夜は短し歩けよ乙女
- カテゴリ:小説/詩
- 2014/08/14 03:12:45
読者諸賢、ごきげんよう。
皆さんは、本を読むのはお好きだろうか。
本と言っても芸能人のブログ本やラノベではない。
純然たる活字が織りなす、ほんものの文学を、である。
本を読まない人のおおむねの言い訳はこうだ。
文字の羅列を見ると息が詰まる
その意見、ごもっとも。
だがそれは書き手が悪いか、読み手の感性と合っていないかなので、本とはまことに、相性があると私も思うところだ。
文章の役目はおよそ2種類ある。
ひとつは、現実と相違ない架空世界を伝えるための手段であること。
文章はビデオカメラのごとく人物や風景を映し出し、読み手に仮想現実として迫るものだ。
ここではどんなに優れた文章も、世界を引き立たせる脇役に徹している。
そしてもうひとつは、文章自体が主役であるもの。
これは世界を伝えるよりも、文字や文章の妙を凝らすのに力をそそいだ系統だ。
独特の文体が多く、中身によっては難解で作者は変態ではないかと疑わせるものもあり、読み手を選んでしまう。
しかし、この「夜は短し歩けよ乙女」は、文章の持つ二つの役目を備えた稀有な作品である。
うだつのあがらない大学生である「私――以下“先輩”」と、彼が惚れている年下の黒髪の乙女こと「彼女」の一人称で交互に語られるこの小説は、最初から最後まで一文の無駄がなく、どこを切り取っても面白い。
そう、文章が実に実に面白いのだ。
主人公の「私」は、深い知性と教養を思わせる格調高い語り口で、われわれ読者に「彼女」といかにお近づきになったかを話してくれる。
対する「彼女」は、一昔前の教養ある女性の口調で、上品に、彼女の身に起こったさまざまな冒険を話す。
ふたりの語り口は、大正時代を思わせる、古き良き日本のお手本のような文体で、日本男児と撫子はかくあるべき、と、読む側も背筋が伸びるようだ。
それでいて、非情にばかばかしいことも大真面目に語られるのである。
それは冒頭の「おともだちパンチ」の説明からして明らかだ。
――たとえば手近な人間のほっぺたへ、やむを得ず鉄拳をお見舞いする必要が生じた時
(中略)、親指を土台として生まれた憎しみは燎原の火のように世界へ広がり
本文からの抜粋だが、この一文だけで作者の教養と、語りの巧さが分かると思う。
的確にして大仰、隙も無駄もない。
そして、一文で伝える出来事を多角的に見て、別の言葉に置き換える技術に優れている。
この本を読んだファンなら、「どの一文が好きですか?」との問いに、嬉々としてあれこれ答えるだろう。
私も好きな文章の数々を挙げていきたいところだが、行数に限りがあるので割愛させていただきたい。
だがあえて真っ先に挙げるとすれば、
――山をよじ登る樋口さんの浴衣の裾が大きく捲(めく)れてあわや猥褻と思われましたが
――薄暗い路地にて、下半身のただならぬ解放感にどぎまぎしていた私だ。
これは、第一章「夜は短し歩けよ乙女」で登場する一節だ。
一読しだたけで、作者の恐るべきセンスの良さに諸賢は気づかれることと思う。
わかりやすい言葉と、難しい熟語をあえて組み合わせていることが大きな特徴である。
2文目は、先輩が夜の街で、とある暴漢に襲われてズボンと下着を一瞬にして奪われた惨事にもかかわらず、悲観的な心理描写ではなく「下半身のただならぬ解放感」と、異様に前向きな書き方をしているところにおかしみが漂っている。
そして万事が、この調子で語られていくのである。
ひんぱんに切り替わる双方の視点のテンポも絶妙で、次へ次へとページをめくる手が止まらない。
読者はそこで、文章を読む面白さにすっかり取り込まれていることに気づくだろう。
ああ、本を読むってこんなに楽しいことだったんだ。
誰もがそう感じたことと思う。
私も何度でも、この作品を推して言いたい。
本を読むって楽しいことなんだよと。
この小説は、先輩と彼女が徐々に惹かれあっていく、純粋なラブコメディだ。
文庫の背中には恋愛ファンタジー、とある。
だが、ひとくくりにファンタジーと言うのももったいない気がする。
作品は、とても巧妙に現実と非現実が入り混じった構成と流れになっていて、第四章「魔風邪恋風邪」のラストの疾走感とカタストロフィは見事というほかはない。
これは小説でありながら、上質なコミックであり、アニメ映画のようである。
アニメをよく見る人は、この小説を読んで、昔観た幻想的なアニメ作品の数々を思い出したに違いない。
この小説の舞台は現代の京都市だが、現実にはあり得ないエピソードが数々ある。
錦鯉の養殖を営む東堂のいけすから、竜巻が鯉を全部吸い上げたとかは序の口で、第一章からいきなり、「自称天狗」樋口が酒の席でぷかぷか宙を浮くのである。
第二章では、京都市名物の古本市が舞台となるが、ここでは古本市の神と名乗る変わった美少年が登場する。
彼が本当に神様かどうかは明かされず、なんとなく読者はそれを信じる者あり、疑う者ありで、煙にまいたまま話は進行。少年は最終章で重要な役割を果たす。
第三章では、これといったファンタジー要素はないが、恋に重きを置いたメルヘンになっていて、主役である先輩と彼女が、お芝居とはいえ抱き合ってしまう展開がある。
ラブコメの王道たる気恥ずかしさに、読み手は思わず顔面を赤らめながらチラ見したとかしないとか。
だがこれで、先輩と彼女の距離がぐっと縮まるのである。
終章である第四章。
ここから、現実か非現実なのか分からなくなる、怒涛の展開が読者を魅了する。
京都市を凶暴な風邪が襲い、街の住人が次々倒れるという怪事件が発生。
先輩もその魔の手にかかるのだが、彼女だけは風邪をひかなかった。
RPGの勇者のごとく、彼女は入手した風邪の特効薬を手に、元凶たる人物のもとへ赴くのだが…。
先輩は長びく風邪に衰弱しかかりながら、彼女との関係を幾度も見つめ直し、葛藤する。
なんで俺は彼女が好きなんだろう?
憧れか、人並みになりたいのか、性の欲望ゆえか…。
夢と現を行ったり来たりしながら、彼は結局、ひとつの答えにたどり着く。
ひとりある身はなんとせう!
夢の中で、彼は一人ぼっちで夢二の詩の一節を叫ぶのである。
私はここで、危うく涙が出そうになり、咳払いでこらえねばならなかった。
誰だって一人ぼっちは嫌だ。
長い人生、傍らに大好きな人がいてくれたらどんなに幸せだろう。
誰だって恋をする。自分のダメさ加減を熟知していればいるほど、自分が相手にふさわしくないと思い込む。
先輩もその答えに行きつき、絶望した。だが、彼は行動を起こしたのだ。
大変くだらない妖術だが、彼女に会いたい一心で、彼は冬の夜空を飛ぶのである。
そして、竜巻にさらわれた彼女と夜空で再会し……。
ここから先は目の周りを指圧して、涙が出ぬよう分散させなければならなかった。
なぜなら私は衆目多き職場で、仕事の合間に読んでいたからである。
ずるいよ、こんな展開。だめだっつの!
作者を心ならずも罵倒しつつ、光に満ちたラストでは、心の中でスタンディングオベーションを送っていた。
恋が成就したその先を考えて、どうすればいいと不安になった先輩だが、待ち合わせ場所にやってきた彼女を見て、そんな迷いもふっきれる。
うらやましさより、祝福の想いが強かった。
そして先輩と彼女の物語から、私達読者が離れていかなければならない寂しさが募った。
誰かを思うことに、貴賤なし。
願わくばこのちっぽけな私にも、そのような伴侶が訪れんことを。
ありがとう、蒼雪さん!
おつきあいするのにそこまで覚悟が必要?と少し疑問に思ってたけれど、なるほど結婚を前提に考えていたんですね!
合点がいきました。
なるほどです。
人事を尽くして天命を「待て」。
きっとあのふたりなら、力を合わせて楽しく人生を歩んでいけそうです(*^◯^*)
愚痴言っちゃって、すみませんでした…☆
正直、かなり痛みも強くて…吐いたり…でもこういう痛いだのつらいだの言いたくないんだけれど…つらくて…
こんなこと言われても困るのもわかっているんだけど…
すみません…
そんなヘタレに優しい言葉をありがとう。
この辺を乗り切れれば、少し楽になれると思います^_^
がんばる元になる優しさを蒼雪さんにいただいたので、がんばりますね♬
なんだかうまく表現できなくてすみません☆
雷は、パワーを感じるから好きです。
もちろん被害があるといけないけれど…(>_<)
今日も一日に何度もゴロゴロいってました☆
ありのままでいいんですよ(´I `*)
って言われても、熱が出てるし、ずっと寝たままではゆううつになるし、たいくつもしますよね。
身体が病気と闘っている状態で、元気を出せとは酷なこと。
お見舞いする側も、それが分かっているからそれ以上言えないんです。
言われる側も相手の気持ちがわかるから、何も言えなくて。
だから「無理するな」は、お互いの距離を清く保つ言葉でもありますね。
干渉しすぎない、という意味で。
できること、とおっしゃる気持ち。誰かの、何かの役に立ちたい気持ちですよね。尊い心です。
たとえベッドにいる身でも、役に立っていないなんてことは全然ないですよ。
ハルさんがそこにいるだけで、いろんなことが救われているのです。
こうして私に会いに来てくれることも、いつも励まされているし、癒されています^^
…と、精神的なことはともかく、まずはハルさんが無聊を慰めることが第一の問題ですよねw
李白さんなら、こう言うんじゃないかな。
気のおもむくままに、あなたの思うように人生を楽しみなさい、と。
飲み比べのシーンで、李白さんが心で言いますよね。
ただ生きているだけでいい、楽しくお酒が飲めればいいじゃないかと。
あれは最大の愛、許しの言葉でした。ちょっと泣けました。
「彼女」って、全てを許す人ですよね。東堂に胸を揉まれても怒らないというww
そんな彼女が李白から受けたメッセージが、生きることを許されることでした。
小説のラストでも、先輩が覚悟をして彼女を受け入れようとしたのに対し、彼女は覚悟なしで、最初から全てを受け入れていましたね。男を可愛らしいと感じる、母性をもって。
小説の話に流れてしまいましたが、…現状を受け入れること、許すことが、人生が楽しくなる秘訣なんじゃないでしょうか。
ハルさんが、今やって楽しいと思うことをすればいいし、できないなら休んで眠ればいい。眠れないならいろいろ考えごとにふけるのもいい。
思いつめて泣きながら四角い空を見上げるのもいいでしょう。
過ぎればつらかったことも糧になりますよ^^
私はちょっと苦手です。光っているのはきれいだけど、落ちたらどこかに被害が出るんじゃないかと…。
こっちも先日どしゃぶりがあって、久々に雷連発を見ました。特に被害がなくてよかったです。
世の中は苦しいこと、楽しいこと半分半分ですよね。
どちらもあるから、この世の中。
どうしても悲惨な出来事の方ばかり見てしまいますけど、それだけじゃないのがこの世界です。
偽電気ブランは、本文によれば「特に味はないが花のような香りがする」酒。
果物のフレーバーがする水が売ってますが、あんな感じかな?
「飲み続けるとおなかに花畑ができるようで楽しい」とあって、酒が飲めない私でも、楽しい経験ができそうなお酒ですねw
ラストの先輩の言葉「人事を尽くして…」は、覚悟の表れなんです。
先輩は今まで彼女を欲しいと思い続けていましたが、近づくための行動はすれど、万が一成立した後のことまでは真剣に考えてなかった。
それは恋愛を遊びではなく、結婚を前提として考えていたともいえます。
だから、脳内会議であれこれ悩んだし、初デートの時に不安になったんです。
これから彼女を幸せにできるか、と、男として自信が持てなくなったんですね。
でも、自分が誰かを幸せにするなんて、ひとりよがりだと気づいたんです、彼は。
恋愛も結婚も、二人で築き上げていくもの。
二人の間に何かあったとしても、解決するために歩み寄ったり、行動しなくてはならないですよね。
けれど、自分だけが…と一人で背負った気になっていては、二人で分かち合うべきことを一人で背負うことになる。
その重荷に耐えられないことを彼は知っているから、彼女と恋人になれても先はないんじゃないかと考えたのですね。
しかし彼女が目の前に現れた時、この人となら、と思った。つらいことがあっても共有できる相手だと分かったんです。
だから彼は、自分のように不安に怯える私達~読者へ勇気づけたんです。
「人事を尽くして天命を待て」と。待つ、じゃないんです。待てなんです。
行動を起こせば、いつか希望は訪れるとね^^
夜は短し歩けよ乙女という言葉も、勇気と冒険心を忘れるなと言う意味でしょう。
現実に乙女が夜歩いたら危険ですが、一歩踏み出せば世界が開けるということを示したかったんでしょうね。
今ね、雨と雷がすごくて…^_^;
雷なんかは普段は大好きなんですが、あまりにもガラガラと轟いていて、今日はヘタレの豆腐メンタルなので響きすぎるというか……で、こんな感じになっているのです(笑)
⤵︎⤵︎⤵︎
( ・ω・ )(´・ω・ )(´;ω; )(´;д; )ふぇぇ…
いいこはねんねする深夜なのにね(笑)
でもこういう夜に、どこかで何か楽しい事件が起こっているのでしょうね♬
ああ、蒼雪さんもゲコゲコかえるさんなんですよね♬
でも、偽電気ブランは一度御相伴に預かってみたいですね꒰๑ˊᗜˋ๑꒱✩‧₊
どんな風味がするんだろう??
ごめんなさい、偶然がうれしくて、頼もしくて、ついまた書いてしまいました…
あんまり中身なくてお返事に困るかもなので、無理にお返事は書かなくてよいですよ〜♬
今は、私はここに来た時より少し満たされてるし…❀.(*´▽`*)ノ❀.
人事を尽くして天命を待つ。
そこまでは楽しいかもだけど、そのあとは…??
先輩のように、怖じ気づきます…
ああ、もう5日くらい眠ってばかりで、熱が上がったり下がったりなのですよ^_^;
だから、もうずーっとベッド。
電源切ったらひとり…
かわいいわんこちゃんがいるのがうらやましいです꒰ ♡´∀`♡ ꒱
友だちは無理しちゃダメよと言ってくれるけど、できることが何もない時はどうすればいいんだろう…?
李白さんにご相談できれば何か妙案が見つかるかな(๑・∀・๑)にゃはは♬
長々と、ほんとすみません☆m(_ _)m
よかった、楽しんでもらえて紹介したこちらも一安心ですw
そうそう、彼女と先輩が実に対照的ですよね。
彼女はくよくよしないけど、先輩は常に悩み苦しんでいて、でもどちらかに極端に肩入れすることを、読者はしないと思います。どちらも応援してしまう。
彼女の生き方はとてものびのびしていて良いですよね。
私はどちらかというと先輩側の人間ですから、まぶしささえ覚えました。
上戸の彼女と、下戸の先輩。こちらも対照的ですね。
私も酒が飲めず、味も嫌いなので、何杯も飲める人の腹と舌ってどうなってるんだろうと不思議でなりません。
カクテルは甘いからジュースみたいでおいしいとは思います。
彼女が李白さんと飲み比べた偽電気ブラン、とてもおいしそうでしたねw
小説のラストはしみじみと好きな部分です。
喫茶店で待ち合わせた時、お互いの視点で相手をどう思ったか書かれているんですが、男性と女性の心理が良く出てました。
これからこの2人が幸せに生きていくんだという思いでこちらも幸せな気持ちになるとは。
良くできた恋愛小説ですなww
体調が悪い時はどうしようもないですよ。安静が一番です。
私も具合が悪いと、読書はおろかゲームもネットもできませんから。
本はゆっくり読むものですから。マイペースでいきましょう^^
ひとりある身は…寂しいですよねぇ…。
ネットでいくら盛り上がっても、電源切れば一人。
傍に心を許せる誰かがいるという人は、幸せですね。(´ノω;`)
とってもおもしろかったです!!
ひらひらと華麗に物語を進んでゆく彼女と、孤軍奮闘している先輩…いつちゃんとふたりが「向き合える」のかハラハラし通しでしたが(笑)
彼女はダルマを首からかけたり、緋鯉を被ったり、そしてその出で立ちで校舎を駆け巡ったり……なんだか、高校時代の破天荒さを思い出しました(笑)
あんなに純粋で美しい魂ではなかったけれど、あんな風にあるがまま、人生を愉しめていたなあ…と懐かしい感じがします。
お酒は私は甘いのしか飲めないし、3杯まででアウトだったので(今はもう完全に無理です笑)、ウワバミで、どこまでもおいしくいただけるというのは羨ましい限り!
また、おいしそうに飲みますよね、彼女(笑)
これから、きっともっと楽しい出来事が増えていくんでしょうね♬
いつも楽しそうな彼女と、一生懸命な先輩は、とても合うと思います♬
とても愉快でおもしろかったのに、体調の悪さからかほんと、読むの進まなくて…
どうしてこんなに読めないのかと自分で不思議になるくらいでした(笑)
不調ってやだなー…
ひとりある身はなんとせう。
心細いものです…
私も古本の文庫で買いました。3月のライオンを大人買いするついでに(笑)
そうしたら、解説イラストが羽海野チカと来ている。どんだけ縁深いのかww
私は雑誌でこの本が本屋大賞2位と山本周五郎賞をとったのを知っていて、でも読むまいと決めつけていた本です。
だって京都が舞台だから。
あと、賞がどうのと言って売出し中の本は絶対買わない主義です。ハードカバーが文庫になるのを待ちます。
私も財布の中身に一抹の不安がある身なので。
京都に住んだ人は妙に京都に誇りを持っていて、京都イチバン!みたいな雰囲気が鼻持ちならず、京都以外他は認めないみたいな…閉鎖的なイメージを持っていました。
タイトルも、有名な「恋は短し…」のもじりだし、これだけでまあ、面白い作品だろうなと予感はしてましたけど、上記の理由で長年買わずじまい。
しかし、四畳半のアニメを観て、作者の恐るべき文章のセンスの良さを知り、いつか読んでみたくなりました。
文章で買おうと決めた本は、あとは十二国記くらいです。
(アニメの予告編で、景麒が原作の一節を朗読していたため)
この作品、読んでいてとても幸せな気持ちになりますよね。
4章構成で、四季になっているんですが…京都の季節感も伝わってくる。
ばかばかしくも面白い人物たちも飽きさせません。
先輩の格調高い語りも大好きですが、彼女の上品かつ可愛らしい言い回しも好きです。
こっぱみじんこに…とか、満腹ぷくぷく、など。
4章の一節、急ブレーキ効果は笑いました。風邪人のお見舞いに、卵酒をたらいにたくさん作ったくだりです。
本当に楽しい。間をおかず、2回も読み返した久々の作品です。
良い本に巡り合うと、とても幸せになりますね。2章で語られていますが。
…ああ、私も先輩と彼女みたいに、お互いに温かい気持ちになれる人がほしいなあ…。
あ、目から水がww
嗚呼、先輩! そして、黒髪の乙女!!
私は、文庫になってまもない頃に読んだのですが、まず本屋でタイトルを見て惹かれました。
わりと有名な「ゴンドラの唄」の歌いだし、「いのち短し 恋せよ乙女」を彷彿とさせる言葉の並びかた。
どんな内容なんだろう、と手にとって中身をぱらぱら……もう、冒頭でやられてしまいました。
そう、かの有名な「おともだちパンチ」のくだりです。
迷わずレジへと向かったのは、言うまでもありません。
蒼雪さんが仰るように、この作品は、文章が持つ2つの役目を両方とも備えていますね。
私も、これは読みだしたら止まらない一冊でした。
そして、読んでいる間は幸せなことに、頭の中で物語が上映されているみたいでした。
先輩も黒髪の乙女も、樋口さんや羽貫さんも、それからそれから……次々と現れる登場人物たちは、とても生き生きとした表情で、私の頭の中を駆け回るのです。
くるりくるりと、きらきらと。
ときには寂しげに、ときにはユーモラスに。
なんだか、また読みたくなってきました^^
本との相性ってありますね。
おなじ作家の作品でさえ、読むのに適したタイミングがあるような気もします。
まさに、本との巡り合わせは縁(えにし)によるもの。そう感じざるをえません。
世の中には、一生かかっても読みきれないほど多くの本があります。
そのなかで、読みたいと思えたものに出会うと嬉しいし、読んで面白いと本当に嬉しい。
あと何冊と出会えるかは分からないけれど、やっぱり、本を読むのは楽しいな。
本だけでなく、人との巡り合わせもそうですし、世の中のさまざまなものが、事の大小に関わらず、巡り合わせなのだなぁと感じます。
ですよね、本や作風の相性はあります。
私は時代小説がどうも苦手。堅苦しく、型にはまった文体が多いので、息が詰まります。
吉川英治はとても読みやすいですが。
これはどうやら様式美のようで、それを破って書いた冲方丁の「天地明察」は、ちょっとびっくりでした。
だからこそ本屋大賞も獲れたのだろうなと思います。
年齢やその時の気持ち、趣味趣向によって、自分が読める本は違ってきますから。
大きな賞を獲ったとか、おすすめされているから読むか、という気持ちより、自分が本当に読みたいと感じた書物を手に取るのが一番です。
もちろん、本を読まなくったって人生は楽しいもの。ご無理なさらず、名著に出会えますように^^
いえいえ、私の文章はいたって普通ですよ。むしろちょっと無駄があるかもしれない^^;
それにここはコメント欄ですし、どうかご遠慮なくw
この作品にも書かれてますけど、本の出会いは恋人と出会うようなもの。
どんな名著でも、読むタイミングというものがあるんですね。私もそれを実感します(恋の出会いはないけど!)
女性の人気が特に高い作品だとかで、それもうなずけます。
ファンタジーのみならず、恋愛ものとしても高い完成度です。といっても極端な恋愛描写があるわけじゃないのですが、そこがいい。
今なら古本でも安く買えるので、もし興味が出ましたらぜひ。とても読みやすいですよ^^
恋は行動してナンボですよね…。
私は気になる人が表れてもお見送りしてしまうので、いつも成就しませんww
作品の「先輩」は、妄想と後ろ向きの考え方の持ち主ですが、彼女に近づくべく行動だけはしていました。
だからこそ言える、「人事を尽くして天命を待て」
私もそんな勇気が欲しいものです…。
かるーい単行本ですけどね
確かに本との相性ってありますよね
もう活字から離れて随分になちゃって
文章を読んでも文字をなぞっててなかなか文章が入ってこない・・
年のせいにしたくなちゃいます
なんでも常日頃から親しんでおかないとだめですねぇ(´・ω・`)
ブログの話とは違ちゃっいましたねwww
でも書きたいから書きますね^_^
この本、以前どなたかに薦められたんだけども、本のタイトルがビミョーに覚えられなくて(笑)、いつしか忘れてしまってました。
文章を楽しめるって、すてきなことですが、楽しませてくれる作者さんって少ないですから…
今度外に出られそうな時には忘れずにチェックして来なきゃ。
私も読んでしあわせな気持ちになりたい^_^
でも、恋はなかなか実りませんね☆
蒼雪さんによい伴侶さんが現れますように…