Nicotto Town


ロング澤翔


知症の親を抱えては

きの口から出てきて、美音と馨はほっとする。
 でも、ほっとしている場合ではなかった。話の中身は半分もわかっていない。

「うーんと…はるくん。おじいちゃんと一緒に住んでるの?」
「うん」
「おじちゃんはいくつぐらい?」
「しらない」

 そりゃそうだ。一緒に住んでいる家族の年齢をはっきり答えられる二年生の男の子は、そんなにいないだろう。どうかすると両親の年齢だって怪しいものだ。<a href="http://www.mulberryemitjp.info/">ティファニー キー</a>

「えとってわかる?虎とか羊とか、聞いたことない?」
「わかんない、でもこないだママがべーじゅのおいわいっていってた」
「べーじゅ……?」
「お姉ちゃん、88歳の米寿じゃない?」
「ああ、そうか。そのお祝い…それはお元気で何よりだわ」

 美音がそういうと、はるきはますます困った顔になった。
 どうしたのだろう…と美音と馨ははるきの様子を伺う。

「ぼけちゃったんだって」
「ぼけちゃった…?」
「なんでも忘れちゃうってママが…」

 認知症が始まっているのだろうか。
 年齢からすれば決しておかしくはない。身体が丈夫なままに認知症が始まると、確かに周りは皆困った顔になる。
 どこも悪くないのに、記憶がどんどん消えていく。家族の顔も忘れるし、ご飯を食べても食べたこと自体を忘れてしまう。
 外に出かけても家に帰る道順を忘れ、もっと進めば排泄や睡眠のリズムまでも忘れ去り、家族はその対処に困り果てる。
 はるきはきっと、そんな両親の顔を見て、自分も困った顔になっているのだろう。

「もう…いっしょにすめない…ってパパが…」

 かいごしせつにいくんだって…と呟き、はるきの顔はみるみる泣きそうになった。<a href="http://www.mulberryemitjp.info/">tiffany&co ネックレス</a>

「お父さんとお母さん、お仕事してるの?」
「がっこうのせんせい」
「ふたりとも?」
「うん」

 ああ、それは厳しい。余りにも厳しい状況だ。
 美音ははるきの家族の抱えている問題を思って気が重くなった。

おじいちゃんの記憶 中

 昨今の教員は激職だ。
 昔だってそうだったのだろうが、最近は特に、子どももその親も意識が高いというか、とにかく難しい。
 学校にまつわるあらゆることに時間を取られ、自分たちの家族のために割ける時間はどんどん減っていると聞く。
 そこに介護の必要な認知症の親を抱えては仕事はおろか、生活が成り立たなくなる。
 仕事への責任感と老親の介護。その二つを天秤に掛けること自体が苦痛なのに、あえてそれをしなければならない。
 そして
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