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シン・ドラマ汁


ドラマ【八重の桜】

八重の桜
NHK 日曜夜8時~
【あらすじ】八重覚馬の勧めで、日本最初の公立女学校と言われている女紅場で、住み込みの舎監として働きながら、生徒たちとともに英語の講義などを受けていた。英語の講師に夢は何かと聞かれ、答えが出てこない生徒たちに代わり、八重はこの学校をもっと大きくして、たくさん学ぶことだと答える。一方京都府庁の槇村は、京都の大商人・小野組が本社機能を京都から東京への転籍を申し出たが、それを却下。小野はそれを恨んで裁判所に訴えることに。

【感想】八重、尚之助と会えてよかったですね。多分これが今生の別れになると思います。尚之助は明らかに顔色が悪く、健康状態がよくないことはすぐに分かるのですが、八重は久々に会って、それどころではなかったのでしょうか。しかしいやに短い対面でしたね~。もっと双方にあったことなど、話せばよかったのにねぇ。尚乃助の、私は鉄砲を撃つ妻が好きだ、夫の前を歩く妻が好きだと言っていたところは、涙が出ましたよ。何となくそれはほんとは新島譲が言ったことなんじゃないかと思うんですけどねw さて、今回は小野組転籍事件からの征韓論という内容でした。小野組転籍事件とは、行政と司法がぶつかった事件で、京都府の税収が減ることを恐れた槇村が、京都に在籍する小野組という、まぁ今でいうコンツェルンですな、その小野組が、本社を東京に移転したいと希望したのをはねつけ、小野が提訴、すったもんだあって結局牧村側が敗訴した事件です。今の民主主義の世の中では想像もつかない事件ですが、この頃はまだ選挙も始まってないですし、京都府の知事や参事は昔の大名のような権力を持っていると誤解していたのかもしれません。しかし槇村がドラマで言っていたように、この国はまだ生まれたばかりの赤子であり、そういう時には好きにさせるより誰か導いてやる人物がいた方がいいというのは、もっともだなと思いました。それまで日本の藩は、1つの国のようなものでしたから、明治維新、廃藩置県と続き、プチグローバリゼーションが進んでいたのでしょう。しかし、誰も彼もが東京東京とありがたがって行っていたのでは、田舎は空っぽになってしまいます。今の状況がまさにそれですね。これじゃだめだと田舎の人が立ち上がっていろいろやってますが、結局は観光収入が増えるくらいで、若い人はなかなか定着しません。人間は欲が深い生き物ですから、あまりに自由だと全体像が悲惨なことになってしまうものです。閑話休題。当初京都裁判所は、槇村たちに遠慮してなかなか裁判を行おうとしなかったのですが、それを知った司法卿の江藤新平が行政と司法の癒着に腹を立て、裁判官を更迭しました。が、それでも収まらず、結局終結したのは江藤が征韓論で敗れて野に下った後、木戸の説得で裁判所がやっと動いてからです。槇村が東京で収監されたのはその後ですから、実際この事件が征韓論と関係あったかというと、そうでもなさそうなんですよね。収監の直接のきっかけを作った木戸は、征韓論に反対していた人物ですからね。江藤という人物は、薩長土肥と最後に置かれる佐賀県の出身でしたが、その能力が認められ司法省のトップにまでなった男。性格は厳格かつ実直で、四民平等や三権分立を導入しようとしていた、当時としてはかなり急進派でした。他の本(確か司馬遼太郎の「翔ぶが如く」)で、そんな彼の人物像を読んでいたので、間違っても征韓論を通すために、槇村に嫌がらせをするような性格ではないと思うのです。西郷にせよ江藤にせよ、あまりマジメすぎる性格だと、ろくな最期を向かえられませんねぇ。人生ほどほどが一番なのかもしれません。が、この時代はそんなことも言ってられなかったんでしょうな。日本が民主主義に傾いていくのは、維新期にバリバリ活躍した志士たちの次世代が台頭する時代になってからですね。壊すのは得意だが、作るのは苦手。まぁ、何でもそうですよね。




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