74式戦車 陸上自衛隊
- カテゴリ:車・バイク
- 2013/11/02 09:00:01
http://blog.goo.ne.jp/yoshi0749のブログを覗いて下さいね。←74式戦車は61式戦車の後継として開発、配備された、陸上自衛隊における国産二代目の主力戦車です。74式戦車の開発は、61式戦車が採用されて間もない1964年にスタートしました。
74式戦車は61式戦車の後継として開発、第2世代主力戦車に分類される戦車。部内での愛称は「ナナヨン」。三菱重工業が開発を担当しました。105mmライフル砲を装備し、油気圧サスペンションにより車体を前後左右に傾ける姿勢制御機能を備え、射撃統制装置にレーザー測距儀や弾道計算コンピューターを搭載するなど、61式戦車の開発された時点では実現できなかった内部機器の電子化も行われています。しかしエンジン出力に余裕がないため、装甲は軽量化し機動性を重視しています。配備開始から装甲増加などの改修は行われていないが、新たな砲弾への対応能力が付与され戦闘力を向上させています。後継車輌として第3世代主力戦車である90式戦車が開発・生産されたが、こちらは北部方面隊以外では富士教導団など教育部隊にしか配備されていないため、全国的に配備された74式戦車が数の上では主力でした。それでも年40輌程度の早さで退役が進んでおり、また2010年に74式戦車の更新をも考慮した10式戦車が採用されました。
主砲には英国ロイヤルオードナンス社の51口径105mmライフル砲L7A1を日本製鋼所がライセンス生産した物を装備しており、105mmライフル砲用の砲弾は当初APDSとHEPを使用していたが、現在ではAPFSDS(93式105mm装弾筒付翼安定徹甲弾)とHEAT-MP(91式105mm多目的対戦車りゅう弾)を使用している。他に、演習用徹甲弾として00式105mm戦車砲用演習弾と、空砲射撃用の77式105mm戦車砲空包がある。砲は車体が傾いても砲自体は水平を保つ安定化装置を備えている。量産型には途中から、発砲の熱によるたわみを防ぐ目的で砲身にサーマルジャケットが着用された。
射撃の際はNd:YAGレーザーによるレーザー測距儀とアナログ式弾道計算コンピューターを用いる。また、STB-1にはパッシブ式暗視装置が装備されていたが、コスト面からSTB-2以降では廃止され、アクティブ近赤外線式の暗視装置を備える事で、夜間射撃を可能としています。副武装として、12.7mm重機関銃M2を砲塔左側に、74式車載7.62mm機関銃を主砲同軸に各1丁装備する。12.7mm重機関銃M2は陸上自衛隊をはじめ、西側諸国で地上用、車両用問わず対空機関銃として広く用いられている重機関銃である。STB-1ではリモコン可動式で、車長席に機銃用ペリスコープが装備されていたが、ペリスコープからの狭い視界からは精密射撃が期待できないため、STB-2以降は通常の手動操作に戻された。74式車載7.62mm機関銃は、本車のために62式機関銃を元に開発された新型機関銃である。M2用の12.7x99mm NATO弾は660発、74式用の7.62mm NATO弾は4,500発を車内に格納する。この他、乗員用に11.4mm短機関銃(弾薬150発)を2挺、64式7.62mm小銃(同200発)を1挺、21.5mm信号けん銃(同10発)を1挺、手榴弾(同8発)を搭載しています。
防弾鋼板の溶接構造を採用し、90式戦車の様な複合素材は採用されていない。だが、避弾経始の思想が随所に見られる設計となっており、車体前方装甲を例にあげると、約80mmの装甲板が斜めに溶接されており、水平弾道に対する厚さは上部装甲板で189mm、下部装甲板で139mmとなっています。車体側面は厚さ35mmの装甲板で構成されている[12]。車体後面装甲は厚さ25mmとされる。防弾鋳鋼製の砲塔に関しては、砲塔上面が約40mm、前面装甲は189mmから195mmと推測されています。他国の第2世代戦車と比較しても、車体前面装甲厚はレオパルト1の122mm~140mmより厚く、T-62の174mm~204mmよりやや劣る程度です。車体側面・後面装甲厚もレオパルト1と同程度とされています。
乗員は車長、操縦手、砲手、装填手の4名が乗車する。配置は、車体前方左側に操縦手、砲塔右側に前から砲手、車長、砲塔左側に装填手となっている。前方から見て左右に2人ずつ配置されるのは、被弾の際に一度に機能を失うリスクを軽減するためでもあった。車内は狭く、砲手席に乗り込むには一旦車長席に座り、次に砲塔天井裏の取っ手につかまって体を持ち上げ、その足先にある座席に滑り込む。部隊配備された当時、本車を見学に来て車長席に座った米軍将校は、そこを砲手席と勘違いして「車長席はどこか?」と尋ね、今座っているのが車長席で砲手席はその足先にあると教えられ、その狭さに驚いたというエピソードもある。砲手ハッチはSTB-1ではソ連戦車と同じ前側に開くタイプだったが、STB-2以降は通常の後ろ側に開くタイプになっている。
74式戦車は日本の戦車としては初めて上部転綸が無く、直径の大きい下部転綸を採用している。61式戦車では超信地旋回ができなかったが、74式戦車からは可能になっている。
操縦席にはT字型のハンドルがあり、アクセル・クラッチ・ブレーキがそれぞれ備わる。左側に変速レバー、コントロールボックス、前後・上下調節式の座席下には緊急脱出用のハッチが設けられている。また、緊急時用に油圧式懸架装置の手動コントロール装置も配置される。右側の弾薬庫に沿った上部にサイドパネル、その下方前方に懸架主油圧計、ブレーキロックレバーがあります。
丘陵地、傾斜地の多い国土での運用に長けた74式戦車の姿勢制御技術は、74式戦車の車体をベースに開発された78式戦車回収車や87式自走高射機関砲、91式戦車橋等にも一部改良され受け継がれた他、実用的な技術として90式戦車や10式戦車にも引き継がれている操縦手用装置には高車制御スイッチの他に、あらゆる姿勢から通常姿勢にワンタッチで復帰させる標準姿勢スイッチが付属している。この特徴的な油気圧サスペンションは姿勢制御機能のためストロークが大きく、悪路での走破性が他国の戦車に比較して高い。北海道地区に配備されていた74式戦車は、サスペンション内の油圧オイルの凍結を防ぐため油圧を抜き、常に最低車高の状態で格納されていたが、現在ではオイルの不凍性が向上したため、通常姿勢で格納されています。
エンジンは、戦前以来の伝統である空冷ディーゼルエンジンで、2サイクルツインターボのエンジンはパワーバンドが狭いが瞬発力に優れるため、これも悪路における機動性向上に寄与している。なお、体験乗車時には、エンジンのグリル上に体験乗車用の立ち台が設置される。本車は車載燃料量が少なく、車内燃料による航続距離はおよそ250kmとされる。これは同世代及びその後の第三世代主力戦車に比べ半分程度となる。ただし、車体後部にドラム缶型の予備タンク(250リットル)を装着することが可能です。