Nicotto Town


ま、お茶でもどうぞ


すべて彼女のために


たまたまテレビを付けたら放送していたので、後半1時間だけ見てみました。

面白い映画というのは無駄がないので、たとえ前半見てなくても途中から引き込まれます。
この作品もそうでした。

あらすじは、フランス人のある夫婦に降りかかった突然の災難――妻の冤罪から始まります。
状況証拠なんかで妻が殺人罪確定になり、刑務所に禁固20年の実刑判決が。
前半を見てないので詳しくは書けませんが、大学の国語教師である夫ジュリアンは、妻を助けるために法的に戦ったらしい。
でもだめだったので、妻は投獄によるストレスと、愛しい夫と幼い息子に会えないつらさで自殺も図ってしまうほど。(という経過らしい)

そこで夫は妻の自殺を防ぐためにも、脱獄を計画するわけです。
20年も待てなかったのは、息子があまりに幼すぎるのと、妻の幸せを考えたうえでのことのようでした。

妻を脱獄させるにあたって、家のものを売りながら資金を作るも、悪い奴らにつけこまれて数人から足蹴にされるという暴行を受けたあとから、ジュリアンの中で何かが変わります。

怪しい男から拳銃を受け取り、麻薬の売人の家に乗り込んで金をせしめるまでの驚くべき行動力。それに対して、可愛い息子へは、常に善き父親であろうとする。
自分の銃をいたずらした息子に、最初に「危ないからこっちへよこせ!」と乱暴に怒鳴りつけるけど、怒った後でちゃんと「悪かった、(本物の銃を自分に向けていたから)怖かったんだよ」と説明するシーンでは、彼が教育者であると認識するのと同時に、親子のお手本を見せられた気がします。

麻薬の元締めに付いていたチンピラを脅してアジトに乗り込み、元締めともみ合った末に正当防衛とはいえ、持っていた銃で彼を撃ち殺すところでは、まったく迷いがありませんでした。
撃たないと自分が死ぬ、それはただおのれの命惜しさではなく、妻と息子のためなんだなと伝わってきて、すごみがありました。

結果的に、元締めの巻き添えを食ったチンピラも死に、実質2人を殺してしまったあとは、躊躇なく脱獄へと突き進みます。

妻が病気であることに着目した彼は、カルテを書き換え、医療施設のある刑務所へ移送させるようにして、移送中をかっさらうことにしました。

病院に乗り込み、またも職員を銃で脅し、医者の白衣を妻に着せて一緒に逃げようと言います。
妻は最初、強く拒むのですが、結局夫の言いなりに白衣を着て、まんまと病院を脱出。
ホテルで待たせている息子と共に、国外へ逃亡を図ります。

あとはもう、綱渡りのような危うさでした。
検問は、3人家族に見えないように、ネットで調べた相乗り車に同乗してやりすごし、空港へ回った手配書より早く搭乗手続きをすませたという…まさに紙一重の運。

あとちょっと遅かったら捕まるところをすり抜けていくスリルがたまらなかったです。
ふつうなら、あと一歩で間に合わなくて御用となるのですが、この映画は成功してしまうんですね。それが意外でした。

家族は無事にエルサルバドルだったか(イスラマバードだったか?)その辺に逃げおおせるのですが…あのラスト、今も気になっています。

最後に、捜査官がジュリアンの捨てたゴミを調べて、壁に張りつけていた計画書や写真を繋ぎ合わせて見るのですが…そこに、逃亡先の写真がしっかりあったんですよね。

で、刑事が言うんです。
「彼はあまりに平凡だった」

うーむ、どういう意味でしょう。
妻を助けようという気持ち、そのために何でもやってしまった男への同情にしては、実に不気味なセリフです。

「あまりに平凡」だから…その先の詰めが甘かった、と?
最終地点の証拠を残してしまったことを示しているのではないでしょうか。

蒼雪は、あのあと家族は捕まったんじゃないかと思うのですが…みなさんはどう解釈するのでしょうね。

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2013/08/24 10:01
さえらさん、コメント感謝です。

そうですよね、自責の念もさることながら、いつか捕まるかもと怯える日々が待ってますよね。
それでも家族全員といることを望んだんですよね。夫婦は中年なんですが、毎回キスするほど愛し合っているし、息子のことも可愛がっているしで、だから、片時も離れたくなかったんです。
そういう意味での「平凡」と、狡猾な悪人になりきれなかった部分、両方を示しているんでしょうね。

やっぱり、主人公もまた、取り返しのつかない道を進んでしまったところに、手放しで喜べないラストになってます。
このあと、妻の冤罪事件の真犯人が見つかって無罪が証明されれば、まだ救いがあるんですが…。

良い作品って、一度見ると席を離れられないですよね。
自分が面白くないと意識したものは、たとえば、新聞読みながら見るとか、気が逸れてしまう。
ながら見はつまり、面白く感じてないってことです。
これも勉強と思って、そうやって無理して見る番組も多いんですが…無理はいけませんね。大体内容覚えてないしw
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2013/08/23 10:57
妻の殺人罪は冤罪だったけど、脱獄。
それに、そこに至るまでに夫が犯した罪が・・・。
もとが善良な夫婦であれば、自責の念にも駆られるでしょうし、
いつ見つかるとビクビクしてしまって、平穏な生活が送れるかは心配です;
でも、最愛の息子のために・・・・父として、母として、懸命になるのではないでしょうか。
それこそ、彼らは平凡だった、ということでw
平凡っていうのは、悪い意味じゃないと思いたいです。
でもなぁ、刑事さんの最後のセリフとしては、意味深ですね・・・うぅ~~む。

すぐに引き込まれて、そして色々と考えさせられる。
それは、なかなか素敵な映画と出会えましたね^^
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2013/08/23 10:51
いちごさん、コメント感謝です。

いえいえ、違います…w
もうそのあたりは諦めてますからww
もしそんな人が現れたら、それはそれで困っちゃうかも^^;
今は、家族と愛犬と皆さんとの付き合いで十分ですよ^^
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2013/08/23 10:49
じゅらさん、コメント感謝です。

あはは、すみません~^^;
でもカテゴリ映画でしょう!ちゃんと見なきゃ、あははww
恋人とは無縁の人生真っただ中です。まあいいけど(笑)

ですねぇ、刑事さんのお見逃しに免じて、家族3人仲良く暮らしていけると良いですね^^
でも彼らが善良な人間だからこそ、内なる良心に責められるのかなとも思います。
いろいろ考えさせられるラストでした。単純じゃないところが良い作品です。
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2013/08/23 10:45
ハルさん、コメント感謝です。

ですね~、字幕だったので、細かいセリフやニュアンスは省かれている可能性が高いです。
平凡な男っていうのは、愛する女性のために身を捨てる=向こう見ずな男って意味ですよね。
完璧な悪人じゃないからこそ、こうしてぼろが出てしまった。
逃亡までの計画は、ほぼ完璧だったんです。偽造パスポートや拳銃の入手、大胆不敵な行動の数々。

刑事も温情を見せた数少ないシーンがありました。
主人公の父親が、彼のカバンを見て、銃やパスポートを見つけてしまう場面があるんですが、父親はその後刑事に詰問されても「息子とは口をきいたこともない」と、あからさまにかばうんです。
刑事はそれが嘘だと知ってるけど、あえてきつく尋ねなかった。

しかし、主人公の詰めの甘さを見つけて、つい漏れた言葉なんでしょうね。「平凡だった」と。
けれど家族が無事に逃げおおせて幸せに暮らしているというラストも捨てがたいですね。
いや…、たとえ捕まらなくても、夫婦ふたりとも、心の中では犯した罪に懺悔しながら一生を送るのかなとも思います。
そう考えると、再出発の地が教会というのも意味深ですねぇ。
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2013/08/23 10:37
REIさん、コメント感謝です。

かなりおおざっぱなあらすじですが、概要がつかめてよかったw
文章上手とはうれしいです、ありがとうございます^^

REIさんの解釈、さすがですね。
「ここに辿り着けば幸せになれる」
まさにその通りでした。もともと善良な人間で、妻ラブラブだったのに、悪に手を染めて奮闘してしまうという…。
20年待ちさえすれば、妻は死なずに戻ってくるけれど、どうしても待てなかったんですね。
妻が精神的に追い詰められてる姿、母親が投獄されてから、ちょっと心を閉ざしてしまった息子、何よりは、真犯人を捕まえられない無能な警察への怒りとか…積もりに積もって爆発したのかな。

<こんな大それたことをするには、あまりに平凡だった>

うんうん、まったくそういう意味でのセリフだったと思います^^
刑事も仕事ですから、やっぱり捕まえなきゃならないですよね。彼の葛藤は特に見られなかったので、あのラストのあと、やっぱりイスラムへ手を回したんだと思ってます。
ゴミ収集車を追いかけてつかんだ手がかりの写真ですから。それほどする男が見逃すはずもないでしょうし。
「逃がしてあげたいけど、無理です」ってところなんだろうなぁ^^;
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2013/08/23 10:27
軸さん、コメント感謝です。

私も後半1時間のみの視聴でしたが、これは最初から見るともっと良かったかもしれませんw
評価の高い作品であるのもうなずけます。一シーンたりとも気が抜けないんです。

ラストは、両方受け止められそうですよね。
家族は白い服を来て、青空のもと、真っ白なイスラム教会の前に行くんですが…まっさらにやり直そうという雰囲気が出てますよね。
でも、主人公は人を殺してますし、妻は脱獄の罪が^^;
偽造パスポートでの国外脱出なので、罪が絡まりあってます。二人の息子のが天使みたいに無垢で可愛いため、より悲壮感がにじみ出るラストに感じました。
そのあたりが、「ああよかったね」で終われない雰囲気なんでしょうね~。
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2013/08/22 21:50
「蒼雪さまにもとうとうそんなお方が現れた」のかと思って
久しぶりに寄らせてもらいました

映画のお話だったのですね\(◎o◎)/!
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2013/08/22 18:33
すべて彼女のために!って思える お方がいらっしゃるのかと
思ってまったでないのぉぉ~~~っっ!(人´Θ`✿)♪

刑事さんの 秘めたる恩情に期待して・・・家族3人が一緒に過ごせてることを
願っておきます❤(೨♛‿♛೨)ノ
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2013/08/22 16:58
むう、ハラハラですね〜!
あまりに平凡、は、訳し方にもよるような気がしますね〜…
どういう意味なんだろ?
主人公の彼は、こうしてそのまま証拠をゴミ箱に捨てていくくらい普通のひとで、根っこからの悪ではないって言いたいのかな?
本当の悪者なら、証拠なんか当然足がつかないように隠滅しちゃいますもん(笑)
実際、元々冤罪の妻を救いたい一心の行動ですもんね^^
途中で罪を犯したのいけないけれど…

国外逃亡後、きっと逃げおおせて、なかよく暮らしてますよ♬
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2013/08/22 16:10
このブログだけで、だいたいのお話はつかめました!
やっぱり蒼雪さんは、文章が上手ですね(*^_^*)
そうですね~そのラストだと、残念ながら?家族は捕まりそうですね^^;
きっと、平凡な普通の人だったからこそ、最終目的地の写真を準備し
それを時折見ながら「ここへ辿り着けば幸せになれる」と、必死に勇気を
奮い立たせていたのでしょうか・・・
本当の悪い人間なら、そんなことはしませんもんね。
刑事さんも証拠さえ見つからなければ、逃がしてあげたかったのかも。
<こんな大それたことをするには、あまりに平凡だった>ということ
かもしれないですね~
ハリソン・フォードの「逃亡者」を少し思い出しました^^
アバター
2013/08/22 15:52
ここまで読んでいてハラハラしました。
やっぱり捕まってしまうんですかね・・・。見逃してよw
ラストでちょっとモヤモヤすると、爽快な映画よりも、
いつまでも残ってしまいます^^;
あまりにも単純なハッピーエンドより、現実に近いかもしれないけども。



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