Nicotto Town


ま、お茶でもどうぞ


人生は甘さと塩辛さなのよ


春先になると、ひなまつりフェアと花見シーズンのせいか、やたらとピンク色が街に増えてきます。

そうなるとがぜん食べたくなるのは、桜色スイーツ。
イチゴとか桜餅。そういう系です。

桜餅は、ごはんつぶがそのまま固められたやつと、ふつうに餅のやつと二種類ありますが、ごはんつぶの方は苦手です。
おはぎは食べられるけど、おこわが苦手なので。あのもち米の食感がどうにも^^;
おはぎのはんごろしは大丈夫なんですけどね。

桜の葉っぱの香りと薄い塩味が、子どもの時は甘すぎず大人の味という気がしました。
考えてみたら、加工しているとはいえ、木の葉をそのまま食べるってすごいことだなぁと思います。
包むだけのは笹餅などでよくありますが。

甘すぎない味というのは、子どもにも大事な要素だと教えてくれたのは、児童文学作家の松谷みよ子さんでした。

数日前に訃報を新聞で読んで、まだご存命だったことに驚いていました。
小さいころ作品をよく読んでいたので、もっとずっとご高齢の方と思っていたからです。

松谷さんの作品は、カラッと明るい作風ではありません。
日本初・赤ちゃん向けの絵本は別として、その他の作品は、語り口はやさしいながらも過酷な運命を描いたものばかりでした。

全国の小学校の図書室に必ず置いてあろう松谷みよ子作品の洗礼を、私も受けました。
たくさんある本の中で、ちょっと読んでみようかなと手に取ったものに松谷みよ子ありきでした。
しかし、その表紙絵は暗く、内容も戦争とか飢饉とかを取り上げたもので、正直、子ども心に楽しいと感想を抱いた覚えはありません。
貧しい村で暮らす言葉の不自由な少女(言葉が不自由なふりをして生きていた?)が、村の水害のときに人柱に選ばれた話は、抽象的な挿絵と相まってトラウマ作品です。
松谷みよ子全集に収録されていたと記憶しますが、もう一度読み正してみたいような、そうでないような…。

こういう作風ですが、松谷作品は高い評価を受け、数々の賞を受賞しています。
児童文学でそれらの賞を受賞した人には女性が多いのも興味深いですが、共通するのは、誰もが、ただ明るい作品を書いていないことです。

ムーミンで有名なトーベ・ヤンソン。ムーミン童話は、明るいようで実は厳しい現実や自然、人間関係の悲哀をテーマに描かれています。
昨今、日本を代表する作家となった上橋菜穂子も、ファンタジーを舞台に、現実でも見られる親子や政治のおろかさ、民族紛争などを題材にしています。

彼女らの優れた点は、ファンタジーと現実を切り離していないところです。
だから、読み手は異世界を自分の世界として実体験できるのですね。
むろん、ただつらさを描いただけではなく、そこから織りなされ昇華される人間愛や、自然への畏敬などが素晴らしいのです。

結局のところ、ただ明るいだけの話は現実感がないのです。
だから、みんな感情移入できない…つまらない作品ということに。
松谷さんは、「砂糖菓子のようなただ甘い話は書きたくない。本当のことをかかなきゃ」とおっしゃったそうな。

子どもを楽しませる目的よりも、子どもに真実を伝えるために松谷さんは書いた。
打算の無いその気持ちが、透き通った感性で今も作品の中に輝いていることでしょう。
大人になった今こそ、読み返すときなのかもしれません。

アバター
2015/03/19 00:40
いちごさん、コメント感謝です。

沈丁花って関東地方でよく栽培されてるんですかね。私の地方では香りません。どんな香りなんだろう…。
私も特別に桜餅が好物ではないんですが、一年に一回は食べたくなります。季節を感じたいのですw

ヒィイ、モモちゃんシリーズの内容ってそんな怖いものなんですか?
そうだったのか…。子どもに現実を教えるのは大切でしょうけど、トラウマになったらいけませんよねぇ…。
いちごさんもトラウマを植え付けられた方でしたか^^;

ウィキを見たら、一巻に当たるモモちゃんは、和やかなお話らしいですね。
いちごさんのは続編で、そこから離婚だの怖い話が続くそうです。松谷さんの実体験だそうです。
うーん、こうしてあらすじなどを見てみると、ただ怖いだけの内容じゃないですね。
「二人一緒だと枯れてしまう」
離婚の例えにこの言葉。大人はみんな、うなずくと思います。
一緒でも枯れない木でありたいと、みんな思ってるんでしょうね…。
アバター
2015/03/18 14:56
春ですね~
桜の花は好きですが・・・桜餅は苦手だったりする
香・・・かな~?桜の葉の香?まったく風情がないわたしです

寒い寒いと思っていたけど昨日はなんといちご地方21度まで気温が上昇したようで
帰り暑かった~
いま沈丁花の花が盛りみたいであっちこっちで匂ってます

松谷みよ子さんの訃報 私も驚きました
私は幼い頃「モモちゃんシリーズ」を買い与えられたのですが
姉は「ちいさいモモちゃん」私は「モモちゃんとアカネちゃん」だったので・・・
子供心に「なんて恐ろしい本なんだ!!」って思った記憶が
妹のアカネちゃんが生まれた頃からパパが家に帰ってこなくなって
歩いて行く木「うわき」だの「死神」だの出てきて結構トラウマでした

児童書は結構子どもに夢を与える系のお話が多いのに
モモちゃんシリーズは松谷みよ子さんの実体験を織り交ぜて子供にも「離婚」とか
「死別」とかそういった「現実」をあえて教える本を書きたかったと

子供ながらに衝撃的な本だったので、松谷みよ子さんの名前は
私の中で深く刻まれ忘れられない作家さんの一人になってます

大人になった今読み直せばもっと違った感想を持てるかな?


アバター
2015/03/17 10:44
さえらさん、コメント感謝です。

さえらさんも、松谷みよ子作品と育ってきたのですね。人の成長期に松谷ありですね^^
今の子たちは、どうなんだろう。
私が小学生のころ、通っていた学校の図書室は子どもでいっぱいでした。
江戸川乱歩の少年探偵団シリーズはいつも大半が借りられていて悔しい思いをしたなあ。それは高学年からの図書なので、怖めの拍子と相まって、低学年の私にはあこがれの図書でした…低学年にして読みましたけどね!w

でも転校して北海道の小学校に移ったんですが、そこでは図書室は全然人気なかったです。
蔵書も少なかったせいもあるけど、土地柄で人の読書量も変わるんだなと思います。
その土地の大人で本を読む人が少なかったから、子どもも本を読まないんでしょう。
そういうことに左右されず本を読む人もいますけど…私みたいに。なので、そこの図書室もよく通っていました。

「ぼうさまになったからす」、表紙がずんと暗いですよね。私が幼少時見かけた松谷作品は、みんなそのイメージが強いです。ひっそりと暗く、人生に大切なことを投げかけてくる。
この絵本は読んだかな…うーん記憶にない。また図書館に行ける機会があったら、探してみようと思います。

子どもの舌に合わないものに、辛口カレーやわさびなど、辛い物がありますね。
私はあまり辛い物が得意ではなく、わさびもいまだに苦手ですww
回転ずしやスーパーのおすしは、辛い物が苦手な人も食べられるよう、わざとわさびを薄くしていますが、私の両親や妹は、醤油皿にわざわざわさびを盛って付けて食べてますよ。
で、「からい~!」って涙を浮かべる。そこまでして辛くしなきゃいいのに、と言えば、「辛くないと寿司じゃない!」って言うんです。…なんか笑えてしょうがないです。

私は、素材の味を楽しみたいので、わさびは薄めか抜きを好みます。
辛さで七転八倒してたら、おすしがおいしいかどうかも分かりませんよねww


アバター
2015/03/16 12:38
松谷みよ子さんの作品に最初に触れたのは、私が幼稚園にあがる前。
やっと、ひらがな全部を読めるようになった頃。
三歳下の妹に「あかちゃんのうた」を読んであげたときでした。
母が気に入っていた一冊を自分もちいさな妹に読めることが嬉しかった。
その後、小学校の図書室で出会ったのが「龍の子太郎」でこの物語は大好きでした。

大人になってから、ちいさな娘と一緒に楽しんだ絵本は「いいおかお」「いないいないばあ」「もうねんね」
娘のとびきりお気に入りのページがあり、いまだにその話題が出ます。
そういえば、上記に挙げた「あかちゃんのうた」も、妹には妹のお気に入りのページが、私には私のお気に入りのページがあり、そんな話題が持ち上がると懐かしさで盛り上がります。

絵本の読み聞かせボランティアでは、一年に一回は選書していたものに「ぼうさまになったからす」があります。
これは戦争がテーマです。
子どものうちにこそ触れてほしいと思い、いつも必ずどの学年でも一回は読むようにしていました。
飾らない偽りのない言葉たちがまっすぐに子どもに届いていく様を目の当たりにできて、私のほうこそ学ぶことの多い時間でした。

どれもこれも、また読み返してみたくなる作品ばかりです。
嗚呼、本気で……図書館に入り浸りたいです。
先日、蒼雪さんのブログで知った本も読みたいし!

余談ですが、私が子供の頃「大人の味なんだろうな」と憧れたものには、桜餅の葉も含まれていました^^
あと代表格なのはワサビとお酒とコーヒーで、「さびぬき」のお寿司を早く卒業したいと思っていましたっけw
アバター
2015/03/14 14:37
軸さん、コメント感謝です。

あははww災難でしたね~^^;
ですよね、なんでも桜にすりゃいいってもんじゃないですよね。
作った人は味見してそれが良いと思ったの?(笑)

私がこの間食べた桜餅アンパンはおいしかったです。
中にが求肥が入っていて、餅とパンのコラボは合いますね。炭水化物同士だからかな。
桜の葉を最初に食べた人は斬新ですね。苦くもないから子どもでも食べられるし。
ただ私は、いつも葉の真ん中の筋が口に残るのだけはいやだな^^;

甘いこと云々の松谷さんの言葉は、私も新聞の文化欄の特集で初めて知りました。
読み継がれる作品を書く人は、どこか視点がほかと違いますね。迎合しない。
私はむしろ戦争とかの作品しか知らなかった(あと辰の子太郎)ので、やさしい話も多いと知って驚いております。
通ってた小学校の蔵書、偏ってたのか?w

まったく、人生は桜餅のようですよね…。
アバター
2015/03/14 01:01
桜餅は好きですが、先日食べた桜味のアイスはちょっと不味かったです^^;
なんでもかんでも春っぽくすりゃ売れるわけじゃな~いw
柏餅の柏はダメで、桜餅の葉は食べていい。
ちょっと紛らわしいですねぇw

おばけちゃんとか、怪談レストランは知ってましたが、
戦争などを書いたものもあるんですね。
砂糖菓子のような甘い話…そういうことをおっしゃっていたとは…。

このブログタイトル、なんとも染み入ります…。
アバター
2015/03/13 13:11
REIさん、コメント感謝です。

モモちゃんシリーズ、有名ですよね。REIさんも読まれていたんですね~^^
…も、と書きましたが、実はおそらく、蒼雪はモモちゃんを読んでいませんww
そこ読まなきゃだめでしょ~、と、恥ずかしい限りです^^;
古本を探して読みたいけれど、亡くなられた今では難しいかな。同じく買おうとする人も多いでしょうし。w

作品を読むその時の年齢に、作品はさまざまな色で答えてくれますね。どの年齢にも寄り添ってくれる。
親子で読み継がれる作品って、そこが優れているのかもしれませんね。
一家で読まれる本も、読むご家族も幸せですよ^^
我が家は本読まない人ばかりなので、うらやましいですww
アバター
2015/03/13 13:01
こんにちは(*^^*)
私も先日、松谷みよ子さんの訃報に触れ
懐かしく作品を思い出していました。
私は「モモちゃんシリーズ」のファンで今も
家に大切に持っています。
子供の頃、モモちゃんの立場で読んでいたけれど
今読み返すと、ママの気持ちになるのかも。
また読んでみたくなりました(*^^*)



月別アーカイブ

2023

2022

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011

2010


Copyright © 2025 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.