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シン・ドラマ汁


ドラマ【TEAM】

TEAM ~警視庁特別犯罪捜査本部
テレビ朝日 水曜夜9時~
【あらすじ】八王子の開発地から白骨死体が発見され、被害者は3年前に殺された男と判明した。投資ファンドの代表・仲正利樹が容疑者として浮上したが、仲正は事件直後に外国へ移住。現地で国籍とパギ・スカルナという新たな名前を取得し、伯爵の称号も手に入れていた。法律上はスカルナという別人となった仲正を任意同行しようにも大使館が拒否。さらには外務省も佐久島野に圧力をかけてくる。仲正を逮捕するには、スカルナが帰国する3日後までに、DNA鑑定でスカルナ仲正が同一人物であることを証明しなければならない。

【感想】今回はかなりの変則球で、管理官自身が潜入捜査を行うという、ちょっとありえない展開でした。序盤の回では本庁と所轄の捜査員の確執を描き、中盤からはやや普通の刑事ドラマ寄りになり、今までのTEAMが好きだった人にとって、今回はかなり評価が分かれる回だったのではないかと思います。私も予告で佐久が潜入捜査をすると知り、ファンがTEAMに求めているのはこんな話じゃないと思ったものです。しかし、私的には今回なかなか面白かった。殺人を犯したセレブ、しかも海外の国籍とその国の貴族の称号まで獲得した人物が、何故殺人を犯すにいたったかの経緯を、難病に侵された若い女性を絡めてじっくりと描き、視聴者の同情を集める…まぁここまでは浪花節の刑事ドラマにはよくあることなのですが、さすがTEAM、決着の着け方は一味も二味も違ってましたね。普通の刑事ドラマなら、犯人を父親と慕う女性を騙しているという罪悪感から、その女性に正体を明かし証拠物件の提出を依頼する時は、少なからず申し訳なさそうなそぶりを見せるものですが、この捜査バカ・佐久は完璧にその女性と犯人を騙しながらも、まったく悪びれる様子がない。彼にとっては犯人を挙げることが第一で唯一の目的なので、彼らを騙したことについてはまったく悪いことだと思ってないんでしょうな。彼にとっては捜査員だけでなく、事件関係者も駒でしかなく、その感情などどうでもいいことなのでしょう。こう言うとかなり非情な人間に見えますが、いや間違いなく非情ではあるのですが、彼の場合、上司やお偉方も含め、すべての人間に対して非情であり、感情どころか事情すら汲み取ることがないという点では、かなりフラットな人間であると言えるでしょう。また、仲正逮捕後も、供述を渋る彼に対し、被害者と樹理の親子鑑定をすると脅す佐久が、悪魔に見えましたねw それすら武器にしてしまうのかと。ただここまで突き抜けると、逆に爽快感すら覚えますね。同じ刑事ドラマでも、主人公を善人として描きたがる普通の刑事ドラマとは、一線を画していると思います。つまり、今回はストーリー的には普通の刑事ドラマでしたが、キャラ的には佐久の性格とスタンスがよく理解できる内容になっていたと思います。このドラマのストーリーを楽しんでいたのか、キャラ物として楽しんでいたのかで、今回の評価が分かれると思います。私は後者だったので、楽しめたということですな。




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