(改ざんVer.@@;)剣道体験談
- カテゴリ:10代
- 2014/09/10 19:32:23
剣道体験談
〇〇〇〇〇〇〇会 6年 〇〇 〇〇
僕は小学4年の6月、家のポストに少年剣士募集のチラシが入っていて、珍しいからやってみたら、と母にすすめられ、気軽な気持ちで剣道体験に参加しました。何度かの体験の後、「自分でもできるかなぁ。」と思い、〇〇〇〇〇〇〇会に入会しました。
5年生になると錬成試合や大会に行くようになりましたが、始めて一年にもならない僕の剣道は全く通用せず勝つことはありませんでした。一年生から始めた友達は、勝って優勝したりと楽しそうでしたが、ぼくは「剣道って何だろう」といつも疑問に思っていました。先生は、一生懸命やっていれば絶対勝てるようになると励ましてくださっていました。
5年の夏休み、読書感想文を書くため「片腕の少年剣士」という本を読みました。
主人公の森政文という少年が、電動カッターに巻き込まれ左腕を失い、右腕だけの不自由な生活になるところから始まります。
政文は小学1年生の春、剣道を習っている兄を見て、自分もやってみたいと思い、両親と道場の先生に相談します。左腕のひじから下がない政文を見て、先生はなかなか「はい」と言ってくれません。しかし、最後には政文の熱心な気持ちが伝わったのか「どれだけできるかわからないけど一緒に頑張りましょう。」と入会を許してくれました。後でわかるのですが、先生も薬アレルギーで全身マヒになり、リハビリで何とか普通の生活ができるまでに回復した経験があり、政文のことも応援してくれたのかなぁと僕は感じました。
政文はどんなことでも先生を信じ、右腕を強くするためサイダーびんに砂をつめ一日三百回振る、百段の石段を竹刀を振りながらうさぎ跳びなど、苦しい努力をします。雪が降り、寒さで凍りつく冬の日も、頭はふらつき、目もくらむような暑い夏の日も、ひたすらけい古を重ねます。先生に押され、竹刀ははじき飛ばされ、それを必死に右手で拾い、握りしめ向かっていく毎日。右腕しかない政文には本当に死にもの狂いのけい古でした。誰よりも早く打てるよう、竹刀の持ち方や上段の構えも工夫し、けい古にけい古を重ねて、6年生でついに日本武道館の「全日本選抜少年剣道錬成大会個人戦」で見事優勝するのです。
僕はこの本を読んで、「努力」「必死とはどういうことか」を学びました。そして、たくさんの勇気と感動をもらいました。僕も政文みたいに頑張って努力すれば、絶対に勝てるようになると思えるようになりました。
僕の先生は今年七四歳です。昨年三月、がんという病気にかかり、入院手術、その後も抗がん剤治療のため入退院をくり返していました。先生は、家にいる時は必ず道場で僕たちに剣道の指導をしてくださいます。その中で、「先生は抗がん剤という薬を三度打ち、あとは自分でがんと戦い、自分で治す。」と言われ、今も自分の力でがんと戦っているそうです。
僕の母は看護師をしていて、がんという病気のことも色々話してくれますが、「先生は剣道で身体が強いし、心も強いからがんに負けないんだろうね。」と言います。
僕は試合で負けたり、選手に選ばれなかった時悔しくて、けい古がいやになることがあります。そんな時、政文や先生のことを思い出します。
先生は「日本一番になりたければ、日本一番のけい古をしなければならない。しかし、日本一番のけい古をしたからと言って、必ず日本一番になれるとは限らない。だが、日本一番のけい古をしなければ絶対に、日本一番になれないことだけは確かだ。」と言われます。母とそのことを話すと、それは剣道だけでなく何をするときも同じだと言います。
僕は、政文や先生のように「自分に負けない心の強い人間」になるため、最後まであきらめず、投げ出さず、剣道を続けたいと思います。そして、いつかきっと自分だけのきれいな花をさかせるため、今日も道場に行きます。