Nicotto Town


ま、お茶でもどうぞ


3月のライオン


3月のライオン。

このマンガの魅力を、ひとことで語るのはとても難しい。

どんな作品なの? と聞かれたら、うーん…と悩んでしまう。

これは、ただの将棋マンガではない。
かの傑作「ヒカルの碁」なら、主人公が囲碁を通して人間的にも成長していく作品だとはっきり言えるけれど、こちらは、とてもそこまで単純ではない。

いろんな人間が、少年プロ棋士である主人公・桐谷零のまわりで、なんやかんやする。
そして、みんなが自分にとって大切な何かに気づいていく。
カバーの裏表紙に書いてある、「様々な人間が何かを取り戻していく、優しい物語」というコピーは、実に正しいと思う。将棋のマンガと言い切らないところが良い。

しかし、内容はかなり複雑だ。
まず主人公の零からして重い。
彼は幼少時に交通事故で両親と幼い妹を亡くした。
父系の親族は大病院を経営する家柄だったが、相続目当てで誰も零をひきとろうとしない。
そこへ父の友人であるプロ棋士、幸田が葬儀に現れた。

自分がどうなるのか怯えていた零に、幸田は「将棋は好きか?」と尋ねた。
幼くして彼は、それが施設送りを回避できる唯一の手段だと悟ったため、その場で肯定してしまう。本当はそこまで将棋が好きではなかったのに。

自分に嘘をついた。そこからが、彼の孤独の始まりだった。
引っ込み思案な性格から、友人が一人もいなかった彼は、幸田に内弟子として引き取られても、その家族とうまくやっていけなかった。

無条件で自分を肯定してくれる存在を失った零は、自分が生きていくために将棋を必死で勉強し、中学生でプロになった。
そして幸田家を出て、都内のアパートで一人暮らしを始める。

自分全否定。この世に生きていく価値もなし。
そんなネガティブ少年が、あることがきっかけで、あかり、ひなた、モモの3姉妹と出会い、あたたかい家族の感情を取り戻していくのである。

自分をはじめとする全ての人間から存在を否定されていたために、彼は、自分を肯定してくれていると気づくと、すぐ泣く。
あっちこっちで泣いている。

そう、それは「気づき」がもたらしたものだ。
彼は決して世界から孤立していなかった。
高校では林田先生が何かと彼を気にかけているし、放科部では友達もできた。
将棋仲間では、二階堂達みんなが注目している。

零は、あかりの家族や仲間を通じて、自分がひとりぼっちではないことに気づき、彼らのためにできることをする。
将棋に勝つことも、自分が立身出世したいためではなく、自分の大切な人達を生かすために頑張ろうとするのである。

それに対極するのが、名人・宗谷冬司だ。
将棋の天才である彼だが、他の棋士たちとは一線を画している。
茫洋とした、それでいて確かな存在感。
感情をほとんど表に出さないが、まるで白い鳥のようだと例えられる。

だからといって人間味がないかというと、そうではなく、相手の気持ちを察する洞察力と、それに裏打ちされた思いやりが、見る者を惹きつける。

好きなキャラはたくさんいるが、真っ先に私が名を上げるとしたら、この宗谷が好きだ。
彼は過酷な研鑽と勝負のストレスのためか、突発性難聴を発症している。
私もなったことがあるから分かるが、耳が聴こえなくなるほどのストレスというのは、相当なものだ。
天才と呼ばれる宗谷ですら、毎日のしかかる重圧に身体が負けてしまったのである。

考えてみれば、棋士というのは不思議な職業だ。
盤上のゲーム、遊びを仕事にしている。
スポーツ選手と違って、ある意味努力が見えにくく、普通の労働とも違う。
だがその実態は厳しく、代償も大きい。

囲碁と違って将棋は、勝てないとクラスが下がって引退させられてしまう。
相撲と同じだ。
勝ち上がるためには努力が必要で、それ以上に素質も求められる。
素質というのは厄介だ。
生まれ持ったものが左右するから、これが足りないとどうやっても高みにたどり着けない。

自分は何者であるのか。えんえんと問い続け、自分の可能性を信じて努力しても、負ければ何もかもが全否定される。
対局には移動の負担もさることながら、読みに懸ける集中力も半端なく、体力の消耗も激しい。頭脳労働で人は死ねるのである。

だが宗谷は、そういった泥臭さから一つ抜けたところにいる。
この世の悩みも苦しみも、怒りさえも超越して、将棋という遊戯の頂点にたたずんでいる。
今日の暮らしがどうとか、あくせくすることがない。
その姿に強いあこがれを感じる。
この世に生まれてきて、何かを成したいと思う人は多いはずだ。自分もそうである。
でも才能という大きな器を持っていないために、宗谷が立つ高いところへ行けない。

零は、宗谷を将棋の神の子供だと例えた。
我々は神の子として生まれたかったと己をさげすみながら、雲間から射す光を見上げる。
光は宗谷だ。
極限まで登りつめた人間の完成形である。
だから彼の打つ将棋は人間臭さを出さない。打ち手が忘れていた、将棋本来の楽しさを呼び覚ましてくれるのである。

泥の中でまみれる零にも、宗谷の片鱗が時おり発揮されている。
でも零は彼のようにはならないだろうことは、読み手には容易だ。
なぜなら、彼は宗谷と違っておいしいものを食べる喜びを知っているからである。

このマンガは、実においしそうな料理がたくさん出てくる。
それもみんな、我が家で作れるものばかりだ。
料理上手の長女あかりが作る家庭料理の数々は、眺めているだけで楽しい。
そしてそれを、あかりも含めてみんなで嬉しそうに食べる姿がすてきだ。

彼女達はつらいときほどごちそうを作ったり、買い食いしている。
おいしいものを食べて元気を出そうとしているのだ。
とても単純な考え方だけど、そこに彼女達の生きようとする強さを感じる。
父親が女を作って家を出て、母は病気で早逝し、3姉妹も孤独感と常に闘っている。
それでも懸命に明るく生きようとするところに、読み手も癒しと励ましをもらう。

作品は9巻まで出ていて、ブックオフで大人買いしてから何度も読み返しているが、料理のシーンは暇な時に眺めるだけでも面白い。
おいしくごはんや甘いものを食べる彼女達の表情は生き生きとしていて、こちらも何か食べたくなるほどだ。

個人的に絵が大好きなのは末っ子のモモの表情である。
彼女が何か尋ねられて答える時に描かれる、勝ち誇ったようなキラキラ笑顔。
たぶんウミコ先生の身内をモデルにしていると思われるが、これがカワイイ。
カワイイカワイイカワイイッ!!と叫ぶくらい愛らしい。

それからネコ。
小学生の時に挫折して以来、将棋を放棄していたけれど、2巻における
パニャーン
で、開眼した。
パニャーンとは、将棋の駒は全部性格や攻撃範囲が違っているという説明のシーンに、駒をネコユニットにしちゃった場面のことである。
戦略シミュレーションゲーム(SLG)を遊んだことのある人なら、将棋もそれとまったく同じ、いやSLGこそ将棋を真似たものだと気づくだろう。
こんな完成度の高い遊びを、大昔の人はよく考えたものだ。

ニャー達のおかげで、今まで意味不だった盤上の駒が命を持って目に映りだした。
囲碁を覚えたら、意味不だった白黒の記号が輝きだしたのと同じ、嬉しい感覚だ。
上手くなる見込みはないにせよ、もっと盤を読めるぐらいには将棋を勉強したくなった。

出会いとは偶然で、面白いものだ。
「グレーテルのかまど」のアンコール特集で、この作品に出てくるラムネを紹介しており、その一コマを見ただけで、あ、読まねばと思い、迷わず購入していた。
この作品に出会えたことに感謝である。

休載が多く、10巻発売は未定とのこと。
続きを読める作品があると、人生が楽しい。首を長くして待つとしよう。

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2014/08/09 10:55
さえらさん、コメント感謝です。

おお~、さえらさんも一巻からのファンでしたか^^
ハチクロの作者の次回作ですから…さえらさんがハチクロのファンなら、次回作も当然チェックしますよねw
私はある意味にわかファンでお恥ずかしい限りです。
ライオンがヒットしているのは知ってたけど、売れてるから買う理由はないんです。
今読みたい、読まなきゃというタイミング。本ってそういうものですよね。

つたない感想でしたが、うなずいていただけて嬉しいです^^
通りすがりのキャラっていないんですよね。一人一人にドラマがある。
香子なんて嫌な女の極めつけみたいに登場しますけど、一応義理の弟である零や、不倫相手の後藤には可愛い顔も見せるし、悩んで苦しむ様子もある。
作者は雑に描いてないし、むしろ大事に扱っているので、私は最初このキャラが好きじゃなかったんですが、読むうちに許せてしまいました。嫌な面ばかりじゃない、みんないろんな一面があるんだと伝わります。

先生かなり頑張って描いてらっしゃるので、コマひとつも無駄がないですね。だから何度ページをめくっても面白い。
構図もかなり凝ってますよね。この一コマ考えるのにどれだけ頭を悩ませたんだろう、という部分がたくさんあります。
新人王(元)の順慶が二階堂と零の棋士としての心構えに嫉妬する心理描写で…零たちが深淵に落ちていく場面が大ゴマでありますが、あれでぞくっときました。
あと、8巻だったか、台風にたたられて新幹線を降り、宿へ向かう零と宗谷。僕の後を神様がついてくる…という所。
同じく8巻、柳原棋匠のたすきのシーン。圧巻です。

「グレかま」は面白い番組ですよね。私もたまに見てます。
梅ジュースの回は見逃しました。見たかったなあ~^^;
なるべくビデオに撮って見てみるかな。
見ていると作りたくなるレシピ多いですよね。でもラムネは少し難しそう。
クエン酸とブドウ糖ってどこに売ってるのかな(笑)
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2014/08/08 15:49
1巻発売当初から好きな作品で、新刊がでるたびに読んでいます。
続きを待ちたい作品があるって、いいですよね^^
この作品の魅力は、一言では表せません。
それを、見事にこうやって書いてくださったのを読んでウンウン♪と頷いておりました。
ただの将棋漫画じゃなくって、人物についても、みんな掘り下げられていて深いです。
読んでいると、泣いたり、微笑んだり、お腹すいたり・・・ですw
「グレーテルのかまど」は、わりと好きな番組でときどき見ます。
吉田秋生の作品に出てくる梅酒&梅ジュースの回も良かったですよ~。
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2014/08/01 11:38
鉄蜥蜴さん、コメント感謝です。

ハチワンダイバーはドラマにもなったし、有名なマンガですよね。
私も見たことありますが…面白い作品とは思いましたが、ハマるほどではなくて。
3月のライオンは、どちらかといえば勝負に勝つことより人間ドラマに重きを置いているので、将棋を知らない人でもとっつきやすいです。
桐山を何かと気に掛けるあかり達美人3姉妹や、桐山が世間にもまれておぶおぶしている表情を眺めているだけでも面白いです。

で、2巻で二階堂が教えてくれる、将棋の簡単なルールを読めば、「あ、将棋ってテレビゲームと同じじゃないか」と気づきます。
記事にも書いてるけど、ユニット(駒)の進み方や攻撃範囲とかが本当にそっくり。というか、現代のゲームが模倣してるんですね。将棋って本当に完成度の高いゲームです。

でも残念ながら、「ライオン」で完全にルールまでは覚えられません。そこまで書いてないので^^;
なので、私はニコ動の将棋講座とか見ながら、地味に勉強してます。
囲いとか用語の意味を覚えてくると、読み流していた対局のシーンもぐっと面白くなります。
私は相手がいないので、今度3DSあたりでゲーム買ってやってみようかと。
鉄蜥蜴さんのご主人も、きっとこのマンガ、ハマるんじゃないでしょうか^^

麻雀は私は才能ナシだったなぁ…ゲームやったくらいですけど(脱衣じゃないですよ)
どうやっても点数計算が覚えられず。役づくりも間違うし。あと、引きの強さもないんです。
あれくらい運が実力と言われるゲームもないですよねぇ…。強い人ってすごい。
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2014/08/01 00:47
最近はマンガ全然読まないんで、知らないマンガです。 〆(。 。*)
そういえば、将棋のマンガで思い出しました!
…ハチワンダイバー、読もうと思ってたのに、完全に頭から抜けてた~。^^;
最近は図書館で本借り過ぎて、頭回ってないかも。追われるように読みまくりです。

将棋は、ちょうど今、ウチの旦那がハマってるんですよ。小学生の時以来だとか。
将棋とチェスと麻雀は、ハマったら相当面白いでしょうね。
ちょっと旦那と一緒にやってみようかなぁ。
「3月のライオン」読めば、将棋のルール憶えられます~?  (´・ω・`)
(マンガで覚える気か~いw)
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2014/07/28 23:33
ハルさん、コメント感謝です。

おぉ、8巻までですか。9巻まで出ているので、ぜひ9巻もお読みになっては。9巻も良いですよ~。

ハルさんも二階堂がお好きなのですね。単行本のコラムで、監修の先崎九段が村山聖九段がモデルだと書いていました。
先崎九段のコラムからも、村山九段が短い人生を懸命に生きた人だと伝わってきました。
(ウィキや関連動画も見ました)
彼が亡くなった時、多くの棋士が泣いたとか。
分かる気がします。
長い人生をかけて最善の一手、ライバルとの名勝負を目指すというのが棋士の目標であり、人生と思いますが、彼にはあまりにも持って生まれた時間が少なかった。
それだけに、一瞬一瞬に命を燃やした彼のいきざまが胸に迫ります。

二階堂のエピソードは、私もぐっと胸が詰まりました。
島田が二階堂の棋譜を見て、他の子どもとは違う、遊びも甘えもかなぐり捨てて将棋に精進してきた結果がこれだと。これが彼の人生そのものだ、と言うシーンがありましたが…。
あそこは思いだし泣きしちゃいます…。
悩んだり立ち止まったりする時間も必要だけど、同じ思考でぐるぐる立ち止まっていては、時間がもったいない。
今ある時間を、頑張って生きなきゃと思いますね。

作品には個性的な棋士がたくさん登場しますね。
あのくらいアクの強い棋士がテレビにも出てたら、もっとファンが広がりそうですがw

強い将棋指しって、プロ、アマみんな、目つきが似てるんですよね。不思議なことに。

パニャーン、素晴らしいですよね(*>∇<)ノ
将棋って四角四面で、駒は全部漢字ですし、裏にはおかしな赤い文字がね(笑)
そして駒ごとの特殊な進み方。
2巻で二階堂が言ってましたが、一度先入観ができると覚えられないって本当です。私もでしたから。
ハルさんは自作しましたか。いいですねえw
3DSあたりで、あのニャーのデザインで将棋ゲーム作ってほしいですね。普及広がると思いますw
基本である囲いと駒の動きを覚えると、棋士の対局見ても面白くなりますね。

モモちゃんかわいいですよねw
あの子、一巻からだんだん背丈縮んできてて、幼稚園児に見えなくなってるんですがww
モモちゃんがアップで多く出るのは5巻だったかな。お菓子のアイデアを出す。あれは神回ですw
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2014/07/28 18:47
3月のライオン、持ってたんですが読むのが1巻で止まっていて…
蒼雪さんに触発されて、持ってる8巻ベッドサイドに置いて読み始めたはいいんですが……

やっぱり1巻で泣けちゃって泣けちゃって…なかなか進みません^_^;
ほんわりしたひとたちに囲まれて、元気そうに笑っている二階堂を見ると、もうそれだけで…
彼のモデルは村山聖さんだと思いますが、彼はネフローゼで苦しみながらも必死に将棋を愛したひとで、その壮絶な人生でこんなひとときはそうはなかっただろうと思うと……泣けてきてしまって…

なんか事情を知りすぎてるのもいかがなものかって感じですなあ^_^;
あれ、いろんな棋士が出てきますね

パニャーン!は最高でしたヽ(^ω^)ノ
あんな風に分かりやすく将棋を説明してくれるひとって、今までほとんどいなかったですもん(*^◯^*)
どうぶつしょうぎとか、オススメですよ♬
私は自作して遊んでました^_^

あとね、モモちゃんがすっごく好きです(o^-^o)
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2014/07/26 12:34
ウミコ先生は作品を通して、いじめ問題の答えを出してましたね。
学年主任の先生を通して、まっとうな心を育てられずに成長してしまったいじめっ子へも救済の手を差し伸べています。
いじめは暴力。れっきとした犯罪です。でも警察に訴えられずに暗黙に行われる私刑でもある。
ヒナが抱いていた、やった相手への憎悪、学年主任に「制裁は受けてしかるべき」と訴えた男性教師の言葉は、私達の心情でもあります。
子どもの表面しか見ず、「私はこの子を信じる」と言い切るモンペ親の立場さえも、先生は考えて描いていたでしょうね。
いじめには完全な正解はないと林田先生が言ってましたが、そのいくつもある答えの中でベストだと思うそれがあった。私もあの内容が、いじめ問題の一番正しい答えだと思います。
将棋に関係ない路線なので、賛否あるみたいですが。

ざくろさんが感動したシーン…わかります。泣けますよねぇ(/_;)
誰かを助けるつもりが、逆に助けられていたこと。
ヒナに接することで、零は過去の孤独な自分を救われていたんですね。
トラウマが昇華した、美しい場面です。

ざくろさんへの伝言板に、好きなキャラ選べないって書いちゃいましたが、このブログを書くときに、宗谷好きだなと気づきましたww
髪型と眼鏡とコンタクト、6巻にあったのとそっくりなフラッペを持たせましたが…まだ本物には程遠いです。零の格好をさせようと思ったんですが、ニコタの眼鏡は顔が怖くなるのが多いのでうまくいかず。

もちろん私も、二階堂も島田も大好きです。残念な会長や、松永7段の話も好きで。スミスと一砂コンビ、登山家棋士の櫻井、毒舌雷堂…面白いキャラいっぱいいますよね。全部あげたら3日は語り明かせそう。

二階堂は身体が弱いけれど、その分思いやりが深いですよね。
私の高校の同級生にも同じく腎臓に疾患のある男子がいました。とても優しいやつでした。
卒業以来会ってないけど、元気だろうか…。

島田の出身は山形県。一時期山形市に住んでいたので、親近感があります。
でも天童駅の「とおりゃんせ」は知らなかったなww
彼も相当の棋力なんですよね。実際プロの九段はすごいですよ。アマの名人位すら片手でひねりますから。
プロの名人って途方もない存在ですよね…。

グレーテルのかまど、このブログを書いた日にアンコール放送されてましたよ。見られましたかね?
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2014/07/26 12:01
ざくろさん、コメント感謝です。

なるほど、ハチクロからファンでした?
私は原作は読んでないけど、アニメは見ましたので、あれも好きな作品です。
(実写ドラマや映画はダメすぎたな…)
私ももっと早く手を付ければ良かったと、発売された単行本特典を見てくやしがっていますが、こればかりはタイミングですから。運命ですよね。

原画展行かれましたか。いいなあ、私も機会があったらぜひ見たいです。うちの県美に来ないかな。
3月、一話一話が濃いですよね。自分の書こうとするものを無駄なく仕上げてます。
絵を一枚描くのに苦労されているんだなということは、合間に入っているスケッチや、表紙絵のボツラフを見ていても伝わってきますね。
私は4巻と8巻の表紙が好きなのですが…これ一枚描くのにどれだけ時間がかかったのだろうと。
しかも手描きで。4巻は愛ネコ君に邪魔されて3回失敗したってありましたから、相当大変だったでしょうね。
でもその後を見せない、手抜きもしてない美しい絵です。

私の解説でうーん?ってww
あああ、なんか間違ったこと書いてましたかね?^^;
でもこの作品って、全部深いから全体的にまとめて感想を書くのが難しいですね。
零にしたって、義姉にあたる香子とのマゾ的依存心がゆがんだ恋愛感情に結びついていたりして、どろっとした部分もありますし。
一話一話、一人一人について語ると、相当なものです。心身削って描く、すべてを注ぎ込んでいるからこそですね。
担当の言うなりに、仕事だからと割り切ってやってるんじゃない。だからこちらも感動するんですね。


純粋な悪人はいない…そうなんですよね。かならずどこかでフォローがある。
いじめの話は真に迫ってましたね。ウィキによれば、先生の姪御さんがモデルとか。
私もいじめられた経験があるので、ヒナの怒る気持ちと、転校した友達のちほの身動き取れないつらさがよくわかります。
私はむしろちほ側だったので、ヒナが「怒る」ことには、まぶしささえ感じました。
いじめを受ける側は気が弱いので、怒れないんです。マンガでも先生が言ってましたが、「やられた時に嫌だと言えるかどうか」これがセーフティラインで、これが言えないと、ずるずる標的にされます。

ああ、書き切れないので分けますね。


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2014/07/25 13:22
↑宗谷コスっすね(^m^)
すっげぇ雰囲気でてるっす❤
アバター
2014/07/25 13:22
蒼雪さん、こんちわ!
三月のライオン、俺も大好きっす^^
羽海野さんは、前作から好きで、一巻からずっと追っかけて買ってるっすよ。
続刊を待って購入してる唯一のコミックかもしれないっす。
かなり前ですが、友人とイラスト展に行ったんっすが、一話のネームを仕上げるまでに、ものすごく練り込んで練り込んで、自分を削るようにして作品を仕上げてらっしゃるのが、ネームを作る過程の掲示物で読み取れて、改めてすごい漫画家さんだなと感動しました。
一緒に行った友人は、昔、なかよしでデビューしたことがある元漫画家なんっすけど、「ここまでできない。無理。すごい。」とやたら感動してたっす。

今回、蒼雪さんの解説を読んで、うんうん、とうなずいたり、うーん?と唸ったり。よく知っている話の解説を読むのって、新たに気付かされることがあったりで、興味深いっすね^^

この本の本質は、蒼雪さんも指摘してるとおり、「様々な人間が何かを取り戻していく、優しい物語」っていう惹句が一番よく表してると思うっす。
意地悪で身勝手なヤツ、と思っても、あとからそうじゃない一面が見えたり…。純粋な悪人っていないっすよね(いじめっ子の女の子はどうかと思うっすけど^^;)

二階堂とか零の先生とか島田八段も好きだし、あくの強い棋士の面々も魅力的っす^^
蒼雪さんは、宗谷が好きなんっすね~、なんかわかる気がするっす^^
あかり姉ちゃんをはじめとする三姉妹も素敵っすよね(//∇//) ごはんがいちいち美味そうで❤ あれ、飯テロ並みww 一時期、ツイッターで「あまやかしうどん」投稿するのが流行ってたっすよー! 寒い時期にくいてぇ❤

俺ね、ひなちゃんのいじめっ子とのエピソードがとても心に残ってて。
5巻で、零が過去を回想しながら「こんなにも時が過ぎた後で、まったく違う方向から、嵐のように救われることがある」てあのシーンで俺も一緒に救われたたような気がしたっすよ。(←いつ読んでも号泣)
友人に教職についてるやつが多いんで、そういう意味でも、いじめ問題に真っ向から取り組んだあのエピソードはいろいろ考えさせられたっす。

「グレーテルのかまど」のラムネの回、見逃したなー。残念;;
俺も、10巻心待ちにしてるっす。待つのも楽しみな作品があるっていうのは、幸せなことっすよね^^




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