Nicotto Town


アニメ日記


風立ちぬ

宮崎駿原作の劇場アニメ
実在の人物を題材にした飛行機技師の半生を描くストーリー
ドキュメンタリーに近いので大人向けだと思います。
原作未読

■概要
かつて、日本で戦争があった。

大正時代から昭和へ、1920年代の日本は、
不景気と貧乏、病気、そして大震災と、
まことに生きるのに辛い時代だった。


そして、日本は戦争へ突入していった。
当時の若者たちは、そんな時代をどう生きたのか?


イタリアのカプローニへの時空を超えた尊敬と友情、
後に神話と化した零戦の誕生、
薄幸の少女菜穂子との出会いと別れ。


この映画は、実在の人物、堀越二郎の半生を描く―。


堀越二郎と堀辰雄に
敬意を込めて。


『生きねば。』
※公式HPより引用


■寸評(ネタバレ含みます、辛口です)
原作や予備知識一切頭に入れず視聴しました。
まぁ主人公が庵野さんという事はわかっていましたがその程度です。

ジブリのクオリティの高さは相変わらずでした。
小物や動き、独特なメカニカルな表現など細かいところまで詳細に描いていました。

作風ですが第一印象としては高畑勲作品っぽいかなと思いましたね。
夢の中のシーンや飛行機のシーンなど宮崎駿らしい演出はありましたが
淡々と主人公の半生を綴っていくので展開の起伏は緩やかでした。
そのせいか、エンターテインメント性は低いと感じました。
宮崎駿作品でドキュメンタリーっぽいといえばもののけ以来な気がします。


少年期、青年期、中年期と場面が大きく変わっていく展開でした。
・少年期、空を飛ぶ事を夢見る少年で、雑誌で見た飛行機技師カプローニを知り夢で出会う事で、視力の悪さで空への夢を諦めていたが飛行機技師の道を選ぶきっかけを得る。
・青年期は列車に乗車中、風で飛ばされた帽子がきっかけで菜穂子と出会うも大震災にあい運行不能、町は荒廃し人々も混乱の状況下、菜穂子と怪我をした使用人(?)を家族の元へ導き去っていく。
2年後、学生(研修生?)から飛行機の設計技師として職に付く
・中年期は実力を認められ飛行機技術で先進しているドイツへ視察するなど責任者として活躍する、そして再び風で飛ばされたパラソルをきっかけに菜穂子と再会する。
結核を患っている菜穂子は病気が治ってから結婚の申し出を受ける約束をする。
治療に専念する為遠方の病院へ入院するも会いたい一心で二郎の元にやってくる菜穂子。
病状をわかった上で二人の覚悟により上司であり理解者の黒川が仲人を引き受け結婚する。
飛行機開発は佳境に入り念願の零戦が完成し大空を舞う、時を同じくして菜穂子は病院へ戻ると書置きを残し姿を消す。
再び夢の中でカプローニと再会し菜穂子と出会い最後の別れの言葉を交わす事で菜穂子の死を受け入れる
カプローニはそれでもあなたは生きなければいけないと二郎に話し一杯どうだと誘い共に歩いていく二郎
※かなりざっくりとした流れを書きました。

まず「生きねば。』というテーマですがどこにかかるのか視聴後ですが疑問に思いました。
愛するものとの死別を乗り越え生きる?、夢を追いかけるて生きる?、時代を生きる人たち?、ここら辺かなと思いましたがどれも弱く感じました。
公式サイトを見ると『現代と酷似する困難な時代を生きてきた人たちを描くことでどんな時代でも力を尽くして生きることが必要』というメッセージのようです。
しかしながら強く感じる事は無かったように思われます。
主人公の二郎は優秀でおそらく中流階級位の家柄のように思います。
被災の状況や大戦前の状況もそんなに目立つわけではなく反戦や被災復興を掲げるようなものでは無かったですね
宮崎駿自身、『自分の夢に忠実にまっすぐ進んだ人物を描きたいのである。』と語っていることから夢を追いかけて生きるという事になるのかと思いますが技師としての(優秀なので)苦労があまり見られず達成感も感じられなかった。
愛するものとの死別を乗り越えて生きるというのが一番しっくり来るんですが別れからの描写って数分なんですよね。
それまでの積み重ねがあっての数分ではありますが、夢を追いかける描写の比重が大きい為釈然としないですね。
宮崎駿が尊敬し参考にしたという堀辰雄さんの「風立ちぬ」は未読ですがwikiを確認した限りでは『彼女の死の影におびえながらも、2人で残された時間を支え合いながら共に生きる物語』『生きることよりは死ぬことの意味を問うと同時に、死を越えて生きることの意味をも問うた作品である』とあり、人物設定などは概ね参考にしていると思いますがここまでの深い関係性は見られませんでした。
トトロの「忘れ物を届けにきました」やもののけの「生きろ」など名キャッチコピーがありましたが今回は個人的にピンと来ませんでしたね

また二郎と菜穂子との関係性ですが、二人の出会うきっかけは良いと思います。
その後の婚約までの展開が古典文学的な感じで当時はそうなのかなと納得するしか無かったですね。
1回目の出会いから7年後に再会し助けてもらったお礼を言いたかったとずっと思い続けていたようです。
その後おそらく数日の間直接会うことは無く2階にいる菜穂子と紙飛行機でやり取り(キャッチボールのような感じ)そして二郎は交際と婚約の申し出をし菜穂子は受ける
運命を感じる出会いと再会ですがいきなりの婚約ですからね。
細かいことですが、助けられたとはいえ当時12,3才の少女が7年後まで相手の顔を覚えているのかなと‥

冒頭でも書きましたが上映時間が2時間以上あり、淡々と流れていくストーリなので子供は退屈に感じてしまう作品ではないかなと思います。
宮崎自身子供向けではない作品は作りたくないと言っていたところ鈴木プロデューサーに
戦闘機や戦艦を好む一方で戦争反対を主張する宮崎の矛盾の回答を出すべきと促され製作した経緯があるようですね。

気になった点といえば
まぁこれも細かいのかもしれませんが
結核で床についている菜穂子の脇で仕事をする二郎が
タバコを吸う為部屋を出ようとする所、菜穂子がここで吸ってというシーンですね
菜穂子は少しでも一緒にいたいという気持ちの表れで
部屋を出ようとする二郎も菜穂子への気遣いがわかります
ここまでは良かったんですが、二郎はそのままタバコを吸い始めるんですよね。
菜穂子が寝てから外で吸うとかでも良いのでは‥

最後に
個人的には詰め込みすぎで主題がぶれてしまっている印象を持ちました
おもひでぽろぽろとかのように見る年代などによって評価や感想が変わる傾向が強いのかなと感じたので(評価サイトなど)他のサイトでどのような反応があるのか興味が沸きました


■登場人物
堀越二郎  :庵野秀明
里見菜穂子 :瀧本美織
本庄    :西島秀俊
黒川    :西村雅彦
カストルプ :スティーブン・アルパート
里見    :風間杜夫
二郎の母  :竹下景子
堀越加代  :志田未来
服部    :國村隼
黒川夫人  :大竹しのぶ
カプローニ :野村萬斎
※敬称略

■公式サイト
http://kazetachinu.jp/index.html

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2013/07/31 00:33
コメントありがとうございます。

みかささん>
もうすぐ見られるんですね^^
私の住んでいるところでは平日の昼間でしたが夏休みのせいか劇場には結構人いましたね

ゆめ。さん>
stpありがとうございます。
おぉ見ましたか^^
主役の庵野さんの声は思ってたより良かったと思いましたね

るい蔵さん>
最近孤独死やら自殺など多くなっている現状へ鑑みて
生き生きとした人たちを見て生きることに力を尽くそうよというメッセージが込められているのでしょうかね^^
生きねばというテーマは色々なことを考えさせられますね。
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2013/07/30 22:06
訪問感謝です。風立ちぬはあさってみるつもりです。
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2013/07/30 10:04
投稿のステキありがとうございます。
stpお届けです
風立ちぬ見ました*

失礼しました
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2013/07/30 07:07
個人的にはこんなつらい時代に生まれたとしたらさっさと死んじゃおうと思うので

「生きねば」というテーマが理解できないかもしれません><;



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