負けない強さ
- カテゴリ:10代
- 2014/08/25 00:36:48
課題:剣道体験談
ぼくは、6年生になっても今一つ剣道の楽しさや、やりがいみたいなものがわかりません。それは、あまり勝負に勝てないからだと思います。
ぼくは4年生で剣道を始めました。胴着とはかまを着て竹刀を使うようになると、竹刀がすごく重くて、先輩たちは低学年の子でもこんな竹刀を持って、防具まで着けてあんなに動いているんだなと思い、驚きました。
面と小手を着けられるようになり、初めての防具組でのけい古・・・。面で前が見えにくく、小手で竹刀が振りにくく、何をしていいのかもわからず、とても不安でした。それに、正直ここまでしんどいとは思っていませんでした。でも、一緒に入った仲間も5人いたし、同級生も4人で心強く、何とかついて行っていました。
5年生になって防具にも慣れ、試合にも少し出られるようになり、このころはとても剣道が楽しいと感じていました。でもその反面、ぼくのせいで負ける試合も多くて、剣道がいやになることもありました。試合の相手はほとんど高学年で全然勝てず、自信もなく固まっていました。今でも時々、もし低学年から剣道を始めていたら少しは自信もつき、6年生の頃にはもっと剣道が好きになれたかなと思うことがあります。でも、道場連盟の県大会ではチームの力で3位になることができ、全国大会出場の権利をつかみました。
全国大会までのけい古はとても厳しく、苦しく、さらにやめたいと思いました。どうしてもけい古に行けなかったこともありました。でもなぜか、行けなくても家で「ふみこみ」の練習をしていました。母はずっと「逃げるな!」と言い続け、ぼくを道場に連れて行こうとしました。他のお母さんたちも色々話をしてくれて、ぼくは、ぼくがうずくまっている時もけい古を続けているみんなのことを思い出しました。県大会はぼくも入れて5人で出たし、勝てるか自信はないけど、ひとりで抜けたらみんなに悪いと思いました。ぼくは続けることを決心して、「やっぱり剣道がやりたいです。」と先生に言いに行きました。
全国大会は、基本の形のけい古もしてきて選手のつもりで東京に行きました。でも、当日の朝補欠だということがわかり、自分に力がないことはわかっていたけどとても悲しかったです。でも、すぐ近くでみんなを応えんし、優勝しました。その瞬間はうれしかったけど、一緒に金メダルをもらってもうれしさは半分でした。
そして5年生の終わりごろ、同級生たちがぬけてぼくひとりになってしまいとても心細くなりました。それでも、一度決めたから自分はやめずに続けるぞと思いました。
6年生になると、他チームの人たちと一緒に試合に出ることが多くなりました。他の選手たちはみんな強く、ぼくも少しずつ「負け」はなくなっていったので、道場連盟の県大会では優勝することができました。勝負は「勝つ」ことが一番だけど、「負けない」ことは少しぼくの自信になりました。
全国大会まではけい古も厳しく、遊んでいる友だちを見るとうらやましくなったりしたけど、道場に入ると「絶対、全国大会の選手になる。」という気持ちで、しんどいなんて思っているひまもありませんでした。全国大会は「絶対勝つ。」という気持ちでしたが、これで最後なのに自分もチームも一回戦で負けてしまい、ぼくは生まれて初めて悔しくて泣きました。
先生はよく「日本一になるためには日本一のけい古をしなければならない。日本一のけい古をしたからといって、日本一になれるとは限らない。しかし、やらなければ日本一になれないことだけは確かだ。」と言われます。母は、それは剣道だけではなく何でも同じだと言います。剣道を続けていなければ、「負けない」自分にはなれなかった。まだあまり勝ちはないけど、やらなければ負けてばかりのままだったと思います。だからぼくは、最後まであきらめず、投げ出さず、けい古をやりぬこうと思います。