ーソン男爵
- カテゴリ:日記
- 2013/08/26 10:24:12
た?」
「馬鹿なこと言わないの」
そういうと、コレットは慌てて本を閉じた。
コレットが開いていた本には、王家にまつわる家系図が記載されている。
現王家の血脈がどう受け継がれているのか、それを知ることは貴族としての常識ともなるので、その手の本はどの貴族の館でも置いてある。
それを見ていたコレットに、将来の親族についてでも調べているのかとアンリはからかった。
「別に俺はどっちでもいいよ? バード公爵が|義理兄(にい)さんになっても」
「なっ……」
弟の言葉に、コレットは驚いて大きく目を開いた。<a href="http://www.hmqimo.com/">tory burch ネックレス</a>
王弟であるバード公爵が、薬によって一目惚れした相手は、一地方領主の男爵家令嬢だった。その家族であり、将来のマカリスター男爵家を継ぐ立場である弟にも世間の目は厳しいだろうに、そんなことは全然気にしていないふうのアンリの態度に、コレットは眉根を寄せた。
あの事件後、一度詳細を知るべく王立学校の寄宿舎から男爵家の|町屋敷(タウンハウス)に戻って来たアンリだったが、その後一度学校へと戻った。だというのに、夏期休暇まであとわずかという今の時期になって、再び自宅へと戻ってきたのだ。
それが今回の事件と無関係だとは思えないのだが……。
「アンリは学校で何か言われたりしてないの?」
先ほどの弟の言葉を逸らすように、コレットは話題を変えた。
「何かって、コレットのことで?」
「そう」
他の貴族にとっては、あまり面白くない事件のはずだ。学校での弟の立場にも影響などしていないのだろうかと、コレットは心配になって尋ねてみる。
「だいたいは、様子を見てるってところかな。今のところ」
王家がマカリスター男爵家を糾弾していない今、みなアンリにどう接していいのか迷っているといった感じだろうか。
王族関係の人間には、バード公爵があの状態なので何気に気を使われている気もする。王立学校の上層部には王家との血族となる人も多いのだ。早めの夏期休暇に一人入ったのも学校側の配慮であるのだが、それが気に食わないと思っている人物がいることも確かだ。
「まぁ、何人か言ってきたやつもいるけど」
「どうしたの?」
アンリはじっと姉を見た。
どうしたのかと、コレットは小首をかしげる。
「バード公爵が姉にかなりご執心で、男爵家としてそれを拒むことは難しいといっておいた」
アンリの言葉に、コレットは目を丸くする。
かあっと頬が赤く染まった。
「みんなの前でそんなこといったの?」
「そんなことって、本当のことだろ」<a href="http://www.hmqimo.com/">tory burch 青山</a>
「それは……」
悪びれもせず、アンリはしれっと言い返した。
フィオンからの求愛を直接受けている身としては否定もできず、だがそれを肯定してしまうのもどうなのかという感じもして、コレットは口ごもる。
「コレットが公爵とくっついたら、|男爵家(うち)としては断れなかった立場なわけだし、だめだとしても薬のせいでうまくいかなかったことにしとくから、コレットの好きにしたらいいよ」
マカリスター男爵家の跡継ぎとして、今後の対処は考えている。
「お姉ちゃんって呼びなさいって言ってるのに……」
そんなアンリの態度に、コレットはぶつぶつとつぶやきながら困ったように弟を見た。
いくらなんでも物分りがよすぎる。
「お父さまは、反対してるみたいよ?」
別に諸手を上げて賛成されても状況が状況だけに困るのだが、フィオンとのことにニコニコと賛成している母親とは反対に、父親であるマカリスター男爵はあまりこの話をしたがらない。
「あれは、父親特有の現象だから仕方がないよ」
「なによそれ。知ったような口きいちゃって」
「父親っていうのは、娘の相手が誰だって素直には喜べないものなんだってさ」
以前、コレットの婚約を決めたのは父親である。
コレットが結婚するということ事態に気分を害するようなことはないと思うのだが、やはり王家の人ともなると話が違うのかもしれないとコレットは思った。
(別に、賛成してほしいわけじゃないけど……)
これではまるでフィオンとのことを認めてもらいたいようだと思い、コレットは心の中で言い訳する。
そんな姉の様子を見て、アンリは肩をすくめた。
以前のコレットの相手は第二子息だった。http://www.desemc.com/ kate spade 財布 通販
もちろんアッカーソン男爵家とのつながりを持つという意味合いもあの婚約にあったわけなのだが、それなら第一子息の方が家を継ぐ身なので立場的には磐石である。しかしあえて父親は家を継がない身分である第二子息であるキースを選んだ。
彼をマカリスター男爵家に迎えてアンリの相談相手とする。そうすれば、コレットはずっと男爵家の一員として家にいることになると考えていた父親の気持ちは、コレットにはよくわかっていない。
バード公爵家といえば名門中の名門。
その上王弟でもあるフィオンでは、コレ