Nicotto Town


ロング澤翔


まだ年は幼いかもしれないが

過去にもカルロス程ではないが、資質に恵まれていた少年が些細な原因で選手生命を絶たれている例は枚挙に暇がない。その原因には怪我だったりメンタル面での不安定さだったり、ただ単に運が悪かったとしか思えない巡り合わせの無ささえも含まれるのだ。それでも尽きる事なく名選手の予備軍は続々と生まれている。 

 このカルロスにとってはチーム内で味方のいない厳しいシュチエーションを、今の内に体験できてラッキーだとふてぶてしく考えられるだけの精神的なタフネスがブラジルで一流のプロになるには求められる。
 サッカーが上手いだけの子供ならこの国にはごろごろしている。上手い上に身体能力が高い子供も少なくない。その上でさらに向上心があるか、心身両面のタフネスを持っているか、最後に幸運であるかどうかというレベルでまで選別され選手として大成するかが決められるのだ。
 まだ年は幼いかもしれないが、プロとしての苛烈な生存競争はすでにスタートしている。

 とはいえこのまま放置もよろしくない、彼を獲得するまで少なくない金に加え日本のクラブとトップチームからのレンタル移籍などの様々な取引があったのだ。そんな金の卵を孵化させる手助けができないならば、コーチとしての存在意義が失われてしまうからだ。
 だがここで安易に答えは出してはいけない。もしも一言ユースチームの絶対権力者であるコーチが「カルロスにもパスを回せ」と命じれば表面上の問題は解決される。<a href="http://www.shpmental.com/">prada 新作 財布</a>
 カルロスにパスを出さないのがマイナス評価になると判れば、プロを目指すユースチームの誰もそんな事はしなくなるからだ。
 しかし、もちろんそんな事だけで本質的な問題は解消されるはずもない。むしろチームメイトからすれば「カルロスはひいきされている」という負の感情を募らせるだけだろう。
 だからあくまでカルロスが自分の力だけで打開するべき課題なのだ。
 ここでコーチがしていいのはアドバイスぐらいだろうか。

「カルロス、とりあえず落ち着いて俺の話を聞いてくれるか」
「ちっ、何だよ」

 口を尖らせてふてくされているカルロスに極力ソフトに語りかける。

「カルロスがブラジルに帰ってきて、まだチームに馴染んでいないのは判る。でもカルロス一人で勝てるのか? 帰国するきっかけになったっていう日本での大会の試合を思い出してみろ。俺もビデオで見てみたが、相手はチームとして戦っていたけれどカルロスは一人ぼっちで対抗していたじゃないか」<a href="http://www.shpmental.com/">prada プラダ</a>

 そっぽを向いているカルロスの表情にばつが悪そうな色が浮かぶ。

「いくらお前が天才だって言っても、仲間からの協力が得られない状態での一人の力ではかなわなかった訳だ。だったら、これからお前がうちのチームでどんな戦い方を身につければいいか判るだろう?」

 目を逸らしていたカルロスが何かを理解したかのように、輝く瞳をコーチと合わせてしっかり頷く。どうやらチームメイトと力を合わせて戦う術を学んでくれる気になってくれたようだ。
 胸を撫で下ろしかけたコーチに、カルロスは疑問が解消されたすっきりとした表情で確認する。

「つまり次は最初から仲間を当てにせず、俺一人でも敵チームに勝てるだけの力を身につけろって事だな!」
「え、なんでそうなる」<a href="http://www.shpmental.com/">prada matelasse</a>

 斜め上のカルロスの思考に思わずコーチはどん引きする。そんな彼の態度に気が付くことなくカルロスは「いいアドバイスを貰った」と言わんばかりの曇りのない笑みを浮かべる。

「じゃ、とりあえず十一人抜きの特訓を今からしてくる。またな!」
「いや、ちょ、待てって」

 コーチの「お前は何を言っているんだ?」という制止の声を振り切って、生気に溢れた姿のカ http://www.shpmend.com/ prada 名古屋




Copyright © 2025 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.