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シン・ドラマ汁


ドラマ【八重の桜】

八重の桜
NHK 日曜夜8時~
【あらすじ】二本松を占領した新政府軍は、冬が来る前に会津との戦を終わらせたいと考え、会津領内へ攻め込もうとしていた。山本家では、権兵衛が家族を前に、城下での戦を前に、殿様とお家を第一に考え見苦しい真似はしないよう、言い聞かせた。その後尚之助とともに角場を整理していた権兵衛は、八重が書いた鉄砲の絵図を見つけ、それを懐に仕舞う。八重ユキと、病床にある薙刀の師範・黒河内を見舞っている時、道場の方から勇ましい声が聞こえていた。竹子輝姫を守るため薙刀隊を作るのだと言う。八重も誘われるが、薙刀では薩長にかなわないと考える八重は、何も言わずに断った。

【感想】さぁ、いよいよ八重のターンですね。あの洋装とも和装とも言えぬ独特の戦装束は、三郎の形見の服の袖をちぎったものでしたか…。きっと袖丈が長かったのでちぎったのでしょうね。内陸の国というのは厄介なもので、地形によっては多少差もありますが、360度全方位から敵が攻めてくることを考えなければいけないので、守る場所も多くなります。人数的に劣勢なのに、その上その人員を割かなければならないのは、かなり不利ですね。片や攻める側はどこかに勢力を集中すればいいので、楽なものです。これがゲリラ戦なら地形を知っている地元側が有利なのでしょうが、そんな戦いをする気は毛頭なさげですしね。渦中にいる八重たち会津藩の武家は気づいていないかもしれませんが、この戦いは宗教戦争に似ている面があります。会津藩士は松平容保に絶対の服従を誓い、容保本人や松平家のためには命も惜しまない覚悟。そして今まで薩長に家族や友人を討たれた恨みもあります。この戦争の持つ意味、そしてこの戦争が日本という国家に与える影響など露も考えず、ただただ主君のため、失った盟友のため、戦おうとするのです。頼母のように現実を見て、恭順した方がいいなどと言う身内がいれば、根性論で徹底的に非難します。自分たちが正しいと、心の底から信じている、いわゆる正確な意味での確信犯なんですよね。今自分たちが折れれば、まだ生きている人々の命を失わずにすむとか、町を戦火にさらさずにすむとか、そういうことは考えません。むしろそういう考えを悪とします。彼らが守ろうとしているものは、失おうとしているものよりずっと小さな存在であることに、気づかないのです。会津の人々の姿を見ていて、私は第二次世界大戦下の日本を思い起こしました。もちろんその頃はまだ生まれてないから、実際どうだったかはわかりませんが、天皇家への絶大なる忠誠、そしてそのため死ぬことを賛美するような世の中で、それに異を唱えようものなら非国民として投獄されてしまう。第二次大戦時の日本の精神は、武士の精神だったのですね。正直第三者的立場から見れば、不気味です。意味のないものに忠誠を誓い、死を厭わないのですから。今私たちが北のかの国やイスラム過激派に対して抱くイメージに似ています。現在、日本でもナショナリズムに傾倒する人が増えていると言います。しかし、自らの死をもってわけのわからんものを守ろうとするようなナショナリストはいないでしょう。日本人総腑抜けです。しかし、この平和ボケした腑抜けの日本人は、この会津戦争や第二次大戦の時の不気味な日本人より、ずっと愛すべき存在だと思うのです。この不気味な日本人については、国民性というものもあるでしょうが、やはりどう考えてもトップがバカです。会津藩の場合、容保がバカです。あまりに藩への愛着が薄いように思います。彼は元々会津の生まれではなく、養子だったから、藩のことよりも孝明天皇に傾倒してしまったり、慶喜の言うことに逆らえなかったりしたのではないかと思ってしまいますね…。平和な世の中に生まれていたら、賢君だったのかもしれませんが。




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