上の日常-昔話を二つ目
- カテゴリ:自作小説
- 2015/03/27 20:07:08
語り:カイト
ああ、どうでもいい事で泣いてしまった。
夜にマリアと直接対話できたのは良いが、個人的禁則事項を思い出した。
俺が覚えているわけじゃない。
本体が覚えている話をしよう。
俺達アポーの上の存在となるものは、昔別次元で神殿の神々や巫女だったんだが
俺自身は元々神殿の時代、兄貴のイルソンと共に、王の隠し子的なものだった。
母親の方は元々巫女の一人であり、王が勝手に手を出したので、もみ消すべき案件となっていた。 この当時、宗教は絶大的な力を持っていたから。
母親の方はこの一件で神殿に居られなくなり、まあそれもあって3人、校外で隠れひっそりと暮らしていたわけで。
ただ、ある時場所を特定され、母親は殺され、俺達兄弟は逃げ回る。
当時その地域を治めていた主神はメタトロンで、それを知った主神が、俺たちを哀れんだ。
この時代神殿に住まう神の(扱いの)一人となれば、国は手を出す事は出来ない。
巫女の子であるお前達には、その権限がある、という話で、一時的に保護される。
が、俺達はそこで、互いに別々の条件を出された。
人間であったものが神となるその代償を。
生きるか死ぬかの選択。
まだ年が二桁にもなっていない俺達は、生き続けたいがためだけに、その条件をのんだ。
兄のイルソンの役割と代償は
神殿の神の役割として、「偉大なる恵みの太陽」となること。
人間に暖かな恵み、喜びをもたらし、母親の件を考慮して巫女を守る組織を作り、将来の巫女の候補となるものを導く仕事を与えられる。
だがその代わりに、関係者ではない一般の人間には、全く姿が見えなくなる。
俺の役割と条件は
太陽の弟として、真実を明るく照らすこと、そして真実を人間に伝える、「法の太陽」である事を求められ。。。
その代償として出された内容は、こういう事だった。
お前はその力で全ての真実を見渡せるだろうが
全てのものを見通す力が災いし、人の気持ちを踏みにじってしまわないように
お前から記憶力を奪い去る というもの。
しかしお前に必要な情報や記憶は、人間に伝えるべき真実も含めて、
「必要な時に必要な情報だけ与え」
また常に、お前の記憶情報をサポートする存在を配置しておく。
っつー補足がついた。
これらの条件をのみこみ、俺達ははれて神殿の一員となったが
神としての教育が終わった後は、正直人間の聞き分けのなさにうんざりした。
どうしてあれほど、真実を拒むのか。
自分の心の内にある本当の思惑を、他者(神)に指摘された人間。
ほぼ90%くらいの確立で、俺は逆ギレされる。
最初は嫌な仕事だと思っていたが、いつしかそれが俺の性格そのものを作り出していったらしい。
まあ、この話で何を思い出したかっつーと
…なんだっけ?
書いている途中でまた記憶が飛んでいったようだ。
この条件をある程度受け継いでいるapo-は、頻繁に、10秒で携帯を置いた場所を忘れることができる。 素敵じゃないか?(爆
それを知ってるから、あまり変な場所には置かない様にはしているようだが。
ああ、そうそう
とにかく今回、こういった形でこの話を他者にするという事が必要で、昨晩から思い出されているわけだが。
何で泣いていたのかはもう、よく覚えていない。
面倒臭い条件をのんでしまったなとは思う。 けど。。。
ああ、何を言おうとしたんだっけ?
そうだ。 基本的には記憶は一度眠ると全てリセットされて、嫁の存在すら分からなくなる。 上の体と下の体は性能が違うから、だから俺は極力眠らないようにしている。
確かそんなような映画あったよな、パコと…
ま、俺自身は記憶に関してはもう全く気にしていないと思ったんだが。
何で泣いたんだっけ?
別に悲しいことなんて何も無いはずだが。
-カイト-
アルサイエスさんは長生きしすぎで大量にあるみたいですけども。