Nicotto Town


何かの紙の裏の、メモのたば


とある旅の日記 【頁1 -おっこちて災難-】

とある某有名RPGの二次創作小説です。
ネタバレも含みますので、ダメな人は回れ右だよ~。
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 しまった…っと思った時にはすでに遅かった。

 足元地面がくずれ、身体が宙をまう。
 その間は長い時間に思えたけれど、ほんの一瞬だった。
 フワッと浮遊した身体はあっという間に落下して、強い衝撃を受ける。
 幸いなことに普段から鍛えていた身体能力と
 落ちた下の地面が砂地になっていたのとでケガといったケガはなかった。

 まぁ、少しの間はその衝撃と痛みで動けずにはいたようだけれどね。

「……ゆだんしたな…まさか地面が崩れるとは」

 彼はお尻の砂をはらいながら立ち上がる。

 彼の名前はデギル。
 このお話の主人公の1人だ。

 長めの黒髪を1つにくくり、切れ長で紫色の瞳の少年。
 おれよりも年下なのに背が高くて、大人びた雰囲気。
 そして、ぶあいそうで近寄りがたい印象の子だ。

 彼は強い者と戦ったりすることが好きで好戦的な性格だった。
 剣の修行が好きなだけあって、その剣技もなかなかのもの。
 だからホラ……

「なっ、魔物…!?」

 突然、魔物が襲ってきても余裕をもって対処できた。

 その魔物はゴブリンだった。
 黄緑のいかつい顔。
 おでこの中央とその左右には小さな角がある。
 くすんだ黄色の帽子をかぶり、くたびれた服を着ていた。
 手には錆びたナイフを持っている、小柄な魔物。
 その背丈は、デギルの胸くらいまでだった。

 そんな魔物が岩陰から突然襲ってきたのだった。
 デギルはその攻撃をヒラリとかわし、剣を抜く。
 攻撃をかわされてハラをたてたゴブリンは、再びナイフでデギルを攻撃する。
 しかしまたもやその攻撃はかわされ、すれ違いざまに柄頭で
 デギルはゴブリンの持つナイフを叩き落としたのだった。
 武器を失ったゴブリンは驚き、逃げて行ってしまった。

「……あれは確か、ゴブリンだったな。
 カラの持っていた本で見た魔物がなぜこのような所に…」

 デギルは逃げて行ったゴブリンの方を見てつぶやく。
 そう、魔物なんて本の中の存在だった。

 おれも今まで、見たことも会ったこともなかったもんね。

「剣の修行には丁度良いかもしれないが…魔物とはな。
 この前の地震と言い、何か災いが起きる前触れか?
 ……まぁ、今は自分に起きた災いを取り除くのが先だな。
 出口を探すか……」

 剣をおさめながら、ため息1つつき出口を探すべくデギルは歩き出した。

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 トアル_p2





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