Nicotto Town


クワークの酒場。


愚かな選択


注:今回は読んで愉しい内容のものではありません。
  明日の終戦記念日に因み戦争について書きます。


*このお話はフィクションです。

皇帝を擁する帝国Σ。
今大戦の敗北はもう目に見えていた。
元々勝てる見込みの少ない戦いだった。
それより、何より、Σの水軍と陸軍の対立が、お互いに余りにも利己的過ぎた。
基本的に水の真ん中では、人間は生活出来ない。手柄が目に見え難いのだ。
だから、水軍の役目は陸軍の補給線にしか見えないのだろう。
開戦当初、陸軍は手柄を独り占めしていたのもいけなかった。
水軍は陸軍の後手に回るのにウンザリして、連携を全く取らなくなった。
陸軍は水軍の補給無くして維持などできない。
追い詰められた陸軍の司令部は、それでもメンツばかり気に囚われ、各部隊は壊滅して行った。

軍隊は引き際を誤ると大変な事になる。
物資や人材。兵器や兵員は血税を使って開発、訓練され、
国民の生活を護る為のものであり、貴重なものなのだ。
軍備を持たない国は外交など出来ない。
無駄にする事など決して許されない。

メンツのみを重んじる陸軍は、愚かにも撤退を決してせずに、次々と全滅させて国力を無駄に棄てた。
水軍も陸軍に嫉妬ばかりして決して手を貸そうとはしなかった。
陸軍はあろうことか、『皇帝の為に命を捧げた!』と責任逃れをした。
更には『我々が命を捧げているのに水軍は何をしているのか!』暴言を吐いた。
意固地になった水軍は、何と愚かにも徴収兵たちの命を無駄に棄てる作戦を立案した。
兵器ごと敵軍に突撃する戦法だ。
何と15000人近くも無駄に死なせてしまった。
この戦死者の責任こそを、追及すべきだったのだ。
Σ国は、国民を護るどころか、家族の大切な主人や息子の命を奪い、
家族を軍に捧げた、残った人々さえも護る事をしなかった。
残された妻や母達は売春をしてでも生きなければならなかった。
両親を亡くした子供は皆、飢え死にしていった。
こんな事になるなら、最初から何もしない方がマシだった。
何が尊いものか。不幸を被るのを強要したりされたりすることがか?哂わせるな!!

敵国αはΣの属する民族を奴隷程度にしか思っていなかった。
Σは民族として見た目の変わらない隣国を攻めたので、
『下等生物のひとつが突然変異を起こして同族の殺戮を始めた。細菌兵器の人体実験までしている。
連中が何をしているのか、身を以って知らしめる。』
として、Σ国の民間人の大量虐殺を次々と行った。子供の通う学校なども標的とした。
人体実験は確かにあった。だからと言って、民間人を標的にする理由にはならない。
更にα国は、口実を利用して、新兵器の実験をΣ国の民間人の街を使って行った。
 太陽弾『DAINICHI』と『AMIDA』は太陽信仰のあったΣの太陽神の名前から取った。
神の罰を模したつもりだったのだろう。
α国はヒトの住む街に小型の太陽そのものを落とし、ヒトと街を焼き払った。

開発した科学者たちは、『一瞬で全て蒸発するから、苦しみは無い。』とした。
とんでも無かった。
街は地獄絵図そのものとなり、そこで生活していた人々はこの世で最も酷い苦しみを受けた。

やがて、解っていた通り、Σ国は敗戦した。

α国はΣ国の民意を研究していたので、
皇帝とその国歌と国旗を残して、シビリアンコントロールを容易にした。








『私は少し歴史を学んだ。それで知ったのだが、人間の社会には思想の潮流がふたつあるんだ。
命以上の価値が存在するという説と、命に勝るもの無いという説
戦いを始める時 前者を口実にし、戦いをやめる時 後者を理由にする。
それを何百年、何千年と続けて来た。この先もずっとそうなんだろうか。』

僕の愛する人の言葉です。



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2013/08/28 21:51
きゃし殿>
『国』というのは組織であり、
組織を運営するのは、所詮 人です。
ここでは、陸軍の何十人かが、
『国』の組織であるということです。

[『国』の為に]というのは、そういう意味なのだと、御理解ください。
アバター
2013/08/28 16:57
民のために国があるのか
国のために民があるのか。。。

さて この国はどこに向かおうとしているのか。。。

周りはあまりにも・・・

なんだか嫌な空気だ。
アバター
2013/08/17 21:58
艦長>
コメントありがとう。
私もそれがとても心配なのです。
自国の国民の生活を護る為に、
どの国も防衛軍を持つのであって、
現与党がそれをキチンと解っているのか、疑問な所です。
アバター
2013/08/17 21:11
現在のシステムは,第二次世界大戦の反省をふまえて,考えられたものであるとするならば,
憲法を改正してこのシステムを無くすということは,戦争前に戻るということである。
そうではないことを,きちんと説明してほしい。




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