベタで、王道で、ストレートすぎるから、読んでいて胸に迫るものがあります。
私は少女マンガ独特の華やかさや恋愛ものが苦手なのですが、この作品は素直に感動できました^^
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2013/05/28 20:17
なつかしぃ^^

良い作品に出会うとワクワクするねw^^
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2013/05/28 13:55
連載当初、本誌でちょっと読んだけど、
また読み直してみたくなりました!

昨今のマンガは…というのは、確かにあるような気がします…^^;

どうしようもなく彫りたくて仕方なくなるまで我慢して…ってのは、
なるほど!(本当に共感)と思いました。

あと、ブッダは、子供が耳鼻科に通ってた頃、置いてあったのを読んでたんですが、
通院が終わって続きを読んでません;;
漫画喫茶に行きたいなぁ~~!
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2013/05/28 12:26
ガラスの仮面……略して「ガラかめ」ということを、つい最近になって知った小鳥遊です。
高校時代にクラスで流行っていて、教室中で回し読みをした思い出があります。
(あとは「ベルサイユのばら」もそうでしたw)
刊行されているすべてを読んだワケではないので、懐かしいな~~、また手に取りたい! と思いました。
ただ1巻から読もうとしたら、どうなるんだろう^^;

昔の漫画って、ある意味、とても濃いですが、その濃さこそが私は好きです。
紅天女編、ぜひとも読んでみたいと思いました^^
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2013/05/28 11:15
じゅらさん、コメント感謝です。

そ、そうですか?ありがとうございます^^
これでもあまり感動しない方なんですよ~。
泣ける映画とか見ても泣けないし。むしろ泣く人を疑うしww

それって作品の方が悪い…じゃなくて、何に感動するかは人それぞれですよね。
私はけっこう王道が好きみたいです^^

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2013/05/28 11:07
たかが漫画 されど漫画。。。♪

そんでもって 尊敬に値する人も ほんっと 数知れずですよねんっ♪(○^Θ^○)ノ”

いろんなことに感動できる蒼雪さまっ♪も 尊敬する人のひとりですっっ!(人´Θ`✿)♪



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