髪に手をや
- カテゴリ:日記
- 2013/09/23 12:36:04
蝮姢摔丹工韦蠍uずかしいし。とはいえ、せっかくもらった髪飾りをすぐに外してしまうわけにもいかないし――。
結局、今日だけと胸にいい聞かせることにした。
(いいか。夜になったら外そう)
狭霧が安曇を探したのは、父に従うためだ。
父、大国主は、意宇に移り住むなら月に一度は杵築へ戻り、自分か安曇と会って意宇での暮らしを伝えよといった。それが、意宇で暮らすことを認める条件だと。
とはいえ、広い雲宮のなかで、たった一人を探すのは難儀なことだ。
(安曇、忙しいかな。どこかな)
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父もそうだが、安曇はそこらじゅうに役目を抱えている人だ。よく出かけている場所は知っているが、そのうちのどこにいるのかは、さっぱり見当がつかない。
しかも、それは一か所ではなく、雲宮の内外に散らばっている。父王や館衆の詰め所である本宮か、兵舎か、もしくは雲宮の外にある軍の稽古場か。
ひとまず一番いそうな場所へと、兵舎に向かうことにした。
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兵舎の門をくぐると、大庭を横切って宿直の兵のための棟のそばへ寄り、奥に建ち並ぶ武器庫の角を曲がって、その奥にある安曇の居場所を目指す。
時は、すでに黄昏時。
今日の仕事を終えてねぐらへ戻るところなのか、狭霧は何人もの兵や下男とすれちがった。
「ああ、姫様。戻っていらっしゃったんですか。お久しぶりです」
知っている者、そうでない者。すれちがうたびに挨拶をされるので、会釈をしながら歩きつつ、そういえばと、ある青年の姿を探した。
(高比古は……)
彼も、ここに詰めているはずの人だ。
高比古と意宇で会ってから、半月が過ぎた。彼と話してから後も、毎日狭霧は意宇を奔走して、先日学び舎では、とうとうはじめの講義がおこなわれた。興味をもった館衆や、近くに領地をもつ豪族の使いがわざわざ見にきたため、薬師として学ぶことになった童たちの緊張はほぐれるどころかますますつのって、その日、童たちの小さな身体はがちがちにかたまってしまった。
だから狭霧は、面倒見がよさそうな下男を探して、宿舎に戻った童たちを近くの温泉に連れていくように頼んだ。それから、その後の世話も。
(宿舎をつくるっていっても、ただ場所をつくるだけじゃいけないんだなあ。そこで暮らす童の面倒を見る人もお願いしなくちゃいけないんだ。それとも、師になった薬師にそこまでお願いしてしまえばいいのかな。どっちにしろ、学び舎で生まれる問題なりなんなりを、全部まとめて引き受けてくれる人が要るんだわ)
学び舎といえば、べつに考えなくてはならないことも増えていた。
狭霧が学び舎をつくった場所は意宇だったが、それは、薬師の本拠地が意宇だからだ。
でも、出雲の里に薬の知恵を広めるためという狙いから考えると、意宇にだけ学び舎をつくるのはおかしいと思った。
(杵築にもほかの小国にも、里はたくさんあるんだから、意宇にだけ薬の知恵が広まるのはおかしいわよ。いまのままじゃ知恵が偏ってしまうわ。どうにかしないと――。高比古なら、どういうかな)
前もいまも、高比古の考え方は切れ味のいい刃のようだと、狭霧は思っていた。
狭霧が、こうしてしまうとべつの問題が、どうしよう……と迷うことでも、高比古は一刀両断する。一度そうと決めたら、小さな不都合など無視して結論をいう高比古は、狭霧にとってまたとない相談相手だった。
(高比古の寝所って、兵舎にあるんだっけ。杵築にいるあいだに会えるかな。会えるといいな)
すこしでも話ができれば――と、兵舎をいきかう武人たちの人波の奥に、彼の涼しげな目元を探し始めた矢先、狭霧ははっとして足を止め、髪に手をやっ