二人のヒーローと二人のヒロインを中心に復讐劇と世界の「創造」と「破壊」の顛末を描くアニメ
少々癖のあるアニメでそれなりと言ったところでしょうか
原作未読
全２４話

■概要
「世の中の関節は外れてしまった。ああ、なんと呪われた因果か、それを直すために生れついたとは!」
※「ハムレット」シェイクスピア 野島秀勝訳 岩波文庫

ある日、魔法使いの姫君がたるに詰められ島流しにされた。
ある日、ひとりの少女が唐突に殺され、犯人が捕まらず時がすぎた。
そしてある日、復讐と魔法をめぐる、時間と空間を超えた戦いが始まった!
正気と狂気、理性と知性。自信と確信。
悲劇で不合理な世の中で物語は始まる―――。

“はじまりの樹"の加護を受ける魔法使いの一族・鎖部一族。
その姫宮にして、最強の魔法使い鎖部葉風。
彼女は“はじまりの樹"と対をなし、破壊の力を司る“絶園の樹"を復活させようとする同族の鎖部左門によって、無人島に樽に詰められて流されてしまう。
葉風が孤島から流したメッセージを、妹・愛花を殺した犯人に復讐を誓う少年・不破真広が拾う。
真広は犯人を魔法の力で見つけることを条件に、葉風に協力する。
そして真広の親友で、愛花の恋人である滝川吉野は、危機を真広に助けられたことから、その復讐劇に巻き込まれることになる。

■寸評
前半はそれなりに良かったと思います。
愛花を殺した犯人を見つけ出すまでの流れや世界の終焉を防ぐ為の鎖部とか見所もありました。

見所でもありターニングポイントはやはり2年間のトリック解明でしょうね
佐門と吉野との謎解きの問答は「うみねこのなく頃に」を思い出します。
ただ、それと引き換えに佐門の扱い（見方）が大きく変わった場面でもあるんですよね。
今まで堅実で計算高く威厳もあるように見せていたのにすごい変わりようでした。
これはこれで面白かったんですが、後半にかけて佐門の小物ップリが加速していきましたね。

やはりギャグが度々入ると違和感がある為シリアス全開でも良かった気がしました。

それから、復讐の為とはいえ愛花の死の謎は引っ張りすぎな感じがしました。
絶園の魔法使いも登場人物が一通り出てほとんどその中で物語が展開されるので
あまり驚きはなかったですね
また、世界の命運をかけた展開の中、相次ぐ共闘で一同テーブルを囲む仲とか茶番に見えてしまいました

男性主人公2人が後半あまり活躍しなかった印象ですね。
真広と愛花の関係を隠し通すのも説得力に欠けるし、ばらした後の真広に対しての言動も違和感がありましたね。
ばれたらばれたで恋人だったとはいえその兄に愛花の体がどうとかキスがどうとか言うかな
真広も口出しだけが目立つ印象でしたね。

少し気になった点
大したことではないですが、バトルシーンはあまり迫力が無かった気がします。
夏村と対峙した時のエヴァンジェリンの持っていた武器はどうしたんでしょうかね
吉野からいくつかもらっていた魔具に武器は無かったと思うんですよね。
そもそも防御と加速のみの魔法で戦うのも無理があったかなと思います。
終盤は普通に空飛んでたのは何か別の力なんでしょうかね

葉風も後半恋する乙女になっちゃったし
ラストにかけて周りがどんどん小物になっていくように見えた不思議なアニメでした。

■登場人物
滝川吉野:内山昂輝
不破真広:豊永利行
鎖部葉風:沢城みゆき
不破愛花:花澤香菜
鎖部左門:小山力也
エヴァンジェリン山木:水樹奈々
星村潤一郎:野島裕史
鎖部夏村:諏訪部順一
鎖部哲馬:吉野裕行
早河巧:浅沼晋太郎
羽村めぐむ:梶裕貴
※敬称略

■公式サイト
http://www.zetsuen.net/