見えない紹介状
- カテゴリ:小説/詩
- 2015/01/19 14:23:17
カテゴリは小説/詩ですが、本のお話です。読書カテ、作ってほしいなぁ。いまさらだけど。
少し前ですが、内田百閒の作品を読んでみたいと思い、書店に行きました。
「第一阿房列車」にしようと思っていたんだけど、なぜかレジに持って行ったのは「百鬼園随筆」。
まあ何でもよかったので、読んでみたんですが。
稀代の名文家とのことですが、普通に読めてしまった^^;
でも当時は大ヒットしたらしい。近代エッセイの先駆けのような作品だったのかな。
人間観察もさることながら、その時代の人々の生活ぶりがよく分かるものでした。
本の末尾にある解説を読んでいたら、川端康成が内田の家を訪ねた話がちらりと。
それを読んでちょっとびっくり。
百鬼園随筆と合わせて、川端の「掌の小説」も買っていたからです。
まるで見えない紹介状だな、と思いました。
本を読んで、そこからまた別の本や作者を紹介されるような現象、ありませんか。
上橋菜穂子の「明日はいずこの空の下」を読んで、本文中に紹介されていた、ローズマリー・サトクリフの「第九軍団のワシ」「ケルトとローマの息子」をほどなくして買いました。
で、さっきアマゾンで上橋の作品名(「明日は…」の次なんだっけとど忘れしたので)を検索していたら、新作「鹿の王」上下があるじゃないですか。
あらすじをざっと読んだら、古代ローマ帝国をモチーフとしたお話らしい。
作品の舞台はフィクションのアジアなんですけども。
帝国、岩塩抗という名前が出ていたので、ハッとしました。
つい先日、「ケルトとローマの息子」を読み終えたばかりなのですが、その作品も、ローマ帝国と古代ブリテン島が舞台でした。
主人公のベリックという少年は、赤ん坊のころローマの船が難破して奇跡的に助かり、ケルト民族に拾われたのですが、狩猟をなりわいとし、因習に縛られて暮らしている彼らに何かとよそ者扱いをされ、村に疫病が流行ったのをきっかけに、よそものだから災いを招いたのだと言われて、村を追いだされてしまいます。
なげき悲しみながら、自分の本来の血脈があるローマに居場所を求めて旅立つのですが、だまされて奴隷に売り飛ばされてしまいます。
買われたその家でさまざまな出会いがありましたが、その中でも当主の息子がすごく嫌な奴で、そいつから逃げた先で盗賊団の出入りに居合わせてしまい、ローマに連れ戻されて裁判にかけられ、今度はガレー船送りになってしまうのです。
そこまでのくだりで、ベリックが思う場面があります。
「岩塩抗送りだけは絶対に嫌だ。あそこには死しかない」
そのくらい、ひどい場所だったようです。
かといってガレー船も似たり寄ったり。陸の地獄か、海の地獄か、というくらいの比較しかありませんが…。
岩塩抗、という共通のキーワード。作品から作品へ。
不思議なつながりを感じました。
ともかく、鹿の王がサトクリフ作品からの強いインスパイアから得られたものは確かです。
アマゾンで上橋先生が紹介されている映像では、ウイルスがキーワードだと話されておりますが。
実際、上橋先生も「明日は~」の中で、サトクリフに強い影響を与えられたと書かれております。
そんなわけで、新たに紹介状を手にしました。
「鹿の王」
書店にまたゆくことがあったら、手に取りたいと思います。文庫まで待てないぜ。
でしたか、それは何よりでした^^
私も、上橋先生のは面白くないはずがないと信じているので、期待している作品です。
読んだら感想書きますね。楽しみにしていてくださいw
私の街の本屋も、さほど良いとは言い切れず。だから基本ネットで買ってます。
大きな本屋に行くと何でも買ってしまう、というコメント、私も経験があります。
子どもの頃北海道の道北地方に住んでいたことがあるんですが、そこは小さい街だったので、本の在庫はもとより、発売日にも届かないありさまでした。
なので、家族で旭川に行くのが楽しみで…w
旭川は都会ですから。日頃のおこづかいを、デパートの本売り場で盛大に使って、当時貴重だったドラクエの小説とか買いました。帰りの車の中でドキドキしながら読んだなぁ。
そんな思い出もあって、ドラクエ小説など、当時買った本は今も大事にしまっています^^
ハードカバー本は高いけれど、その分当たりに巡り合うと、お宝を掘り当てたようで嬉しいですねw
蒼雪さんもお楽しみに(笑)。
はやくブックオフか図書館に並ぶといいですね。そして気が向かれましたらまた感想ブログを!
……と待っている一読者の追伸でした❤
わたしの町にはちゃんとした本屋さんがないので、『明日~』はまだ入手できていないんです。
でもだからかなぁ、たまに大きな本屋さんに行くとハードカバーでも考えずに買ってしまうかも。むしろ文庫よりお宝感があるんですよ。持ってると手が痛いけれど(笑)。
ふふふ、これぞまさに求めていたもの! と、にやりしてしまうような精神状態になります。大きな街の大型書店は危険に満ちた魅惑のダンジョンです。
電子かぁ、私はスマホもタブレットも所持していないので、読むとしたらデスクトップのPCになります。
電子の方が断然安いんですけどね。机にずっと座っているのはしんどいので、電子は利用していません^^;
本は紙が良いよなぁ、と、こればかりはアナログ人間です。かさばるし、変色したりやぶけたりするけど、手に取ってじっくり眺め読むのが醍醐味だと思ってますw
画面では見えない、細かいデティールも、絵や文含めて、伝わるような気がします。
上橋先生の本の厚さは尋常じゃなくて…精霊の守り人、獣の奏者のハードカバー版は、サイズもでかいww
なので、ちょっと読んでみるかぁ、とはなかなかなりにくく…やっぱ文庫が良いですな。
ためし読みしてから購入したんですけど、後日書店で見て、その厚さにおののいて続きを読むのをためらっております。(だって、本を読んでる間PCの画面が他のことに使えないから)
電子書籍の『積読』は、スペースは取らないけど、やっぱり心理的にプレッシャーが……
あ、あはは…^^;
文庫まで待てないってのは本音ではありますが、1冊がちょっと高いんですよね。1300円超えでしたっけ。
なので、まだ買ってないです。鹿の王。
先生には申し訳ないけど、ブックオフに並ぶのを待とうと思います。
図書館も利用できればいいんですけどね。もし入ってたとしても、人気あるからいつも借りられていそうです(笑)
なんと、さえらさんもローマ帝国に興味が?なんという偶然。
サトクリフの作品、3冊ブックオフで購入しましたが、どれも面白かったです。ほかのも読みたくなりました。
あとで感想を書こうと思っています^^
見えない紹介状、という言葉を思いついたとき、これは小説に使えるのではと思ったんですが、ブログにしたためましたw
「明日はいずこの空の下」もおすすめできる一冊です。上橋先生の若いころの話とかが面白く、一つ一つのエピソードから、読後に何かを残してくれます。見かけたら、ぜひ手に取ってみてください^^
文庫まで待てないぜ。
の一言にウンウンと頷いてしまいました。
と、図書館に・・・入らないかな・・・・w
しかし、なんというタイミングなのだろうかと思わずにいられません。
私は最近、ローマ帝国についてや、欧州の国々の成り立ちについて等々
気になることが多々あって調べていたんです。
そんなときに、これらの本の話題とは。
素晴らしい紹介状を頂戴いたしました^^
それにしても「見えない紹介状」というタイトルは秀逸ですね^^
おぉ、すでに読まれましたか。どうでしたか?上橋さんの作品だし、やっぱり面白かったんだろうな^^
私も「ケルトとローマの息子」などを読むまでは、ローマ帝国の実状をほとんど知らなかったので、あの作品には勉強になりました。
サトクリフの歴史ものは、まるで見てきたように書くと評判だそうで、私も読んでいて引き込まれましたね。
「ケルトと~」は、灰島かりの翻訳もとてもよかったですし。翻訳も大事!
他の作品も買ってたけど、訳がいまいちなのもあったし…^^;
「明日は~」は、上橋さんの若いころのエッセイで、世界各国に行ったことなどが書かれています。
子ども時代からいろんな事に興味を持って、行動している姿が印象的です。
ただ面白いだけじゃなく、一話一話が心に何かを残してくれます。
トゥさんにも紹介状、届いたようですね。ぜひ読んでみてください^^
古代ローマ帝国がモチーフとは気付かなかったなぁ。新しい視点があると、読み返すとき新しい発見があるから感謝です♪ それに『明日はいずこの空の下』という本が出ているのは知らなかったので、本屋さんに行ったとき探そうと思います!
えへ、紹介状のお相伴させていただきます(笑)。
ですね、不思議ですねぇ。
自分が興味を持ったものが、どんどん繋がっていく。道筋かあ、確かにその通りかもですね^^
今これを読めと、何かが導いているのかもしれません。
そしてその通り、導かれた作品からは何かを得ています。鹿の王も楽しみです。まだ買いませんけども^^;
「ケルトとローマの息子」では、岩塩抗について詳しい描写はなかったんで、検索してみたんですが…やっぱり詳しい内容は見つかりませんでした。
作品によると、岩塩抗で作業し続けていると、指などがぐずぐずに崩れて、頭もおかしくなるらしいです。
まっくらな地下に放り込まれて、来る日も来る日も硬い岩塩を掘りつづけていたら、身も心も持たないでしょうね。
ガレー船は、おっしゃる通り、人力で漕ぐ船です。中世まで生き残っていたという船の歴史が^^;
作品では奴隷や犯罪者が2人一組で大きく長い櫂に固定され、合図に従って漕ぐとされています。トイレとかどうしたんでしょうね。固定ってことは、おそらく…。
そこに1年でも長く居続けると生きる気力を失う、と作品で書かれています。
でも地下の閉鎖空間と異なり、ガレー船で漕ぎ手にされた奴隷は甲板に縛り付けられているので、密室状態よりはまし、と主人公がちょっと思う場面もあります。
それでも、主人公が実際乗ってみたら、単純で過酷な労働と奴隷いじめに心身も参ってしまってましたね。
結果的にその船に乗ったことが、彼の人生をまた変えていくんですけども…。
面白い、だけではない、心に訴えかける作品でした。あとで感想書こうかな…。
本当に、奴隷売買の無い時代と国に生まれて良かったと思います^^;
私もどっちもごめんです。ぱんつ一丁でメス作りも…精神的に地獄かもww
でもPVで見た、ぱんつ一丁でトレーラー運転している姿は、なんか楽しそうでしたww
やはりこれも縁というものなのでしょうね…!
…という一言では済まされないような不思議な感じですねぇ♬
繋がっていく、作品、縁、楽しさ、わくわく♬
まるで蒼雪さんのために用意されていたような道筋。
鹿の王、蒼雪さんに新しいわくわくに導いてくれますように…♬(*´ω`*)
岩塩坑って、塩の塊をガッツンガッツンやるんですよね?
掘り系はやっぱりつらそうです…^_^;
ガレー船は、アレですよね、船を人力で漕ぐやつですよね?(違うかな?)
蒼雪さんじゃないけど、私もどっちもまっぴらごめんです(笑)
それなら、ぱんついっちょでメス作る方がまだいいです(よくないから笑)