TW-S7 改造記 4
- カテゴリ:音楽
- 2014/03/28 20:02:15
パッシブラジエターのf0調整とシーリング
これが最終回。接着剤でシーリングしてしまったので、また分解/殻割りするの不可能かもしれん。そしてこの作業はおそらく単純に音を良くするとかではなくて、自分好みの音にするためにメーカー設定から変更する。チューニングに位置づけられると思います。音質を変えるのではなく、音色を変えたいって事ですかな。
状況を書くと既に改造はほぼ完了したので後は完全組み立てとしてのシーリングが必要ってところ。そして、純正の耳につく高音部、ボンつき過ぎで喧しい低音部が解消済み。とは言え、個人的には完全に低音過多。なので低音をもう少し抑えるチューニングを目指します。
1. 基本の考え方
TW-S7 はパッシブラジエター型のエンクロージャーです。考え方はバスレフ型と同じようなものです。
http://diy-sound.net/archives/70
バスレフ型はパイプによる共振を利用しますが、パッシブラジエター型は単純にメカニカルな水平ばね振り子の共振を利用したものです。
http://www.wakariyasui.sakura.ne.jp/b2/53/5332banehuriko.html
ここで注目点は重くすれば周波数が下がるって事と錘の重量は1/2乗でしか利かないって事です。パッシブラジエターの重さが倍になっても共振周波数は0.7倍くらいにしかなりません。まあ、音響機器で見慣れている周波数を対数で目盛った片対数グラフならリニアになる訳ですが。w
要するにパッシブラジエターに錘を追加して、低音の山を今よりも低いところに持って行こうって話です。錘としては重量のはっきりした硬貨を選定。貼り付け位置はパッシブラジエターの構造から重心がなるべくエッジのセンターに来るように、表面側センターを狙います。少しでもモーメントが出ないように考えないとね。
2. 実験的なもの
分解した時にパッシブラジエターの構造をしげしげと見てます。振動版が軽量部材とは言え、エッジの内側8mm程度の分厚いものなので、それなりに重量が有ることは見当がついたため一円玉の出番は無しです。w
a. 何もなし(0.0g)
正直言って、音のつながりはこれが一番良い様な気がします。やれやれw
でもこれでは低域過多で個人的にずっと聴いているには辛過ぎる。
b. 5円玉(3.75g)
あきらかに低域の山は更に低い方に移ったようですが、何か微妙。繋がりが悪いというか、なんと言うか。
b. 10円玉(4.5g)
低域の山は一段と低い方に移ったようです。低域がすっきりして繋がりはこちらの方が良い感じです。
※、硬貨の付け外しが出来るようにマスキングテープでの固定です。なので、はっきり言って、しっかり固定できてない! ここいら辺がせこい個人実験の限界。
※、完成後にAudacityで低周波を鳴らしてきちんと繋がりを調べればと思いマスタ。orz でも上の状況もあって、いろいろしんどかったのだな。
3. 重量決定(後悔先に立たずw)
最終的には両面テープで貼り付けるのでほぼ一発勝負です。実験状況と最終状況では違う可能性もぬぐえず、素直に10円玉は少し怖いです。間を取って50円玉(4.0g)も頭を過ぎります。結局低音そんなに出なくても構わないって人なので、100円玉(4.8g)をピカピカに磨いてから貼り付けました。(笑)
5. シーリング/スピーカーの組み立て
テスト中は手でギュッと抑え付けてたり、紐で縛って前後のエンクロージャーが別れないようにしてました。そのままポン置きでも簡単に別れたりはしないのですが、高音はともかく低音はしっかり締め付けてないと大分落ちてしまいます。自分的には低域それくらいの方が好みではあるのですが、簡単にバラバラになるのは問題なので、しっかり組み立てます。
本当はシャコ万的なもので分解組み立てが出来るようにしたいのですが、技術力が無いので、素直に純正と同じ接着剤によるシーリングとしました。
シーリングはセパレーターの枠全体を使わず、純正ままの接着方法としました。万が一また分解したくなった時に、多少は分解しやすい様にです。また同じ理由で、完全に固まらない変性シリコーンの接着剤を使用しています。ちなみに純正も何系か判りませんが柔軟性のある接着剤を使っているので、一応分解修理も考慮しているのか知れません。
5. 音出し
スピーカーユニット単体でもそれなりに低音は伸びているようで。てか、それなりに山が在る様で、個人的には充分です。そして、偶に重低音の入った曲が当たると重低音域にもう一山在る事が判明します。www 音の繋がりは良いも悪いもなく、普通の曲だとパッシブラジエター動いてない状態なので、これはこれで悪くないです。重低音入りの曲は滅多に無いので、まあ気にしない方向です。
周波数特性だけで見たら50円玉(4.0g)がちょうど良いのかもですが、純正がある意味パッシブラジエターとスピーカーがお互い邪魔をしてるような低音なので、きれいに音を繋げるのは周波数特性だけでは無いと思うんですよねー。
相変わらずの蛇足
大変音は良くなりました。デザインといい悪くありません。改造済みのこれが一万円ならまあ、買いだと思います。
何回も繰り返しますが、 TW-S7 はUSBケーブル一本で接続完了だし、音質もそんな悪くなく。コストパフォーマンス高いと思います。このサイズでモバイルも射程に入ったこの軽さ。そして、純正のモリモリした低音は低音スキーには堪らんのではないかと。w
殻割りが大変でどうしても傷付けてしまう事もありますし、製品クオリティーは値段なりのものでしかありません。いくら頑張っても元々クオリティーの高い高価な製品以上にすることは難しいです。なので TW-S7 は改造ベースにするべきではない製品です。
まあ、個人的にはいろいろ遊べて、お勉強も出来たので楽しかったです。でもこれが、メインのPCスピーカーになる事はないな。