【スピンオフ】 神の社 壱 【ポロリもあるよ】
- カテゴリ:日記
- 2014/03/06 13:16:08
辺り一面、血の海だった。
*
ある朝、起きてみればいつの間にか自分の足枷を繋ぐ鎖が中ほどから壊れていて。
久しぶりに自由になった足の感覚に僅かに感動を覚えた。
ゆっくりと畳に敷かれた寝具から這い出る。
足を動かしてみても、何時もの引き戻されるような感覚は無く、唯々自由だ。
足枷は壊れてはいなかったけれども、これだけで大分具合がいい。
足枷に残った鎖は、じゃらりと重い音を立てる。
もう耳に胼胝ができるほど聞いた音。
特になんの感慨も沸かなかった。
此の音だけは変わらず、ずっと自分について回っていた。
もう暫くしたら使用人が朝食を運びに来る。
そのときに鎖が壊れたと言ったら、使用人はどんな顔をするだろう。
驚くか、慄くか。
不気味なほど綺麗な顔をした童はぼんやりとした頭で思考しながらも、無表情のまま座っていた。
この場から逃げ出すなどと言う考えには至らなかった。
そもそも、教えられていない。
故に、知らない。
鎖は何かを繋ぐもの。繋がれているものは善くないもの。
知っているのはその概念のみ。
だから、童は、馬鹿正直に、
来るはずの無い使用人をずっと待っていた。
童が異変を感じたのは半時ほど経った後だろうか。
妙な静けさに包まれた屋敷に僅かな物音が響いた。
ずるずると何かを引き摺るような音と、
ぱたり、ぱたり、と畳に何かの液体が滴るような音。
ずるり
ずるり
ずるり
何時の間にやら水音は止み、
今度は先ほどよりも大きな何かを引き摺るような音が聞こえた。
ずるり
ずるり
ずるり
何故だか震える腕で童はこの部屋と廊下とを隔てる襖に触れる。
鎖が千切れている所為で何時も触れられないところまで触れる事ができた。
初めて、童の白濁したような桔梗色の瞳に感情が移った。
なんだかよく分からないものに対する原始的な恐怖。
自分でも何故此処まで怯えるのか分からない。
ただ、本能がこの異様な空気に酷く警鐘を鳴らしていた。
ずるり
長い睫に縁取られた瞼を伏せる。
ずるり
襖に方耳を当てる。
体は未だ震えていた。
ずるり
違う!もっと頑丈な枷と取り替えるんだ!!()
気合だ!根性だ!愛だ!!全てそれでどうにかなる!!←
爺にだって幼少期くらいあります!(大爆笑)
鍵を開けたとしても爺は動きませんぜ!
も、もう続きかける気がしないんや........うっ(吐血)
ご馳走になります、さあ枷のカギを私に!
あれ、スクロールしても下の方に、あれ、下が、あれ(ry)