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「そうなんですか、ではお乗りください。すぐに船を出します」

「ありがとう」

　翔輝は内火艇に乗り、兵は準備に入った。

　数分後、内火艇はクレーンに吊られて海面へと運ばれ、ゆっくり海面に着水。クレーンをはずし、内火艇はエンジンをかけて動き出した。

　翔輝を乗せた内火艇は五○〇メートルほど離れた戦艦『陸奥』に向かった。

「あれ？　どこ行っちゃったんでしょうか」

　甲板に出た大和は翔輝の姿を探していた。

　いつの間にか空は晴れ、輝く太陽が『大和』が纏（まと）う純白のドレスをキラキラと輝かせる。

　甲板では兵達が愚痴を言いながら雪かきをしていた。

「少尉。一体どこに行ったんですか？」

　大和は寂しそうにつぶやいた。その時、

「あ、あれは???ッ」

　大和は『大和』から離れて行く一隻の内火艇に気づいた。そして、それに乗っているのは???

「しょ、少尉???ッ！？」

　大和は走り、内火艇を追いかける。<a href="http://www.watchsroar.com" title="http://www.watchsroar.com">http://www.watchsroar.com</a>

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「少尉ーッ！　どこに行くんですかあああぁぁぁッ！」

　大和は艦尾まで走ったが、内火艇は離れて行く。

「少尉ッ！　少尉いいいぃぃぃッ！　ほぺッ！」

　大和は段差につまずき、見事にすっ転んだ。

「うぅ???」

　打ち付けた鼻をこすりながら立ち上がると、もう内火艇は遠くまで行っていた。その先には、戦艦『陸奥』が、

「どうして『陸奥』に???少尉、どうして???」

　どんどん離れて行く内火艇を見詰め、大和は何もできなかった。《長門（ながと）》

　長門型戦艦一番艦――戦艦『長門』

　出身 呉海軍工廠（広島県）

　身長 170ｃｍ

　髪型 長髪

　実年齢（1941年12月現在）21歳

　外見年齢 17、8歳

　誕生日 11月15日

　家族構成 妹?陸奥

　好きなもの 大和?陸奥?仲間?かわいい子?楽しい日々?人をからかう事?恋話?観艦式?日本?平和

　嫌いなもの 頑固者?前時代的な考え方?筋の通っていない話?プライドを捨てきれない人?無益な争い

現連合艦隊旗艦?戦艦『長門』の艦魂。本当にリーダーなのか不思議に思うほどの楽観主義者でお姉さんキャラだが、有事の際には全艦魂を纏めるすさまじい統率力を発揮。実は艦魂達の中でもかなり有能な指揮官。いつも笑顔で優しく、ちょっとしつこいところもあるがその優しさから多くの部下に好かれている。仲間思いで無茶な作戦にはいつも先頭に立って反対し、大和と同じく航空機を優先させるので、古参派の艦魂達と対立する事もよくある。連合艦隊旗艦として戦前活躍し、大和に旗艦を譲ってからは参謀として大和を支える。みんなで楽しく過ごすのが好きで、艦魂達がよく宴会を開くのは長年彼女が旗艦を務めていた時によく宴会をしていた名残である。戦艦の艦魂ながら争い事が嫌いで、この戦争に対しては戦前から猛烈に反対しており、日独伊三国軍事同盟締結にも大反対し、この二つの事柄に対し反対派の艦魂を従えて賛成派の艦魂と武力衝突した事もあった（三国軍事同盟反対の時は一九四〇年の十（と）?一六（いちろく）事件。対米英戦反対はハルノート提示後の一九四一年の十一（とい）?二八（にはち）事件）。結局はどちらも止められず、長門は一時期中立立場にいた陸奥に旗艦を譲る事となった。このように筋の通らない話に対しては武力も辞さないという強い志を持っている。最も艦魂達に慕われているが、このような事件で敵対した艦魂からはあまりいい目では見られておらず、長門政権の時は一枚岩ではなかったが、いざ対米英戦が始まるとそれどころではなく、一貫して長門の指示を仰ぐようになる。大和や妹の陸奥、それに多くの艦魂達の恋を応援している。

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第一章 第四節　陸奥の優しき想い

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