さびさびと森の中に錆の香り
- カテゴリ:友人
- 2013/11/07 14:56:08
お題ブログです。秋に遊びに行きたい場所。
毎年紅葉が近づくと、山に行きたくなります。
私の住む青森県は、山が多いですが、意外と、紅葉の名所は少ないです。
理由は、山が大きすぎて登山になってしまうこと。
今では道路があるので、頂上付近まで車で行って、名所とされる沼やなんかを見ることもできますが、カーブが多く長旅になるため、運転は一苦労であります。
そこで、お手軽なのが十和田湖と奥入瀬渓流です。
山を登らずに、奥深い森と川のせせらぎ、細やかな木々の織り成す景色を見ることができるので、人気のスポットになっています。
しかし、もうずっと前から、十和田湖に限らず観光業は不審の一途です。
私が子どものころは、どこの景勝地も地元内外を問わずお客さんでいっぱいで、お土産屋さんなんかも繁盛していました。
でも、たぶん消費税が導入されたあの辺から、あちこちで訪れる人が減った気がします。
今ではどこも閑古鳥。ほんの数年前はにぎわっていた道の駅も、今ではがらんとして、寂しいったらありゃしません。
そういうのも承知で、このほど、妹と愛犬2匹を連れて、奥入瀬渓流の入り口までドライブしてきました。(疲れるので、行きは妹が、帰りは私が運転しました)
あいにく小雨に見舞われて、川のしぶきのせいでいつも湿っている土地ですが、余計にじめっとしておりました。
残暑のせいか色づきも悪く、葉っぱはようやく黄色や朱色に染まりかけていたけれど、低温と湿度のせいか、茶色く変色したものも多く、あまりきれいとは申せません。
何より、入り口付近に今もあるホテルの廃墟が、昔以上にうらぶれていたことに妹ともども驚きました。
ホテルがつぶれてから長くたちますが、その敷地内には無料で入れる足湯があったのです。
もともとはホテルの持ち物なのですが、観光客がそれを目当てに訪れるので、足湯だけは使える状態になっていました。
そしてそれを見込んで、手打ちの蕎麦屋さんが期間限定で店を出し、廃墟ながらにその場所はにぎわっていたものです。
けれど持ち主の状況も変わったらしく、足湯の小屋は板が打ちつけられて入れなくなり、蕎麦屋もバラックと化していました。
つぶれたホテルは景観を損なうため、早い撤去を望まれているのですが、もしかしたらその一環でしょうか。隠れた名所がひとつ減り、寂しい気持ちでした。
それでもその近くに車を止めて、はしゃぐ犬たちと付近を散策しました。
近くには、せせらぎに渡り橋をわたした散歩スポットがあり、天気が良ければ美しい場所なのですが、曇り空のせいか、どうも重苦しい雰囲気。
立ち並ぶ木々は、ツタの古木に身を締めつけられて、幹がえぐれていました。
まるで大蛇が這い上がるような眺めです。
こんなに苦しげな木ばかりだったかなと、改めて寒気もしました。
もともとこの山は、人を癒す山ではないのです。
近くに温泉もあるので、湯治客もよく訪れる名所ではあるのですが、来るたびに、なんとなく歓迎されてない気がします。
いろいろくたびれていて、そっとしておいてほしい雰囲気がします。
この渓流は東北電力が水量を調節していて、川も本来の姿ではなく、手を入れた場所もあります。
昔から残る原生林を保持する動きが昨今強まっていますが、観光客のために手入れしすぎた遊歩道や、外来植物の侵入、往来する車の排気ガスによる環境悪化がすすみ、「観光客が減るのはいやだけど、なんとか呼び込みたい」ジレンマが激しい場所です。
とにかく、町もふくめて漂うのが、貧しさです。
進む不景気のために、潰れる店舗も数多く、通りかかって「ああ、ここもなくなったのか」と空き店舗などを見つけると、心にすきま風が吹きます。
天気が良ければ、青空のもと、色づいた山々や広がる田んぼに、田舎に来た喜びも味わえるのですが。
雲っていたり雨が降ったら、もういけません。
農家の納屋に張りつけてある、「最後の日に神は来る」みたいな、黒い地に白と黄色の筆字で書かれた怪しいキリスト教の看板なぞ目にした日には、なんとも背筋がうすら寒くなります。
昭和の名残りが、今も地方の農村にあるのです。
運が良ければ、ソフト帽に丸眼鏡をかけたおじさんのオロナミンCの看板とか、陽気な顔がついたタイヤの絵があるヨコハマタイヤの看板なんかと出会えて、それはそれで楽しいのですけどね。
しかし、過疎が進んでいく農村や町を見ると、ここで向上心を保ち続けて生きていくのは難しいものであろうと思います。
その日を精いっぱいに生きる、それしかできない場所です。
それでもまた来年になったら、この寂び寂びとした土地に足を運ぶのだろうと思います。
毎年行くたびに、特に収穫がなかったとため息がこぼれるのですが。
この切ない雰囲気を味わうために、あえて訪れるのも旅の一興ではないでしょうか。
ちなみに、ずっと前の笑っていいとも!で、紅葉の名所ランキングのクイズがあったのですが、そこでゲストのおすぎとピーコの眼鏡のほうが、「十和田湖はぜんぜん良くない!」と、あからさまにののしっていたことは、未だに青森県民として根に持っています(笑)
言いたい気持ちはわからないでもないが、全国放送で言うべきことじゃないですね。
友人と全然関係のないお話でしたw
おお、十和田湖お好きなんですね^^
おすぎとピーコの眼鏡の方、そうはっきり言いましたねぇ。いまだに覚えてます。出演者の方は相手にしてなかったんですが。ぶつぶつ言ってました。よほど良くない思い出があったのでしょう^^;
まあ、言う気持ちもわからないでもないです。景勝地といっても、乙女の像を見る側の周辺にはお土産屋だけじゃなく、普通に暮らす民家が立ち並んでいて、すごく生活の匂いもしますし。
ちょうど観光も下火になっていたから、つぶれたホテルも湖の周りにたくさんあって、純粋に景色を楽しむどころではないと…言えますからね。
紅葉した湖の景観は今でも変わらないと思います。でも眼鏡の方は、その雑然とした雰囲気やなんかが、きっと嫌だったんでしょうね~。名物と称される食べ物…串餅やきりたんぽなども、おいしくないハズレを引いたとかww
キリスト教の黒い看板、私は昔から不気味なものを感じていて、見るたびに「ぐはぁ」となるんですがw
でも面白いですよね。さっき調べたら、日本キリスト教教会じゃないんです。
聖書配布協力会といって、宮城県が本拠地なんだとか。つまり、あの看板は東北が発祥なんですね。
この異様な感じの看板にマニアがいて、各地を回って写真におさめるのだとか。
小学校のころ、通学路の帰りに子どもを集めてキリストの逸話を説教するおばさんとかいました。あれもこの協会なんでしょうかねぇ。
なので、ピーコがそんな発言してたとは、ちょっとムカッときました。
それなりの理由があるのかもしれないですが、やはり良くないですねぇ。
生放送だから言っちゃったらそれまでだし…。
東北の人を敵に回したなw
キリスト教のとか、オロナミンCの看板見るのすきですよ~^^
ああ、どこもそうなんですね。人が訪れなくなる山もまた、さびれるものなんでしょう。
新聞で読んだ特集で青森に住むマタギの話があります。猟師として狩りをしていたころと、猟を規制されてしまった現在とでは、山の雰囲気や生態系が違ってきているそうです。
それを読んだとき、人間がかかわることで維持できるバランスもあるのだなと、深くうなずきましたね。
自然環境と観光のバランスはなかなか難しい所で、全国的に「金はほしいが自然は守らにゃ」なんですよね。
富士山なんか、昔からその問題を抱えていますし。
でも家族でそういった土地で楽しく過ごせることは、良い思い出になりますから、みんなどんどん旅行してほしいですね。景気が悪くて外出も近場ですませる一家も多いようですが。
地元の人も、変に人工物を作らずに、ありのままを守りながら良いサービスをしてもらいたいです。
小鳥遊さんも楽しく過ごせてよかったですね^^
地元の若者も、どんどん仲間を増やして頑張ってほしいですねw
キリスト教のあの看板も、昔懐かしwな看板のひとつかなあ(笑)
そのとき、まさに同じような感覚をおぼえました。
すごく、寂しかったんです。
まだ、私が二十代だった頃、友達4人でドライブがてら出掛けた時には、賑わっていたんですけど。
そんな楽しかった思い出があったのに、今年、家族と訪れてみたら、すっかり寂れていて。
高速をおりた国道沿いは、古き良き昭和時代の昔なつかし♪な看板があったりして、楽しかったんですけど。
それでも、のんびりと家族で過ごせて良かったです。
夫と娘は、鬼怒川でカヤックもやってきました。
インストラクターが地元を少しでも盛り上げようと頑張っている若者で、応援したくなりました^^