Nicotto Town


じゃ爺の音楽な日々


ジョンくんによせて

ちょうど4年前の3月,向かいの家のお父さんが急逝しました。
障害を持つ息子さんとコーギー犬のジョンくんが残されました。
息子さんは施設に入りました。
ジョンくんは空家につながれたままで,たった 一人で家を守ることになったのです 。

近所の人たちで,ジョンくんの世話をしまし た。
さんぽ,ごはん,おやつ。
狂犬病の注射,フィラリア予防。

私がときどき行くと,膝に手をのせてきます。
私がビスケットをあげるときに,教えたものです。
やわらかく,あたたかい,ジョンくんの手は,今も感覚に残っています。

「ジョンくん,またねっ」といって,帰るとき,ワンワンと吠えます。
「帰らないで」っていってたのかもしれませ ん。

ジョンくんは,熱い夏も,寒い冬も,がんばって,ひとりで家を守ってきました。
昨年,ジョンくんの小屋とロープが新しくなりました。
小屋は屋根がなくなって雨をしのげなくなった からです。
広い範囲で動けるようになっていたロープもだいぶいたんでいたからです。

風強い日,ジョンくんの声が聞こえました。
行ってみると,ロープが柱にからまって動けなくなっていました。
ほどいて,ビスケットをあげました。
私がジョンくんに触ったのはこの日が最後でし た。

先月の大雪の日,ジョンくんをみに行くと,小 屋はからっぽでした。
近所の人が,保護したそうです。
ジョンくんが家の守りから解放された日になりました。
二度と自分の小屋に入ることはありませんでした。

保護されて,間もなく,ジョンくんは歩けなくなったそうです。
獣医の診断では、14才の高齢とガンを発症しており,もう体はボロボロだったそ うです。
(たったひとりで家を守るために,ホントにが んばっていたんだね。)
最期が近づいたときは,痛みをやわらげるため に,モルヒネを使っていたと聞きま した。

先週の土曜日,保護していた近所の人たち,世話をした近所の人たちに看取られ, 虹の橋に旅立ちました。
昨日,やはり近所の人たちで,火葬場でお別れをしたそうです。
あたたかい家の中で,優しい人たちに見送られての最期は、幸せだったと思います 。

ジョンくんが守っていた家はもう誰もいませ ん。
まだ新しい小屋もそのまま。
でも,たったひとりで,がんばっていたジョン くんのことは,みんな忘れない。

今は,虹の橋で,先に行ったお父さんと再会していることでしょう。
本当の飼い主であるお父さんに,おもいっきり甘えていることでしょう。
大好きなお父さんから,「ひとりで,がんばったね」って褒めてもらっていること でしょう。

「ジョンくん,がんばったね。ありがとう。」

アバター
2015/12/06 17:07
コメント、ありがとうございました。
今は障害者だった息子さんも施設で亡くなり、空き家があるだけです。
一億人以上の人が、豊かに暮らすように見える日本でも、このような現実もあります。
今は、お父さん、息子さん、ジョンくんの3人で、虹の橋で仲よくしていると思います。
アバター
2015/12/02 23:16
表現良くなかったらすみません、
素敵なお話ですね。
そのまま映画になりそう。
こんな素晴らしいブログに誰もコメしてないなんて!
読まないと損です!



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