モンスターハンター 騎士の証明~最終回
- カテゴリ:自作小説
- 2014/03/26 10:33:19
【騎士の証明】
緑なす木々のトンネルを、ロジャーは走った。
深く濃い緑、翠。草葉の陰には虫達が遊び、土地の人間は妖精が住まうと言い伝えている神秘的な隧道(ずいどう)だった。
飛竜が時おり訪れる泉を通り過ぎ、いたずら好きの獣人メラルーが数匹、ロジャーの疾走に驚いて、跳ねるように逃げていく。
どのモンスターを追いかけるより速く、ロジャーは走った。身体は驚くほど軽く、心は沸き立つようだった。
ああ、生きているってこんなにも楽しいんだ!
そこかしこに生命の気配が満ち満ちる森を北へ向かって駆ける。やがて、狩人の地図では4番といわれるエリアが見えてきた。ちょうど森の囲いが終わり、まわりを木々と小さな崖に囲まれながら、天井のようにぽっかりと空が見える空き地だ。
そこに、彼女はいた。
空から射しめぐむ光に、銀色の軽鎧がちかりと光る。ジンオウガの鎧を着けた白いオトモアイルーを一匹連れて、ユッカは何をするでもなく空を見上げていた。背には、ジンオウガのライトボウガンである真・王牙弩【天鼓】があった。G級装備である。
「――ユッカ!!」
姿を見た途端、胸にこみあげるものがあった。ロジャーは声の限り叫んでいた。弾かれたようにユッカが振り向く。その顔が一瞬おびえ、とまどった。踵を返そうとする。
お願いだ。逃げないでくれ。ロジャーが祈った瞬間、ユッカのオトモのランマルが叫んだ。
「逃げるニャ!」
そのニャは否定の響きだった。逃げるなと言われて、ユッカはすくんだように動きを止める。ロジャーの足が跳ぶように動き、そして――、
抱きしめていた。
両腕を広げ、力の限り、その身体を胸に押し込めた。
「――っ……」
ようやく逢えたうれしさに、言葉は出なかった。ふくっ、と胸が自然に動いて、笑い出す。
笑いながら、涙がこぼれていた。
しゃくりあげながら、ロジャーは泣いていた。初夏の日差しがふたりを温めていた。静けさに、ロジャーのすすりあげる声だけが響いていた。
「どうして、あなたが、ここに……?」
ロジャーに抱かれたユッカの身体は、こわばったままだった。ロジャーは気持ちを落ち着かせるためにひとつ息を吸ってから、目元を拳で拭って身体を離し、改めてユッカと目を合わせた。
ユッカは、また少し大人になったようだった。丸かった頬がすっきりとし、無垢だった瞳はうっすらとかげりを帯びている。気づいて、ロジャーはほんの少し寂しくなった。
もう無邪気に自分を見上げていた少女はいない。それが成長の証だとしても、どこか思いつめたようなユッカの表情に、ロジャーは胸をちくりと刺された。
ユッカは先に、自分の疑問を口にした。
「ここには、リオレウス希少種が現れるって依頼書にありました。けど、どこを探してもぜんぜんいなくて。もう逃げてしまったのかしら」
「希少種は、ここには生息しないよ。彼らは人界を避けた古代遺跡に巣を作るからね。君の故郷ユクモ村に出現することもあるが、それはとても珍しいケースだ」
「え、でも依頼書にはちゃんと――」
「それは嘘だ」
「ええっ?!」
ようやく、硬かったユッカの顔に感情が満ちた。ほっとして、少し怒ったようにロジャーは言った。
「君は主に、リオレウスを専門に狩っているようだから。君あてに指名した偽の依頼書を作って、ここに来てもらったんだよ」
「そんな……!」
目を見開くユッカに、ロジャーは眉を寄せて微笑んで見せた。
「こうでもしないと、永遠に君はつかまらないと思ったからね。ギルドを甘く見ないでほしい」
ユッカは困ったように目を逸らした。
「どうしてそこまでわたしを追われるのか、理由がわかりません」
「僕の方こそ聞かせてほしい。なぜ、ギルドナイトの昇格を断ったんだ? 君の願いじゃなかったのか?」
ユッカはますます深くうつむいた。ロジャーは辛抱して、じっと彼女から答えてくれるのを待った。
やがて根負けしたように、ユッカは口を開いた。いや、ずっと誰かに聞いてほしかったのかもしれない。言葉はよどみなく、可憐な唇から離れた。
「わたしには、とても騎士は務まらないと思ったんです。相方のショウコが、一緒にナイトにはならないと聞かされた時もショックだったけれど、でも、それはショウコの人生だから。それに、もしショウコがナイトの申し出を受けたとしても、わたしはやっぱり断ったと思います」
「どうして、ふさわしくないと思うの?」
「……ずっと、離れないんです」
ユッカの声が潤んだ。
「クドの地下で、人間のいいようにされていたモンスター達の姿が。生きるために狩る、その当たり前の営みを、あの学者達は否定していた。わたし、人間がわからなくなりました。もちろん、良い人もいれば悪い人もいるって知ってる。でも、そんなことモンスターにはわからないでしょう? だから、証明したかった」
「……モンスターに?」
穏やかなロジャーの声に、こくりとユッカはうなずいた。
「大昔から人間がそうしてきたように。必要なだけ、命をもらう――狩ること。これが人間なんだ、って――」
ロジャーを見上げた強く優しいまなざしに、いだいていた決心がさらに固まった。
「ユッカ」
ロジャーはそっと、ユッカの肩を両手で包んだ。
「我がギルドナイトへ来てほしい」
「え……?」
「君が、全て背負う必要はないんだ。君の決意は痛いほどわかる。でも、君もさっき言っただろう。狩られるモンスターには、君の――人間の気持ちは、わからないんだ」
ユッカが小さく息を呑んだ。みるみる悲しみに染まる双眸に、励ますようにうなずく。
「君がいくら決意して狩りをしていても、それはただの自己満足だよ。そうして君は、自分を責め続けて生きていくつもりか?」
ユッカを見つめる。肩を震わせて嗚咽をこらえる姿がいじらしかった。
「僕の目を見て」
おそるおそるユッカが言われた通りにする。ロジャーの瞳に宿る紫の光に気づき、思い出したように瞬きをした。
「その光は……」
「そう。アルバトリオンが、僕の中に生きている」
「煌黒龍が……」
「――命は、生きていていいんだよ。それがどんな形でも、ね」
ほろりと、ユッカを覆っていた悲しみの仮面が外れた。みるみる顔がゆがみ、大粒の涙がこぼれ落ちる。さっきとは違う力で、ロジャーはユッカを柔らかく抱きしめた。
「それを示すことが、騎士の証明なんだと、僕は信じてる」
だから、とロジャーは身体を離して微笑んだ。
「僕達と一緒に働いてくれないか?」
ユッカははっきりとロジャーを見上げ、うなずいた。
「――はい」
「もちろん、そこのオトモ君もね」
「ランマルも?」
ユッカが驚く。ランマルも鼻白んでロジャーを見つめた。ロジャーは「ほら」と言った。
「前に話しただろう。オトモアイルーで結成される予定の、ギルドニャイト部隊。ランマル君は、その筆頭に迎えるつもりだ」
「ニャンと!」
「良かったね、ランマル!」
目を剥くランマルに、ユッカは臆面なく抱きついた。フン、とランマルは照れたように頬を掻いた。
「これでお前のお守りから解放されると思ったニャが」
「素直じゃないわね」
「ははは」
笑いながら、ロジャーはブルースとボルトが待つ丘へふたりを促し、歩き出した。
森を抜けると、高い青空が彼らを迎える。
「あ――」
ユッカが先に気づき、ロジャーとランマルも空を仰いだ。上空に、2頭の火竜が舞っていた。誇り高き天空の王者リオレウスと、陸の女王リオレイアだ。
その優雅な舞に、ロジャーは目を細めた。
(もう、お前もひとりじゃないんだな)
竜達が並んで山脈の向こうへ遠ざかるまで、ロジャーは彼らの姿を見つめていた。
ちゃんと読んでるなら読んでると、コメント書いてくれないと!
もう見捨てられたかと思ってましたよ、本当に^^;
という冗談はさておき、ご多忙の中最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!
そしてお疲れ様でした!今後ともよろしくお願いいたします!
狩りに行きたくなるとは、また嬉しいお言葉です。そうなってくれるなら、こちらも良い作品が書けたと思えます。
ムチャ狩りは私も好きですよ。4ではギルクエがもうムチャなクエストですから、なかなか装備縛りなどできてませんが、また武器ルーレットなどやりたいですね。
最後のロジャーのセリフはさらっと出たもので、イカズチさんの気持ちにも共感してもらえてよかった。
なんかこういう話になっちゃいました。でもモンハンに生命への尊厳は外せないテーマじゃないかと思います。
ユッカが悪女のコメには大笑いしましたww
でも確かに、この子は男を振り回すタイプでしたね。
ただ、その手のキャラは嫌われやすいのはご存知と思います。
この流れで好意が他の人に移ると、もう最悪な女キャラに。
でもユッカがそうならなかったのは、最後までロジャー一筋だからですね。
おっしゃるように、ロジャーは一度も自分から女性を好きになったことがありませんから。むしろ振り回す方ですし。
ユッカとお互いに似た者同士、いろいろありながら仲を深めていくのかもしれません。
偽クエの件はやりすぎな感じもするけど、恋愛に関しては淡泊な彼がそこまでさせたユッカという女の子にそこまでの魅力があったんだと…そう読み取ってもらえれば。そして、ロジャーの意外な行動力、ですかね^^;
最後のコンビの漫才に爆笑です。
大タルGごと…うんうん、いかがわしい妄想にふけるボルトへ、やってください、ブルースよ。拡散弾もついでに(笑)
…てか、せっかく最後までカッコよく書いたボルトが!こんなことにww
まあ、そういう一面は変わってなかったと。なんだか安心ですよ、はい^^
ちなみに、まだあの発言「番外編は俺が書く」は保留していますから。
私が書いてもいいんですが、やっぱりイカズチさんの筆で彼らの姿、読んでみたいです。
番外編だし、小品はいくつあってもいいですからね。私も少し考えています。
もし書けたら、イカズチさんもどうぞよろしくお願いいたします。
感動の内に拝読させて頂きました。
実はコメントが滞った頃から例の消費税の絡みで仕事が地獄のような様相を呈してきまして……。
ここからちょっと言い訳。
忙しかった事もあるのですが、毎週読みをしていた頃は続きが気になり、仕事中も妄想にふけりがちになってしまいまして。
ようやく時間が取れるようになりましたので一気に一気読み。
もう一つ。
この『騎士の証明』を読んでいると、狩りに行きたくなります。
それも無茶な狩りに。
レベルMAXのソロ狩りはやばいわ~。
いや~泣いた、手に汗握った、ホッとした。
特にロジャーの最終回での台詞
「――命は、生きていていいんだよ。それがどんな形でも、ね」
これは沁みました。
ロジャーの、蒼雪さんの命に対する優しさが一行に凝縮された台詞ですね。
涙と鼻水が止まりませんよ。
考えてみると最初ロジャーにぞっこん(表現、古ッ)だったユッカは、その後、距離を開け、傷付き倒れた所に母性を伴って再登場する、と。
これはっ!
いわゆるデレ、ツン、別面魅せ。
勿論、ユッカにそんな意図はないでしょうが、悪女がターゲットを落とす時の高等テクニック。
歴戦のロジャーも陥落でしょう。
もっとも私が思うにロジャーは自分から積極的な恋愛をした事がないのではとは思います。
何もしなくても女性が言い寄って来る。
なので偽クエストを手配して……などという事も盲目的にやりそうですね。
くそう、リア充め。
改めまして、長期連載お疲れ様でした。
また再読してちょこちょこコメントさせて頂きますね。
ではコメントの最後に誰ともつかない会話を一つ
「え、あいつ告りに行ったんじゃねぇの?」
「ナイトへの勧誘に行ったんだ」
「いいじゃん、嫁に勧誘してくれば」
「それは……二人はいずれそうかも。でも今はまだ」
「面倒臭ェなぁ。来るエリアがわかったんだから、落とし穴仕掛けて、ハマった所に麻酔玉ぶつけて……」
ドスン
「眠ったら引きずりだして一枚一枚『剥ぎ取り』して……ウヘヘヘ」
ガシャン
「それ以上喋ったら、今置いた大タルGごと起爆するぞ」
息を吹き返す前のロジャーの傍らで、ユッカがレウスの孤独に飛ぶ姿にロジャーを重ねて見た、という描写は書きながら出てきて、それがこのラストシーンにもつながりました。
ロジャーの心の声(もう、お前も…)は、作品の中で一番気に入っているセリフです。
「自分の居場所」は今までの、そしてこれからも書くであろう私のテーマですが、書いた後それに気づくことも多く、今作もそうなっていて驚きました。
レウスとレイアは好きなモンスターで、何がカッコいいって、やはり夫婦の連携ですよねw
ゲネル・セルタスはその真逆で、たくさん倒すともらえる称号が「恐妻」ですから…ww
イカズチさんの勇気の証明ラストでは、グロムとミーラルの大団円に象徴としてケルビのつがいを登場させており、こっちは火竜になってますが、これはまったくの偶然です。狙ってたわけではなくて。
だから、火竜夫婦が空を飛ぶシーンが書く流れで出たとき、かぶるのを承知で出しました。まったくの無関係の作品ではなく、勇気の証明あっての騎士の証明だということを、ここで象徴したつもりです。
(そして、火竜>ケルビではなく、たまたまそのつがいが象徴的だからという意味で)
ボルトとアンデルセンは、いいコンビになりましたね^^
アンデルセンは本当にめんこく、書きながら私もオトモに欲しいくらいでしたw
アンデルセンがトゥルーとどっちを選ぶかといえば、そりゃあこうなるだろうなと…。予想を裏切らない展開でしたが、これしかないですよね、やっぱり。
もちろん、ボルトのあの様子は仲間にしか見せてません。
そのうち克服して、そんな姿もやがて見えなくなると思いますが、しばらくはあのままかも。
そして、たまに会うことがあったら、たくさんかわいがるんだろうな。離れ離れにはなったけど、トゥルーと共有関係になってるんだと思います。変なたとえですが、田舎のおじいさんが離れて暮らしてる孫に会う、みたいな^^;
トゥルーも気に入っていただけてよかったです。
なかなかいい活躍っぷりだったと自負しております。
長く書いたので、今は読書などで補給中。
新しく書けたら、ぜひまたよろしくお願いします^^
ユッカもまた、自分がどうロジャーに見られているかを、はっきりと上昇志向では思ってませんでした。特別な存在ではないのだろうな、と。ロジャーの容姿やふるまい見れば、彼は女性慣れしているようにも映りますしね。
自分の立場に置き換えてみればわかりますが、なんとも思ってない異性がたとえばあの場面で助けに来たらどう思います?怖いですよね^^;
ユッカはそう考えていたので、迷惑じゃないかしらと言ったのです。ストーカーと紙一重だったわけですから。
その辺に、ロジャーとユッカのわずかなすれ違いというか、心の距離があったのを察して頂けたらと思います。
でも危機下において男女の仲は進展しやすいと言います。ロジャーも瀕死状態で母親を思い出していて、ユッカには昔自分が味わえなかった母性も見ていたもよう。
…ということをふまえて鑑みると、ロジャーが「僕の」とまで言い切ったあたり、彼もまた男だったんだなと私も笑ってしまった次第です。上のような理由も含めて、とにかくユッカが好きで仕方なくなったんですね。
なまじモテるだけに、相手が逃げると追いかけたくなる性分のようです。理由はロジャーも語ってますけど、「なんであそこまでしていなくなるのよ?」と。私だって同じ立場ならそう思うなあと(笑)
でもって、ロジャーは案外恋におぼれるタイプのようで…。偽の依頼書まで使うくらい強引なところ、これもある意味ストーカーすれすれですがww
ロジャーがやると強引さも男らしくてカッコいいかなと思います。…長い解説になってしまいました(笑)
もし続きとして番外編を書くときは、このふたりの心の様子も書きたいです。
…しかしロジャーとユッカは、嫉妬されやすいキャラかとも思ってます。ました、でしょうか。
あー、こいつとくっつくなよ~という心理になられては困る。でも読み手を意識しすぎるあまり話やキャラが委縮してはだめだなと。
だからロジャーには「好きにしていいよ」と許可を出したらあのざまです。走りだしました、彼はww
古龍の血による回復やアルバの光が目に宿るところなどは完全に私のオリジナルで、ゲーム信奉者には「そんなわけない」と否定されそうですが、自作小説だし、いいやと開き直って書きました。
好意的に受け入れて頂いて感謝です^^
こちらこそ、長い間ご愛読いただきありがとうございました。
集会所で、「最初から通しで読んでいる」と聞かされたときはうれしかったです。お疲れ様でした!
過分なお褒めのお言葉、心に沁みます。自分では不備な点も多く…って、あまりに卑下しすぎては、せっかく面白がってくれたのに失礼ですよね。ありがたく頂戴いたします^^
優しい話にしようと考えたことは少しもなくて、ただ彼らが突き進む道が書けて良かったです。
結果的にトゥさんがそう感じてくだされば、こちらもうれしい。
エルドラの人々もうまく収まってよかったです。大体の結末は考えていたんですが、あの王様はティオに抹殺されて終わるつもりだったんです。彼に人知れず暗殺されて、ティオがあのセリフ「ロジャー、あなたは(略)」という予定が、ガレンらのおかげで別の結末になりました。
プロットにはない新キャラ…読者様たちモデルの人物たちを増やして入れたことで、物語も表情豊かになったようです。
上記にもあるように、最初は実在の方々を登場させるのに抵抗あったんですが、そうすることで皆さんがより感情移入できたことは確かです。その手法を取り入れたボルト氏に感謝ですね^^
ロジャーとユッカは、本当に似た者同士でしたね。考え方のクセも。同じ問題を何回も蒸し返して悩むところとかね。
でも一回で解決できなかったのは、それが命に関わることだったからでしょうね。これは単純ではない問題ですが、しかし、新たに悩んだ末に、また同じ結論に至るのでしょう。「みんな生きていていいんだ」と。
「僕の小鳥」は、私も考え抜いた末のロジャーの行動でした。
何を考えたかって、「ロジャーがここまでするか?」という理由をです。
ロジャーは今まで、誰も好きになったことがありませんでした。他人との接し方もよくわかってなかったかもしれません。あまりにもてすぎて、女性特有の計算高いところも苦手になってましたし、「人間なんてこんなもの」という考えもちょっとあったのです。
でもユッカは一途にロジャーを思っていたし、他の女性にはない考え方も持っていた。何より、命がけで自分を助けに来てくれた…見返りも求めずに。典型的ですけど、そこに惚れちゃったみたいです。
じゃあユッカ以外の女性が同じことしたら、やっぱり惚れたか?といえば、違うでしょう。
こちらベースキャンプ。こちらベースキャンプ。無線、復旧しました。
いきなりあとがきにていただいた言葉で遊んでしまいましたが、まずは改めてお祝いを。
完結おめでとうございます!
そして長い連載、おつかれさまでした。
本当にね、蒼雪さんにしか書けないMH小説だと思うんです。いい意味でゲームっぽさが抜けて、狩るものと狩られるものの、命のやりとりに温度……こういう表現でいいのかな、ちゃんと流れ出る血に熱さがあって。それでいてその厳しさをハードボイルドに仕上げたりサバイバル風味に描くのじゃなく、一貫してやさしい。
ロジャーとユッカの苦悩も、エルドラの人々が選んだ道も、澄んだやさしさに読みながら苦しくなるくらいでした(笑)。
蒼雪さん、すてきな物語と楽しい時間をありがとうございました。
最終幕の数回のうち、もっとも印象に残った言葉は「僕の小鳥」。
実は正直に申しましてわたしのなかのロジャー像が変わりました。
「ええっ、ロジャーそんなこと言うの!? 偽の依頼書まで!?」
思わず二度見です。その振り幅がたまりません。
だって……僕の……小鳥……くす! と未だに笑いが漏れるほどツボにはまっちゃいました(笑)。
でもこの二人、似ているなぁと思っていたんです。鏡みたいに自分の良い面悪い面が見えて、だけれど自分でも鏡でもないからお互い癒せるような。
とっても爽やかな良いラストシーンですよね。ロジャーの目の中で生きるアルバトリオンの光、いいなぁ。
空にレウスとレイアがいるのがまた! あのレウスがひとりぼっちのままじゃなくて、本当にほんとによかったです。わーん。
あ、あとよかったといえば。
ボルトとあんまり仲良しだったので、ひょっとしてアンデルセンはトゥルーのもとから去ってしまうのでは……とドキドキしていましたが、置いていかれなくてよかった(笑)。
黙って察するボルトも大変格好良かったです。しょんぼり手紙を眺めている背中はブルースやロジャーにしか見せないんだろうなぁ、オトコマエ……!
アンデルセンをあんなに可愛く、そしてランマルに負けないくらい個性たっぷりに書いてくださってうれしかったです。
それからもちろん、トゥルーも。ちょっぴり面映ゆくて、とっても光栄でした。
わたしもまた次の作品を読みたいです♥
イカズチさんはもう本当に忘れてしまったかもしれない^^;
もともとイカズチさんの案だったんです。連載終わったら書きますっておっしゃってたんですが。おおい(゜o゜)
読みたいとのお言葉、感謝でございます。その言葉だけで、原稿料がでなくっても書けます!
私も書きたいと思っているので、まったくプレッシャーではないです。むしろ張り切って書かせていただきます^^
神曲は、どこかにコメントが残ってるはずですね。岩波文庫を全3巻買いましたw
でもこれをそのまま現代語訳にしても、著作権がどうという前に、面白くないんですよ^^;
自力で現代語に直して読んでみたら、すごく個人的な内容ともいえました。ダンテの心の旅路がえんえんと。
中巻の浄火編は、読んでて眠くなりましたし^^;
なので、筋はそのままに、読みやすく面白くできればいいなと考え中です。
相当長い作業になると思うので、こっちは3年以上かかる見込み…。
でも書く楽しみがひとつできました。近いうちにアップしたいと思いますので、もしできたら読んでください^^
こちらも、小鳥遊さんの連載、続きを楽しみにしています。執筆頑張ってくださいね。
世界観もキャラもしっかりしているので、いろんなキャラにスポットを当てて番外編とかも出来そうですね。
というか、私が「読みたい」だけだったりして^^
あ、けっしてプレッシャーをかけたいワケではありませんので!
蒼雪さんが書きたいな~って思ったときに、書きたいものを届けてくださるのを待っています^^
ダンテの神曲~~というお話、いつだったか伺ったことがあるような……道場だったかしら?
そちらも、まったりと楽しみにしていますね。
蒼雪さん。楽しい物語を読ませてくださって有難うございました^^
連載、お疲れ様でした~~!
蒼雪さんを見習って、私も頑張らないとです。
タイトルの騎士の証明に関しては、実はこの回に至るまでその明確な理由づけがありませんでした^^;
でも、およそ2年ほどにわたって彼らと付き合ってきて、それがどういうことなのか、ロジャー自身に教えてもらいましたね。
偽の依頼書は、本当に最後の手段、ギルドナイトの特権乱用ですよね(笑)
それほどまでに会いたかったということですね。
私もびっくりなんですけどね。お前そこまでユッカを好きになったのかと。
反面、ユッカはロジャーと対面してもあっさりしてますね。なんでかというと、彼が来ることも、恋が成就することも、まったく期待してなかったから。
ふたりの仲は、これから発展するのか…それとも、このまま微妙に続いていくのか。ご想像にお任せしたいと思います。
ともかくは、みんながまとまって終わって良かったです。最初から考えていても逸脱してしまうことも多いですから。
作家の手にゆだねられているとはいえ、架空の世界で彼らは生きているんですね。
字数が限られていて、ギルドニャイトのくだりで、またユッカが笑いのツボにはまってしまうところも書きたかったんですが、省くはめに。
ギルドニャイトが正式名称って、まじめな人が呼称しようとするとつらいですね。聞いた人の笑いを誘いますから。
ブルースなんかがまじめくさって「ギルドニャイト部隊、集合!」とか言ったら、おそらく失笑の渦でしょう^^;
燃え尽き症候群にはなっていませんが、とりあえず、書くのをちょっとだけ休もうかと。
ハルさんへのコメントにも書きましたが、ダンテの新曲をアレンジした小説でも書きたいなと思ってます。
その前に字数で書き切れなかった、ショウコとユッカのその後の関係とか、原案者であるイカズチさんが案を出していた「同窓会」の掌編をものしたいなと。
それはイカズチさんが書くと申し出てくれたんですが、どうも忘れてしまっているみたいで…。
じゃあ私が書くかって勝手に決めてしまいましたが、心の広い方ですから許してくれるでしょう。
最後に。
ここまで丁寧なご感想と励ましのお言葉、本当にありがとうございました!
私は最後のシーンを思いついてから全体を考えるタイプです。
この前の回、ロジャー達三人が森丘の草地でのんびりしている場面が浮かんだとき、作品を書いてみようと思いました。
で、ここに行きつくまでに考えていたエンディングは、もっと渋いものだったんですが、いよいよ最終回まであと少しというところまで来たとき、ユッカはショウコのところからいなくなって、ロジャーは彼女を捜すために走り出したんです。
こういうとき、最初の構想を押し切るべきか悩むところですが、キャラが自動的に動いたということは、彼らはそうしたかったんだろうな、と。それでこの終わり方になりました。彼らもうまくまとまったようで、後悔はありません(笑)
ロジャーのセリフは、ちょっと悩みましたが、すっと出てきてくれました。
最終回は6000字で書こうかと思いましたが、無駄が増えて冗長になると思ったので、書こうと思ったエッセンスだけ詰め込みました。
でも字数制限がやばくて、「命は生きていていい」も、かなり短くなったものなのですが、ハルさんの心に届いて何よりでした。書いて良かった^^
単行本…なってほしいですね~なんてww
その際は、どなたか絵の上手な人に挿絵をお願いしたいです。あ、マンガでもいいですww
もう小説は書かなくていいかなとも思ったんですが、お申し出嬉しく受け取らせていただきます。
今度はダンテの新曲を小説化してみようと、とりあえずやってみたいことはあるので、ちょっと休んだら、不定期にまた連載したいと思います。また読んで下さったら嬉しいです。
ありがとうございました!
この最終回も、じっくりと大事に読ませて頂きました。
「騎士の照明」という言葉が示したかったものは、何だったのか。
折にふれ考えながら読んできましたが、最終回、ロジャーの語るセリフで明言されていましたね。
それにしても、ロジャーさん……いくら小鳥がすばしっこいからって、偽の依頼書とはww
いや、でも、ようやく捕まえることが出来てヨカッタですね^^
なんでも一人で背負いたがる癖があるユッカにとっても、ロジャーが追ってきてくれた事は良かったと思います。
ユッカを覆っていた悲しみの仮面が外れてよかった^^
ロジャーの瞳に宿る紫の光。
大空を舞う火竜。
絵的にも、とても印象に残ります。
ああ、本当に最終回なんだなぁ~としみじみしながら読みました。
ランマルのギルドニャイト部隊への抜擢も嬉しかったなぁ。
(ギルドニャイト部隊wwいいなぁ~~、ニャイトに囲まれてみたいです^^)
照れ隠しに素直じゃない一言を呟くランマルも、ランマルらしくて良かったです。
これまで、ほっこりする和やかな場面や、思わず笑ってしまう場面(おもにボルトですかね:笑)
手に汗を握る狩りの場面や、命についてなど考えさせられる場面など……いろいろと読ませて頂きました。
ロジャー、ボルト、ブルースの友情や、ユッカとショウコの友情も、良かったですね~。
そういえば、リトルというキャラの登場も嬉しかったですw
思い返すと様々なシーンが蘇ります。
ひとことで言うなら、やっぱり「おもしろかった」です^^
蒼雪さん、ありがとうございました! そして、お疲れ様でした!
ひとまず、ゆっくりと休憩されるのかな?
落ち着かれたら、また蒼雪さんの物語を紡いでください。楽しみに待ってます^^
2頭の火竜のように、ロジャーもユッカちゃんと睦まじく楽しく過ごしてほしい^^
命は生きていていい……
自分もロジャーに肯定してもらったみたいに、泣きそうになってしまいました…
蒼雪さん、長いことお疲れ様でした(*^◯^*)
途中からでしたが、掛け値なしに本当に素晴らしかった!!
これはいつ単行本になりますか?(笑)
終わったばっかりでこんなこというのもなんですが…
しばらくは真っ白な灰かもしれませんが、また新たなものを書いてくださいね♬
最後までお読みいただいた方々へ。本当にありがとうございました。