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バラ


 ゴミタは無名の若い絵描きだった。
彼の描く絵はまったく売れず貧しい生活を送っていた。
生活が貧しいと描く題材も暗くなるのか、月と薄という日本的な夜の風景ばかりを好んで描いていた。
彼の描く満月の光に照らされた枯れススキの原は、人生に負けた人間達が月夜にうな垂れ歩く姿を描いている感じのする絵で、まるで彼の人生そのものを描いているかのようだった。
ある夜、彼の元を訪れた老婆がいた。
老婆は若い時スペイン舞踊を勉強をしていて、その時に出会った今は亡き恋人とゴミタが似ているを知り彼の元を訪れたのだ。

「こんばんは。やぶにおじゃまします。ゴミタ画伯の御住まいはこちらでよろしいでしょうか?」
ゴミタは初めて絵を依頼された女性客の訪問を歓迎した。
「いらっしゃいませ。お待ちしておりました」
女性客は若いと思っていたゴミタは目の前の老婆の姿に驚きを隠せなかったが平静をよそった。
「どうも初めまして。昔舞踊家だった小耳でございます。この度は私のダンス姿を描いてもらうために訪問させて頂きました。若い時の写真をお持ちしたのでこれを参考に、若い姿の私を描いていただけますか」
「まぁ、詳しい話は内で聞きましょう。こんな人里離れた山の中までわざわざどうもです。さぁ、お入り下さい」
ゴミタは客を家の内に招いた。

 ゴミタは山里の一件家の古い農家後のぼろ家に住んでいた。
家の回りの田んぼにはゴミタが植えたススキが茂って一面ススキの野原になっていた。

「ずいぶんと寂しい場所にお住まいになっているのですね。お独りでお住まいなのですか?」
「はい、独り住まいです。とてもアトリエなんて言えませんが。昔、落ち武者が山の谷間の田畑を耕してこの場所で生活をしていたみたいです。その村の山仕事用の小屋がこの家みたいです。過疎で村の人が減り誰も使わなくなってほってあったのをちょとお借りしています。そんなことより早く仕事をすませましょう。小耳さんが帰れなくなります」
「はい。今日お訪ねしたのは私の若い時の自画像を先生に描いてもらいたくてお訪ねしました。昼間、お訪ねすればいいのですが、年を取るとどうも太陽が苦手でこんなご迷惑な時間にお邪魔しました。決してお化けではありませんので安心して下さい」
そう言って、老婆が微笑んだ。



#日記広場:自作小説

アバター
2014/09/23 03:41
ごぶさたしてます。バラと言うタイトルなので拝見に参りました。
読んでみて、「これはこの先どんな展開になるのか(バラがどんな形で絡んでくるのか)」と想像が膨らまされました。(^0^)
アバター
2014/09/19 21:52
つづきものでしたか。吸血鬼で画伯の血を吸うと見目麗しの美女となり
眷属になった画伯と仲睦まじくくらしましたとさ
いや、自画像が謎のままだ、そこのオチは。などとぶつぶついうスイーツランド人でありました……

きばらず、次話が今月中に片付かないときは
来月のキーワードを適当に1語作中に放り込んで
今月は今月、来月は来月としてだしてみてください



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