Nicotto Town


厨二病もここまでだ!!!←は


~争いの無い世界~*里の地上の星の過去Ⅴ*

翌日。
その日は学校が休みで、私は里の中にある家で過ごしていた。

ベッドの上をゴロゴロしていると、ふとある事を思い出した。

――あ!昨日のノート塑羅さんに届けてない!

昨日はボーっと授業は聞いていたが、ノートを終わり際に急いで纏めた。
そんなノートだが、自分のノートと一緒に塑羅さんのノートを昨日届けなきゃいけない、という事を忘れ、今思い出したのだ。

休みだけど、開いてるかな…と思いながら学校へ向かった。


          *


学校にて。

幸い学校は開いていて、教室も開いていた。
休みの日の学校は鍵が閉まってるものだと思っていたけど、里の学校は違うのかな?と考えながら机の中を漁る。

――あ、あった。昨日のノート

私の机から、昨日授業でとったノートを取り出す。
塑羅さんの机からも、同じ科目のノートを取り出して、鞄の中閉まった。
後は塑羅さんの家に行って届けるだけ。

――そういえば、昨日ペンダント返せたのかなー

私はポツリと呟いた。
まあ、きっと大丈夫。
九歳の頃は藤堂さんとは喋ってなかったけど(私も変わらないけど…)、きっと話せる。
いいきっかけになったんじゃないかな、と私は口元を綻ばせて自然の笑みが出た。

しかしその考えをかき消すような、変な鳴き声が聞こえた。


――…え?何…?

聞いたことない声。
まるで恐怖が詰まったような声だった。
振り向くと、ガラス越しにローブを着た人が通ったのが見えた。
休みだから誰もいないはずの学校に――人?
大ババ様…ではない。さっきの人のローブは裾が凄くボロボロだった。
私は咄嗟に屈んで、過ぎ去るのを待った。
向こうは、私に気付いてはいないらしい。
過ぎていったな…と確認すると私は教室を急いで出た。
早く変な人から、遠ざかりたかった。
だが、教室から出て少し離れたところで、ローブを着た人はこっちの存在に気付き、近づいてきた。両手に鎌を持って。

――え、何々!?

凄く早かった。
人並みの速さじゃない。
私は必至で足を動かして精いっぱい走った。

――やだ…怖いよ!

自然と出たその言葉。
そんな言葉で、向こうが止まったり消えたりする訳がない。
右も左も分からず、ただ我武者羅に走った。
もう学校から出る出口も、分からなくなってきた。

別の教室に入り、急いで携帯を出し、メールを打った。

――塑羅さん…塑羅さん助けて…!

押し寄せる恐怖心。
自然に零れる涙。
拭いもせず、メールを送信したのを確認するとローブを着た人が居ないか辺りを見渡す。

…居た。
向こうもこっちに気付き、また追いかけてくる。
私もまた走り出す。

…早く、もっと早く

ひたすら足を動かす。
もう限界が近づいてきた。
私は階段を駆け上がって屋上へ出た。―――しまった!

――…行き止まり…!

私はまた急いでメールを打ちこんだ。
「今屋上にいる、助けて!」と。
後ろをバッと振り向くと、もうそこにはローブを着た人が居た。

一歩、また一歩と近づいてくる。歩いて。
それに対し、私は一歩ずつ後ろに下がる。
どうしよう…この人は一体何だろう。
私は見てはいけないものを見てしまったのだろうか。凄く怖い。
相手の表情は読み取れず、ただ逃げるだけ。

すると、後ろの方でカシャン、と音がした。
後ろは―――フェンス。

――えっ…!?

もう後ろへ逃げれない。
横に動けば…相手も動くだろう。
校舎内へ戻る扉は相手の向こう。
あぁ、もう駄目かもしれない、と思った。


そんな時。


屋上の扉を蹴破る音が聞こえた。
そこから出てきたのは塑羅さんと…もう一人の少女。

――星姫!

塑羅さんが私の名前を呼ぶ。
よかった、塑羅さんが来た。
私は不思議と、安心した。目の前に鎌を持ったローブを着た人がいるのにも関わらず。

――…ちょっと、下がってて
――え?

もう一人の少女が、塑羅さんにそう言うと両手を出して光を集め出した。
すると一瞬で、その光を大きな剣に変える。
凄い!あれは…魔法なの?

――魔物よ。お前の獲物となるものはこっちだよ!

少女がそう言うと、ローブを着た人…もとい、魔物(らしい)が、振り向いた。
その魔物を見て、塑羅さんは「ひ、」と声を挙げたのが聞こえた。

それもその筈。
私も、塑羅さんも。魔物をこの目で見たのは初めてだったのだ。

――ふん、魔力を持ってる戦えない人を狙って何になると言うのよ

少女が鼻を鳴らしてそう言った。
あの人は…―――怖くないの?
少女は剣の刀身を日に照らすと、言う。

――…瞬殺してあげるわ

構え、走り出す。
危ない、と私は目を固く瞑った―――

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~続く
5つ目更新!

この続きを書くときに玲の話を見たら所々に出てくる年齢が違うので修正しておきました((

自分で書いといて忘れるってなんやろね_(:3」∠)_

#日記広場:自作小説




Copyright © 2025 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.