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シン・ドラマ汁


ドラマ【ロング・グッドバイ】

新番組 ロング・グッドバイ
NHK 土曜夜9時~
【あらすじ】私立探偵・増沢磐二は、キャバレーでケチな仕事を終えた後、店の前で女優の原田志津香が泥酔した夫のとケンカ別れしているところに遭遇。降りしきる雨の中、路上に突っ伏し、志津香が手切れ金だと投げつけた財布をキャバレーの店員に奪われそうになっているのを見るに見かね、磐二を事務所に連れ帰る。意識を取り戻したは、見ず知らずの磐二から無償の厚意を受けたことが信じられず、妻に捨てられたショックも手伝い、そそくさと事務所を出て行くが、後日再び事務所を訪れる。

【感想】古い映画を見たような感覚。公式サイトには「無国籍に」「時代を超えろ」「毒と不純物を盛り込め」というキーワードで作られたと書いてありますが、時代は昭和20年代、場所は間違いなく日本とわかりますw この時代、まだまだ日本は発展する前で、日本の風習を色濃く引きずっていましたが、一部都会ではどんどんアメリカの文化を取り入れ、どこの国かと思うような洋風の地域もあったんでしょうね。その点、大正時代にちょっと似ているような気がします。ちなみに原作はレイモンド・チャンドラーのロング・グッドバイ。日本語に訳した「長いお別れ」というタイトルもあります。ハード・ボイルドの代名詞とでも言うべき、探偵フィリップ・マーロウをこの世に送り出した作品という意味では、ハードボイルドの金字塔と言えるかもしれません。で、この原作が書かれたのが1953年ですので、恐らくちょうどドラマの時代と同じですね。1973年にアメリカで映画化されていますが、その時は70年代にアレンジされていたようです。しかし時代が同じとはいえ、場所がアメリカと日本ではかなり環境が違うので、スタッフも苦労しただろうなぁと思います。しかし出来上がったものを見ると、そう不自然ではない。スタッフの努力もあるでしょうが、やはり浅野忠信という特殊な俳優の存在も大きいように思います。ドラマ好きの方ならご存知でしょうが、彼は滅多にテレビドラマには出ない、映画俳優です。出てもちょっとだけ出る印象的な所謂カメオ出演が多く、連ドラの主演ってこれが初めてじゃないでしょうかね? よく引っ張り出せたなぁと思います。視聴率がすべての民放ドラマと違い、落ち着きのある画面が作れるNHKのドラマだからこそ、彼の個性が引き出せるんじゃないかなと思います。しかし調べてみてびっくり。まだ40なんですねw もうちょっといってるかと思ってた。40代半ばで彼より若く見える俳優さんなんてたくさんいますよ。ちなみにアメリカとのクォーターなんですね。そうは見えませんけどねw で、内容の方ですが、1時間かけたとは思えないくらい、進み方が遅いw まとめると、探偵が出会った男が、女優の前妻と復縁、彼女が何者かに殺され、その日男が探偵の元に逃げてきた。逃亡幇助で探偵は捕まるが、男は逃亡先の台湾で罪を告白した遺書を残して自殺した。財界の大物である女優の父親が事件に関わってそう。というところでしょうか。後半に立て続けに展開しましたが、前半30分は実にまったりじっくり、磐二と保の出会いと、男の友情が育まれていく様子を描いてました。これ、ほんまに事件なんか起きるんかいなって感じで。豪華キャストもほとんど最後の10分くらいでずらっと出てきましたね。これが2サスだったら、枠の関係もあるでしょうけど、最初の2~30分くらいに詰め込んでますねw しかしこのドラマは、事件よりも雰囲気を楽しむドラマなので、このまったり感は必要なのだと思います。ハードボイルドとまったりってあまり似合いませんが、このまったりがあるからこそ、キャラクターが生きてくるんですよね。そしてこのドラマ、MOZUと同様タバコを吸うシーンが多いですw 「毒と不純物を盛り込め」だからでしょうかね。ハードボイルドとタバコは切っても切れない関係のようです。こういうドラマが放映されると、禁煙団体がうるさそうですが、テレビや映画でタバコを吸うシーンを見て、「かっこいい」と思って吸い始める人もいるでしょうから、苦情も仕方ないと思います。でもやっぱりうるさいものはうるさいですね。




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