敵視するようだったが
- カテゴリ:日記
- 2013/09/24 11:35:10
激幛恕⒀Г优hをつくりたいんです。そこで学ぶ童は、里を回って募れないかと――」
「薬師の数を増やす? 学び舎……?」
十人の医薬師たちは、揃ってぽかんと口をあけた。
太藻津比古が狭霧をじっと睨む目も、それまでより険しくなった。
狭霧と向かい合って話す多伎は、背後にいる若爺たちの戸惑いを代弁するように、慎重に言葉を選び始めた。
「学び舎をつくるとして、そこで学ぶ者は里から集めるのですか? お言葉ですが、薬師というのは特殊なお役目で、ふつうは薬師の親が、幼い頃から自分の子を仕込むのですよ。特に才覚のある子を見出せば、弟子をとりますが――。それにですよ? 里から募るとしても、耕民のなかには、働き手の子供を奪われるのを嫌がる者もいるでしょうし……」
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「はい。だから、わたしがいただく米を使うんです。学び舎で過ごす童の食べる分を保証するといえば、親御も苦労しないでしょう?」
多伎は、もともと丸い目をさらに丸くした。
「それで五人分の米を、はあ……」
狭霧が進言したのは、学び舎についてだけではなかった。
「あと、相談したいことがもう一つあるんです。薬師に、細かな位制度をつくりませんか? 軍と旅をするまではわたしも知らなかったのですが……杵築の兵の身分は、とても細かく定められているんです。そして、それがうまく働いていると思います。杵築と同格の意宇に、こういう制度がないのは不便だと思うんです」
狭霧は笑顔を保ったまま、目を丸くする年上の男たち相手に、懸命に語りかけた。
「薬師がからむ身分は、薬師、医師、事代、それから、それらを統率する身分の医薬師、この四つですよね? これを細かく分けて、お役目も明らかにしていけば、皆さんのお務めもはかどると思うんです」
「身分、お役目、はあ……」<a href="http://www.cnbaiq.com/キャップ-e2ta4q-2.html" title="new era コラボ">new era 偽物</a>
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「医薬師の長は、太藻津比古様ですよね? 例えば、太藻津比古様をお助けする、長に準ずる位をつくったり、皆さんがやっていらっしゃるお役目を改めて割り出して、それにともなった身分を定めたり。おじいさまから皆さんのお役目の話を聞いたり、ここ数日、意宇で過ごすうちに、わたしはそう思ったので、皆さんの意見を聞きたいと思うんです。お役目が多くて、報償に満足がいかないのであれば、そのように願い出る必要があると思います。これまでこうしてきたから、ではなくて、変えるべきところは変えていくべきだと――。どうでしょうか」
狭霧の真摯な黒の瞳を、医薬師たちはじっと見つめて、息を飲むように黙った。
太藻津比古はしばらく沈黙を続けたが、とうとう彼が唇をひらいた時、彼はこめかみにしわを寄せていた。
「なるほど、よくわかりました。あなたは意宇を、あなたの父王がつかさどる杵築のようにつくり変えたいというわけですね?」
彼のいい方は狭霧を敵視するようだったが、狭霧は、それまでと同じ笑顔を保った。
「つくり変えるというわけでは――。いいところを互いに学び合えばいいと思って――」
「身分制度ですか、なるほど。で、あなたは?」
自分を守る壁のように身を呈していた息子をよけて、太藻津比古は狭霧と真っ向から対峙した。
「医薬師の長は私です。そして、長に準ずる位をつくるというなら、その位にはあなたがおつきになるおつもりか」
口調や眼差しは、狭霧を牽制するようだった。
(強い目……そういえば、この方って、以前は戦に出かけていらっしゃったんだっけ)
太藻津比古の鋭い気配に、狭霧は、ここへ来る前に祖父から聞いた話を思い出した。
祖父、須佐乃男は、このように狭霧に教えた。いま、薬師たちを束ねている太藻津比古という男は、かつては戦に随行した