腐ったリンゴが私の部署に所属して、心身ダメージを受けている蒼雪です。
詳細はお友達限定ブログに記載しましたが、ご存じない方も、腐ったリンゴが職場に、という時点で、何が起こっているかはお察しいただけると思います。

今回は全体公開ブログにいたしました。これを読んだ人が、何かの励みになってくれればと思ったからです。


さて、現状報告ですが、その前にこんなことがありました。昨日のことです。

私の仕事は夜勤なので、夕方から出社します。会社のロビーでエレベーターに乗ろうとしたら、先に、小柄なお爺さんがエレベーターが降りてくるのを待っていました。
私の会社は上階にイベントホールがあるので、この時間ですし、孫か誰かを迎えに来たのだろうと思われます。

やがて扉が開いて、私とお爺さんは乗り込みました。
お爺さんは、私が押した階を見て、急に話しかけてきたのです。
「これから遅くまで勤務ですか？」
私が「あ、はい」と答えると、ああ～、とひどく感嘆されて、大きくうなずかれました。
そしてニコニコしながら、こうおっしゃったのです。
「それはそれは、いつも大変ですね。ありがとうございます」

「あ、いえいえ。こちらこそ（本社をごひいきにして頂き）ありがとうございます」と、私はとっさに応えました。
ちょうど私の降りる階になり、扉が開いてしまったので、挨拶もそこそこに降りなければならなかったので、お爺さんとはそれきりでしたが、降りた後はっとしたのです。

人は皆、誰かのために存在しているのだ、と。

自分が気づきもしないでやった何げないこと、それが見えない采配で救いの手を差し伸べてくる。
お爺さんにとってその行為は、深い思いやりから来る言葉に過ぎなくても、私にとっては、生きる勇気と癒やしになったのです。


その日の業務で、休憩時間に私は先輩と、腐ったリンゴ（以降、奴）と私の窮状について話し合いました。
先輩は、奴の逆ギレを受けたとばっちりの原因は蒼雪にあると、まず言いました。
マニュアル作成して、前もって渡せばこんなことにはならなかった、と。
しかし私は、確かにそれは渡さなかったが、誠意をもって奴に仕事を教えたこと、奴の言い分が百パーセント正しくないこと。それだけは信じてほしい、と訴えました。
私は興奮すると早口になるクセがあるので、かなり聴き取らせるのに苦労させてしまいましたが＾＾；

何度もつっかえながらですが、私は先輩に、奴の逆ギレ事件の後から体調がおかしくなってしまったこと、チーム長も怒った書類紛失事件を話しました。
書類事件を知って、さすがに「まだ新人だから改善の余地がある」と言っていた先輩も深刻な顔つきになりました。
「あなた、（逆ギレ事件の後）公休だったでしょ。だから私、（あなたの代わりに）また一からあの人に教えたの。それなのに…？」

そういうことです…。私はうなずきました。書類事件の時、あれほどチーム長が怒った顔をしていたのは、そのためだったのでしょう。
彼は異常なほど飲みこみが悪い。
そして、それに対する自己申告と謝罪が、彼が雇用されてから一度もなかったことを、私はありのままに先輩に伝えました。
この半月でこうなのだから、これから先改善するみこみは、まずないこと。
逆ギレも無断で行動することも、今後さらに起こり得るだろうことも。

それまで楽観的に構えていた先輩は、困り顔で頭を抱えました。
「あなたが体調を崩すほど思いつめていたなんて知らなかった。もっと早く言ってくれれば…」
いや、体調不良は逆ギレ事件の後に発生したものです。あれが起こるまでは、私も、「なんて出来ない奴だろう」と、彼の後始末をいらつきながら処理しても、体調を崩すほどではありませんでした。

ただ、私に対する事実をねつ造した挙句おのれを正当化し、口論をふっかけてくる相手とこれから先も働かなければならない、と知った瞬間、身体が拒絶反応を起こしたようです。

深刻な人手不足で、頭数だけでもいてくれないと困る状態なのと、「まだ新人」なので会社はすぐに首にはしない、と先輩は言いました。もちろんそれは私もわかっている、とうなずきました。でも私は食い下がりました。

「今すぐ変えられないのは分かっている。人事権は上司と会社だから、バイトの我々が口出しはできない。でも、このままでは繁忙期に彼に仕事を任せることは不可能だ。それでもせめて、上に現状を報告することはしないとダメだ。いつまでも彼の不祥事の尻拭いをしていては、我々のためにもならない」

この意見に、繁忙期の大変さを知っている先輩も、確かにと同意しました。
そして、とりあえず奴を除くシフトの時に、今のチーム（私も含めて３人しかいない）で話し合い、可能なら上司にも報告しよう、と。

話が終わった後、先輩は私の体調不良をとても気遣ってくれました。
言葉を尽くせば、理解は得られるのだと改めて感じました。
そして、物事がまた、一段階進んだことを実感したのです。


奴が来てから、面倒なことばかり次々と立ちふさがります。
でも、半日潰してマニュアル作成をしていた時、私は不思議とわくわくもしていました。
作るのに時間はかかったけど、書く作業は大好きだし、これを渡して奴が仕事を覚えることも全く期待していなかったけれど、そうすることで進んでいく事態の経過を楽しみにしていたからでした。

先輩との話し合いも、「嫌だな」じゃなく、早く話し合いたくて仕方なかった。悪口を楽しみたいということじゃなく、とても前向きな気持ちだったのです。

身体は病気みたいになってしまったけど、気持ちは今もわくわくしています。困難を、一つ一つ乗り越えるのが楽しいみたいです。

なぜ、そう考えられるのか。普通なら、嫌な人がいる時点で出社拒否に陥るのが当然、気力もなくしますよね。
でも、奴が来てから、私はこう考えていました。
「また新しい問題が来たな…。でもこれは、自分が成長するための神様のテストなんだ」

これまで、小さなストレスや問題が、段階を踏んで難度を変え、私の前に来るのを実感していました。私は自分なりに、それを乗り越えてきました。

そして今回、奴の入社で、大きな変革が訪れようとしています。
まず、トラブルが起こったことで、かえって私や先輩、チーム長との信頼が深まったこと。
奴の手本となるために、私が仕事を以前より頑張るようになったこと。

トラブルの種が、逆に何かを育てています。
なぜ会社がそいつを雇ったのか理解に苦しむ、そんな人が、見えない存在から何かを変えるためにこちらに遣わされてきた。
今の私には、そう信じられてなりません。そして、いろんな人、通りすがりのお爺さんですら、私を助けるために存在しているのだと。

人生相談のプロ（笑）である、蒼雪妹にそのことを話したら、うなずいてこう言いました。
「感謝の気持ちを忘れないで、自分にできることを精いっぱいやる。そのことが、少しずつ状況を変えていくんだよ」

この記事を読んだ皆さんへ。
人は、自分がそうあろうとする限り、見捨てられるものではありません。
自ら立ち上がろうとする人には、必ず手が差し伸べられる。
今立ち止まっている人も、自分や支えてくれる人を信じて、頑張ってほしいです。