近所できのこ狩り
- カテゴリ:日記
- 2014/09/29 16:29:09
今年も親父がきのこを取ってきた。
といっても、山へ踏み入ったのではない。家の近所である。
近くには空き地のような場所があるのだが、その草むらで群生していたという。
傘の直径はおよそ3~4センチほどの、茶色い大きなシメジのような、茎の細いきのこだ。
親父はカックイと呼んでいた。
最初にそれを取ってきたのは、去年のことだった。
袋に大量に詰めてきたそれを、私は本当に食べられるかどうか怪しんだ。
すると親父は胸を張ってこう言った。
「去年(おととし)、(よその)ばあさんが同じところできのこを一生懸命取っていた。だから食える」
う、正論…なのか。人生経験と同じくらい食の知識も豊富なご老人が食べられると踏んで採取していたのなら、無害なきのこなのだろう。
しかし、親父はこうも言った。
「ことし(去年)は、そのばあさんの姿見てないんだよな」
…大丈夫だろうか…。
まさかおばあさんはきのこに当たって――?
などと不謹慎な考えがよぎったが、親父はしきりに「大丈夫大丈夫」と繰り返し、下処理をしていた。
今までも、どこからともなく取ってきたカックイらしききのこを食したことはあったが、幸い当たらずにすんだ。
ということは、それはカックイだったのであるが、かといって、毎年安心して食べるのも怖い。それが、店売りではない、野に生えるきのこである。
またしても幸い(?)なことに、今年もそれを食べたが、腹を下すことはなかった。
そもそもカックイってなんだろうと調べたら、ナラタケとのこと。
枯死した樹木の根っこなどから発生するとのことで、こちらも、切り倒された大木の切り株周辺から発生していた。
数年前までは見かけなかったのに、どこから胞子が飛んできたやら…。
私の中でレジェンドになっているのは、秋田の父の実家の話である。
朝、庭に出たら、なんのごほうびか、一面にカックイが生えていたという。
叔父叔母は狂喜し、タダで生えてきたカックイを根こそぎ収穫したそうだ。
まるで日本昔話のような光景である。
家の前を通ったトラックから胞子が飛び散ったのだろうと推測はなされたが、大発生はその年のみで、後の事はついぞ聞かない。
カックイはくせがなく、コリコリとした食感で、煮物やみそ汁などに合う。
親父は醤油で煮込んで大根おろしとあえ、なめたけを作った。
きのこは寄生植物である以上、滋養がなくなった来年あたりで収穫は終わるのだろう。
今では我らの採取ポイントになったそこを通りがかるたびに、私は最初にそこを見つけたおばあさんを思い出す。
何か食べられるものが生えていないかと、常に地面に注意を向けていたからこそ発見できたことで、その根性、もとい、たくましさに感心するのである。
姿が見えなくなったとのことだが、どこかで元気にしていてもらいたい。
…と、良い感じで締めようとしたら、意外なオチが。
「お前何勘違いしてるんだ。カックイじゃなくて、これはハタケシメジ!」
(*゚Д゚*)ェ…??
いや、違うだろ!
写真見比べたけど、色が全然ハタケシメジじゃないよ?
ハタケシメジは白っぽいけど、ナラタケは茶色いし。
と思ってさらに検索したら、…茶色いハタケシメジの写真もありました。
読者のみなさんごめんなさい。
ナラタケじゃなくてハタケシメジでした(笑)
ああ、そうでしたね~!だから叔父の家は全滅したのか^^;
ちなみに親父は、去年も今年もある程度残して取ってきてます。
あ、去年は私もそのポイントで取りましたが、やっぱり残しましたよ。
一度でも山菜取りをした人間なら覚えておきたい常識です。
それでも去年はちょっと取りすぎたのか、他の人ももしかしたら採取してしまったのか…今年の分は生息数が少なかったです。う~ん、やりすぎたか?今年は私は手をつけていないんですが。来年も生えてきてほしいです。
そうそう、野良きのこは、初めての人は必ず熟練者者同伴で。本だけ当てにしたらだめです。
一応、親父はきのこ取りの経験がある程度ありますから、大丈夫といえましょう。
とはいえ、いつも「これ大丈夫?大丈夫?」としつこく尋ねて、自分でも調べてから食していますけどねww
確か、キノコは根こそぎとったら駄目だったような?
次もまた成長するように、少し残すことが大事って、読んだ覚えがあるっす。
父上、いい味出してるっすね~^^
でも、俺は野のきのことかはちょっと怖いかも~^^;
そうです、そのおばあさんはまったくの他人です。近所に住んでいたのでしょう。
よく周辺を散歩しているご老人たちがおりますが、大体顔覚えますけど、そのおばあさんはきっと、散歩が趣味というより、根っからの(言葉は悪いけど)田舎の人っぽい。
わりとのどかな土地なので、畑仕事はやってないけど、そういう人は多いようです。
今の人はやらないけど、このくらいの年代の方々は昔ながらの習慣というか、趣味というか、野草などを摘んでいったりします。
銀杏落ちてれば拾いますし。だから、この採取ポイントも発見できたんですね。
その人も、おそらく何かの事情で土地を離れたのだと思います。たぶん。
親父がきのこを採るのは初めてではないです。田舎育ちでしたから、山菜などの知識はけっこうありますし、毎年春になると山に行って取ってきますし。
カックイやハタケシメジの判別もついていたので、だから、ある意味根拠のない「だから食える」発言もできたのだろうとww
他の人は真似したらいけません!^^;
叔父の家のカックイ…じゃなくてハタケシメジ一斉発生は、本当に、ちょっと信じられない話…かと思いきや、私も似たようなのを見てますから。
雨あがりの翌日、やはり同じ空き地で、何かのきのこがどっさり生えていたのを見たことがあります。
眠っていた胞子がいきなり発芽するんでしょうかね。
私はきのこ生えているとじっくり見てしまうんですよ。たくさん生えていたら、面白がります。
近所でベニテングタケを発見したときは、色の鮮やかさに「ほほう」と思いました。
って、かなり自然豊富ですね、私の環境はww
うーん、土の入れ替えかあ、確かに叔父の家は兼業農家で、庭の木も立派ですが、土の入れ替えまではめったにしないと思います。
だから叔父も首をひねっていたそうです。
木の根っこにまいた肥料に胞子が混じっていたとか?通りすがりの車などから胞子が…など、推測のまま終わりました。
ともかくは、食べられるきのこで良かったですよ。
あちらもいろいろ苦労していましたから、ご先祖様が本当にご褒美をくださったのかもしれませんw
うん、私も書いた後で親父にカックイだよね?と一応確認したら、ハタケシメジとのことでした。なんてこった。
ちょっと恥ずかしいですが、こんな感じで訂正しました。
それくらい似ています。どこが?と、ベテランの方には鼻で笑われそうですが、似ています(笑)
こんなですから、ましてや食用と毒の区別なんてつきにくいですよね。
ごくまれにですが、ワライタケやツキヨタケを間違って食べた人のニュースも出たりしますし。
ネットや本だけでは判断つきにくいです。実物見た私でさえこうなんですから^^;
いえいえ、父は実家を離れて長いですから。庭のおくりものを食べたのは叔父一家です。
ちなみにきのこは痛みやすいので、ブツを送ってきたりはしませんでしたww
父も現場を見ておらず、話を聞いただけだそうですが、やはり耳を疑ったそうです。そりゃそうだ。
さらに付け加えるなら、生えてきたのはカックイじゃなくてハタケシメジでありましょう(笑)
カックイは枯れた木に生えやすいですが、ハタケシメジは地面に生えますから。
正論っちゃ正論なんだけどさ
言い方からして、そのおばあさんは知り合いって訳でもないんですよね・・・
「だから食える!」いいわぁ 個人的に名言指定です
私も (他人から見たら) なんの根拠にもなってない状況で胸張って言ってみたいです
庭の一面にキノコってのは 逆に怖そうですけどね^^;
なんっつうか アイツら、ホントにキノコキノコした外見のキノコですし
さほど強い方の菌でもないみたいですし 単に胞子が飛んできただけでは、大繁殖もなかったでしょう
調べてみたら、「夏季に崩落した斜面など新しい土壌において繁殖することがある」らしいです
しっかりとお庭の手入れをされて土地を大事にしていたんでしょうか
それなら本当にご褒美だったのかもですなぁ
まさに日本昔話のような話です
素人には野生のキノコとか、判別できませんよね^_^;
そして怖くて食べられない:;(∩´﹏`∩);:
おばあちゃん、お元気ならいいのにな…
蒼雪さんのお父さんのお庭いっぱいのキノコの話はすごいですな〜!
旧約聖書のなかでマナという万能食がそこらに降ってきた話を思い出しましたよ。
そんなミラクル、すごすぎです!
ほんまもんのレジェンドですね〜!
お父さん、キノコの神様に愛されているのでは(*´艸`)
うんうん、詳しい人でも間違うことありますからね。
図鑑調べても自信がないときは、むやみに取って食べない方が無難ですww
でもやってみると楽しいですよ。どんどん集めたくなります。なんであんなに楽しいんだろう…。
山菜ハンターがいなくならないわけです^^;
やってみたいけど、コワいです( ´艸`)ムププ