法華経2
- カテゴリ:日記
- 2014/08/09 09:56:19
法華経(ほけきょう)(妙法(みょうほう)蓮華(れんげ)経(きょう))は8(8)巻(かん)28(28)品(ほん)(章(しょう))から成り立って(なりたって)います。天台(てんだい)大師(だいし)は、この28(28)品(ほん)のうち、前半(ぜんはん)14(14)品(ほん)(序品(じょぼん)第1(だい1)~安楽(あんらく)行品(ぎょうぼん)第14(だい14))を「迹門(しゃくもん)」、後半(こうはん)14(14)品(ほん)(従地涌出品(じゅうじゆじゅっぽん)第15(だい15)~普賢菩薩勧発品(ふげんぼさつかんぽっぼん)第28品(だい28ぼん))を「本門(ほんもん)」と分けまし(わけまし)た。
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迹門(しゃくもん)の中心(ちゅうしん)となる法理(ほうり)は、方便品(ほうべんぼん)第2(だい2)に説かれて(とかれて)いる諸法(しょほう)実相(じっそう)(=(=)本誌(ほんし)81(81)㌻(ぺーじ)参照(さんしょう))です。
比喩品(ひゆぼん)第3(だい3)から授学(じゅがく)無学人記品(むがくにんきほん)第9(だい9)までで最も(もっとも)強調(きょうちょう)されているのは二乗作仏(にじょうさぶつ)(二乗(にじょう)の成仏(じょうぶつ))です。
法華経(ほけきょう)以外(いがい)の諸(しょ)経(きょう)で明かされた(あかされた)声聞(しょうもん)・縁(えん)覚(がく)や菩薩(ぼさつ)の覚り(さとり)を得る(える)ための3(3)種(しゅ)の教え(おしえ)(三乗(さんじょう))は、法華経(ほけきょう)で明(あ)かされた成仏(じょうぶつ)のための教え(おしえ)(一乗(いちじょう))へ導く(みちびく)ための方便(ほうべん)であることが示されます(しめされます)(開三顕一(かいざんけんいち))。
法師品第10(ほっしほんだい10)からは、釈尊(しゃくそん)が亡くなった(なくなった)後(のち)の悪(あく)世(せ)において、法華経(ほけきょう)をだれが弘通(ぐつう)して人々(ひとびと)を救う(すくう)のか、というテーマ(てーま)のもとで展開(てんかい)していきます。
まず見(けん)宝塔品(ほうとうぼん)第11(だい11)で、7(7)種(しゅ)の宝(たから)で飾られた(かざられた)巨大(きょだい)な宝塔(ほうとう)が大地(だいち)から湧現(ゆげん)して空中(くうちゅう)に浮かびます(うかびます)。宝塔(ほうとう)の中(なか)にいた多宝(たほう)如来(にょらい)が、釈尊(しゃくそん)の法華経(ほけきょう)の説法(せっぽう)は真実(しんじつ)であることを保証(ほしょう)します(他方(たほう)の証明(しょうめい))。
続いて(つづいて)十方(じゅっぽう)の世界(せかい)、すなわち全宇宙(ぜんうちゅう)から、一切(いっさい)の仏(ほとけ)や菩薩(ぼさつ)が来集(こしゅう)します。
釈尊(しゃくそん)が宝塔(ほうとう)の中(なか)に入り(はいり)、多宝(たほう)如来(にょらい)と並んで(ならんで)座ります(すわります)(二仏(にぶつ)並座(びょうざ))。法華経(ほけきょう)の説法(せっぽう)の場(ば)である霊(りょう)鷲山(じゅせん)にいた聴衆(ちょうしゅう)も、仏(ほとけ)の神通力(じんつうりき)によって虚空(こくう)(空中(くうちゅう))に浮かび(うかび)、虚空(こくう)での説法(せっぽう)が始まります(はじまります)。
見(けん)宝塔品(ほうとうぼん)第11(だい11)から嘱累品22(22)までの12(12)本(ほん)では、虚空(こくう)での説法(せっぽう)が行われます(おこなわれます)が、これを「虚空会(こくうえ)」といいます。
これに対して(たいして)、法師品(ほっしほん)第10(だい10)以前(いぜん)と薬王菩薩本事品(やくおうぼさつほんじほん)第23(だい23)以後(いご)では、霊鷲山(りょうじゅせん)で説法(せっぽう)が行われます(おこなわれます)。それを前霊鷲山絵(ぜんりょうじゅせんえ)、後霊鷲山絵(ごりょうじゅせんえ)といいます。
霊(りょう)鷲山(じゅせん)と虚空(こくう)という二つ(ふたつ)の場所(ばしょ)で3(3)回(かい)の説法(せっぽう)の集まり(あつまり)があることから、「二処(にしょ)三会(さんえ)」といいます。
虚空会(こくうえ)で釈尊(しゃくそん)は、釈尊滅後(しゃくそんめつご)の悪(あく)世(せ)における法華経(ほけきょう)の弘通(ぐづう)を弟子(でし)たちに進めます(すすめます)。
その中(なか)でも、見(けん)宝塔品(ほうとうぼん)では六難九(ろくなんく)易(い)(=(=)86(86)㌻(ぺーじ)参照(さんしょう))を説いて(といて)、悪(あく)世(せ)に法(ほう)を弘通(ぐつう)することが、いかに困難(こんなん)であるかを示して(しめして)、滅後(めつご)悪(あく)世(せ)の弘通(ぐつう)を菩薩(ぼさつ)たちに進めて(すすめて)います。
提婆(だいば)達(だっ)多品(たほん)第12(だい12)では提婆(だいば)達(だっ)多(た)の成仏(じょうぶつ)と竜女(りゅうにょ)の成仏(じょうぶつ)が説かれ(とかれ)、悪人(あくにん)成仏(じょうぶつ)・女人(にょにん)成仏(じょうぶつ)が明かされます(あかされます)。
勧持品(かんじほん)第13(だい13)では、悪(あく)世(せ)の法華経(ほけきょう)を弘通(ぐつう)するものを迫害(はくがい)する三類(さんるい)の強敵(ごうてき)(=(=)86(86)㌻(ぺーじ)参照(さんしょう))を乗り越えて(のりこえて)弘教(ぐきょう)していくことを菩薩(ぼさつ)たちが誓います(ちかいます)。
しかし、従地涌出品(じゅうじゆじゅつぼん)第15(だい15)で、釈尊(しゃくそん)はそれを制止(せいし)し、滅後(めつご)弘通(ぐつう)の真(しん)の主体者(しゅたいしゃ)として無数(むすう)の久遠(くおん)からの弟子(でし)(地涌(じゆ)の菩薩(ぼさつ)=83㌻参照)を大地(だいち)の下方(かほう)から召し(めし)出だします(いだします)。