頭の中で踊る文字
- カテゴリ:日記
- 2013/10/01 11:20:16
すぐれたエッセイを読むと、どうしてか頭の中でおしゃべりしてしまう。
頭の中で自分も体験談などを文章で書いてしまうのである。
私は子どもの時から口でしゃべるのが苦手で、緊張したりすると、ときたまどもったりしてしまう。病気というほどではないのだが、ちょっとした吃音癖があるようだ。
そのぶん、文字にして何かを伝えることに意欲を燃やし、自然と技術が身に付いたのではなかろうか。
先日、三浦哲郎の随筆を読んだ。
「おふくろの夜回り」というそれは、わずか千文字で身の回りに起こったことを詳細に描いている秀作である。
千文字の名文家がここに!
私は驚きを隠せなかった。私は文章修業のため、ニコタで千文字で書く小説のサークルをやっていたが(過去形にすることもないか)、先人はすでにいたのだ。そして彼は優れた先達でもあった。
戦後最後の私小説家、三浦哲郎は、兄姉を自殺や失踪で亡くし、生き残った姉は生まれつき目が不自由だったこともあり、そのせいで人生に暗い影を背負いこんでしまった。
自分の人生がうまくいかないのは彼らのせいじゃないか、という血の呪いを作品に書き続けた。
だから、何度も何度も同じ設定と描写が、各作品に出てくる…もういいよと言いたくなるくらい。
しかし、それでも読むたびに別の感動があるのだから、やはり文章が上手いからというほかない。
「おふくろの夜回り」では、老境の作者の生活がまとめられており、書きだしもさることながらオチが素晴らしい。
実に上手い具合にタイトルと結びつく終わり方で、話を引き締めている。
優れたエッセイとはえてしてこういうものだ。向田邦子は連想ゲームのごとくものごとを並べて、最後に効果的な締めくくりで話を終わらせる。その流れはただ感嘆するばかりだ。
三浦哲郎のエッセイは、向田作品ほどのキレはないものの、柔らかく穏やかに、身体が大変だった内容まで独自のユーモアでまとめている。
私も書くならこうありたいと思った…私の文章を読む人が、つい、頭の中でおしゃべりしてしまうような。
優れたエッセイを読むと、私の頭の中で文字が踊る。読んでいるエッセイとは別の内容で、私もエッセイを書き始めている。
文章で表現することは、すでに私の活動の一部だ。
これからは、ニコタのブログも千文字以内に収めるよう努力せねばなるまい。
ちなみに、人が足を止めて読んでくれ、なおかつ印象に残る字数は300字なんだってさ。
知ってました? 奥様。
うんうん、私も想像力がもっとたくましかった子供のころは、好きなアニメやゲームの続きを勝手に想像してました。
溢れるそれを止められなくて、ノートに書きだして、いつしか小説になったという感じです。
良い作品は、こちらの想像力を刺激しますよね。古来から、芸術家もそうやってインスパイアされていろいろ生み出してきたわけですし。人として自然の行為ですよね。
三浦はその通り、ユタの作者です。
青い鳥文庫版を買って読んだんですが、これ、絵がマンガ絵でいまいちですね^^;
マンガ絵の方が今の子供が興味を持ちやすいからというのですが、絵本みたいな上質な絵ではないし。たぶんあれですね、出版社が高名な絵描きに頼むギャラがないからだなぁ、きっと。
絵はともかく、内容は興味深いです。子供向けなのに、座敷童が誕生するディープな理由をさらりと書いて恐ろしいです。巻末のあとがきにも、三浦は「自分は生まれてきてはいけない子供だった」と記しています。子供が読むのに。
彼は6人兄弟の末ですが、家庭内に問題が多すぎたのですね。姉が2人も生まれつき目に障害があったために、親がまたそうなるのではと危惧したからと察せられます。
でも、今の豊かな子供たちに、東北がつねに飢饉と餓死の歴史であったことを知ってほしいという願いも込めて書かれたんでしょうね。
血の呪いについては、あらゆる作品でこれでもかと出てきます。ほんとにもういいよって言いたくなるけど読めてしまうのは、筆力の成せる業でしょうw
エッセイは、私も「おふくろの夜回り」しか読んでませんが、静かな文体にじわりとくる内容です。
小説賞の授賞式でもらった記念品、式典途中で勝手に中身が鳴りだした話とか。(中身が気になって振ったら、時計のオルゴールが鳴ったこと)しみじみと面白かったな。
読んで損はないかと思います^^
千文字で書くのは、レースなら短距離走だと、例の友人が言ってました。
頭の瞬発力と計算力が高められますね。
久々に千文字やったら面白かったです。そしてやっぱり難しい。三浦哲郎も、連載中は推敲に頭を悩ませていたに違いないです。ちなみに彼は掌編の名手でもありましたが。
小説なんかでも同じで、続きや外伝を頭の中で書いてしまうことがあるんです(笑)。
二次創作、実際文字に起こしたことはないのですが、素晴らしい文章に触れると書こうと考える前にいつのまにか勝手に始まってしまうんです。脳のおしゃべり、言い得て妙ですね。
わたし、エッセイはあまり読むほうではありません。でも三浦哲郎は気になりました。
ユタを書かれた方ですよね。他の作品は知らないけれど、籠められた血の呪いをぜひ読みたいと思います。そしてその後にエッセイを!
本屋さんに行ったとき探すリストに加えてしまいました♥
約980字だというこちらのブログ、早速実行されているところがさすがです。ぱちぱち✿
そうなんですのよ~、300字が視界に入る限界なんでしょうね、きっと(笑)
いやー、やたら長文より、短くまとめるほうが難しかったりしますし。
それに短文の方が読みやすいし。短いの良いことだらけです、ハルさんも自信を持って^^
作家の三浦哲郎も努力家で、毎日書かないと頭が錆びるって言ってたそうです。
これとてもよくわかります。一年小説書かずにいたら、次によし書こうと思っても文章が浮かばないんです。
名文家と呼ばれる人ほど毎日の鍛錬を怠らないですね。アスリートや音楽家と一緒です。
ハルさんの応援心にしみます。ありがとうございます(^▽^)
私なんか、よおおし、今回は長いぜ!と思ったら500文字だったとかなので(笑)1000文字って大変です^^;
蒼雪さんの文章も、すごいと思うんだけどなあ…
それに満足せず、前に、もっといいものを!と進んでゆく姿勢が、蒼雪さんの素晴らしいところなのでしょうね♬
応援していますよ♬ヾ(。╹◡╹。)^
300字がどうっていうのは、私の友人からの受け売りです。彼女が都会の広告セミナーを受講して、そこで「効果的な広告文は300字以内」って言ってたのを私が見知ったという(笑)
キャッチコピーが10~20字以内の短文で見る人にいろいろ想像も働きかけつつ印象を深くするのなら、300字なんてぜいたくなくらいですよね。
ましてや千文字なんて書き放題?いやいや…書きたいことがたくさんあると、整理するのに苦労しますよね^^;
ちなみに上のブログは980字くらいです。足を止めてチラ見するには、これでも長いっちゃ長いですね。
パッと見て、ああ面白いって思える文章と内容が人を惹きつけるコツのようです。
もちろん、長文にしか書けない内容もあるので、短文万歳ってわけでもないですが。
ニコタのブログで3行ルール、なかなかシビアですねw
でもそれより短くても書けないときは書けない。
外の訪問伝言板は50字。50字も書く内容がないときはいつも申し訳ない気持ちでいっぱいです。
毎回バリエーションを持たせて訪問の言葉を書いてくれる…たとえばじゅらさんとかw
素晴らしいサービス精神だといつも思ってます。見習わなきゃ^^
そうそう、頭の中にもうひとつ話ができるんですよ^^
本分を読みたいのにそっちのけに頭がフル活動して、とうとうブログに書かなきゃ収まらなくなること、よくあります。
最近の私のブログもそうなってますね。そうやって、皆さんとお話したいのかもしれませんw
根はものすごくおしゃべりなんですね…私。
狩り友とチャットで私ばかりしゃべりすぎて、いつも「次は黙ってよう」と反省しきりですが^^;
ですねぇ、うちの妹も本を全く読みません。ケータイの占いサイトの長文は真剣に読む癖に、本は買ってもお蔵入りになってて、かわりに私が読んでるという(笑)
これはほぼ生まれつきになってるんじゃないかと思います。文章の読み書きと、好き好きは。
でも興味が湧かないものは、たとえ名著でも私も読む気がしませんね。
歴史小説も苦手な方で、息が詰まります^^;
戦国時代も江戸時代も嫌い…日本の文化は好きだけど、どうしてか時代小説は好きじゃないです。鹿爪らしい文体や作風ばかりだからかなぁ。
というわりには、子供のころは水戸黄門や暴れん坊将軍など全シリーズ観てましたがww
唯一読み切ったのが吉川英治の三国志だけ…。興味+作者の力量、これが合わさらないと誰でも読めないですよね。
私も掌編大好きなんだと、最近気づきました。
どこから開いても物語が読めるし、すぐ読み終える手軽さもいいですよね。お菓子食べるみたいで。
枕草子、全部は読んだことないですが、面白いなと思います。あれ、現代で言えばブログなんですよね。
最近連載終了した冲方丁の「はなとゆめ」で、清少納言が尊敬する主、中宮を喜ばせるために書いたブログなんだという内容で、なるほどぉと目からウロコでした。
短い文章に伝えたいことを過不足なく書けることってすごいことなんだと、改めて思います。
本当の文章書きなら、長文しか書けないなんて言っちゃだめ。長短どちらも書けてこそじゃないでしょうか^^
もののけサークルの掲示板拝見しました。
いろいろ大変だったようですね。お察しします。
急がず、ゆっくりげんきになってください^^
って、300文字ですか?!
うぅ~~む……本アバで書いている記事も、ちょっと長めだなぁ^^;;
最近は、小鳥遊では小説しか書いていないのですが、ちょっとした試みとして、あえて短い文章を書いていました。
ニコタのブログで3行くらいに収まるのが目標で。
ブログ広場のお題に応えるときはそうもいかないのですが、カテゴリを30代以上とかにしたのか、日記だったかは忘れてしまいましたが、長文壁があるからこその短文トレーニングを積んでいたんですw
また、やってみようかなぁ~と思いました。
千文字小説、私は書くのは苦労しますが、読むのは大好きです。
おもしろくて 引き込まれるお話だと
読みながら おつむの中に もひとつ世界ができるみたぃ♪(◍´◡`◍)
ふむふむぅぅ~♪
蒼雪さまっ♪のは 同時進行で 自分のお話ができあがってくのね!
それもまた おもしろいですねぇ~っ♥(人´Θ`✿)♪
しかもそれが、普段読み慣れない文章なら特に。
漢字だらけの歴史小説なんて「これ中国語ですか?」って思ってしまいます(^^;
読もうと努力はするんだけど、目が拒否反応起こして、2行も読めばもうギブアップです。
私は元々、掌編好きですね。
一日の終り、寝る前にちょっと2~3編読んで、眠るのが好きで、
高校生の頃、枕の草子を愛読してました。
何度繰り返し読んでも、新たな発見がある。
だから、1000文字、2000文字程度の作品は大事にこれからも書いていきたいですねー^^
↑過去形にしちゃダメでしょw
現在、少し凹んでいますが、だいぶ落ち着いてきています。
心配かけてすみません。
例のあざとい掲示板は、もうすぐなしにします。