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- カテゴリ:日記
- 2013/08/13 15:02:44
それから彼女はシャワーを浴び、汗を流した。体重計に乗って、大きな変化がないことを確かめた。鏡の前に立って、乳房の大きさと陰毛の形状が変わってないことを確認し、大きく顔を歪めた。いつもの朝の儀式だ。
洗面所を出ると、青豆は動きやすいジャージのスポーツウェアの上下を着た。そして時間をつぶすために、部屋の中にあるものをもう一度点検してみることにした。まず台所からその作業にとりかかった。そこにどんな食品が用意してあり、どんな食器や調理用具が揃っているのか。彼女はそのひとつひとつを頭の中に記録していった。その食品のストックをどのような順番で調理し、食べていけばいいのか、おおよその計画を立てた。彼女の概算によれば、一歩もこの部屋を出なくても、少なくとも十日は飢えることなく生活することができた。意識して節約すればたぶん二週間はもつだろう。それだけの食料は用意されていた。
そのあとで雑貨のストックを細かく調べた。トイレット?ペーパー、ティッシュ?ペーパー、洗剤、ゴミ袋。足りないものはない。すべてはとても注意深く買いそろえられている。仕度にはおそらく女性が携わったのだろう。手慣れた主婦らしい注意深さがそこには見受けられた。三十歳の健康な独身女性がここで一人で短期間生活するために、何がどれくらい必要なのか、細かいところまで綿密に計算されている。男にできることではない。注意深く観察力の鋭いゲイの男になら可能かもしれないが。
寝室のリネン?クローゼットにはシーツや毛布や布団カバーや枕の予備がひととおり揃っていた。どれも新品の寝具の匂いがした。もちろんすべて白の無地だった。装飾性はきれいに排除されている。そこには趣味や個性は必要とされていない。
居間にはテレビとビデオデッキと小型のステレオ装置が置かれていた。レコード?プレーヤーとカセットデッキがついている。窓とは反対側の壁には、腰までの高さの木製のサイドボードがあり、身を屈めて扉を開けると、その中に二十冊ほどの本が並んでいるのが見えた。誰だかは知らないが、青豆がここに潜伏しているあいだ退屈しないでいられるように気を配ってくれたのだろう。念が入っている。本はすべてハードカバーの新品で、ページを繰られた形跡はなかった。ざっとタイトルを見たところ、最近話題になっている新刊書が中心だった。おそらく大型書店の平積みの中から選ばれてきたのだろうが、それでもそこには選択の基準のようなものが見受けられた。趣味とまではいかないにせよ、基準はある。フィクションとノンフィクションがおおよそ半分ずつ。その選択の中には『空気さなぎ』も含まれていた。
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