Nicotto Town


シン・ドラマ汁


ドラマ【64】

64(ロクヨン) 最終回
NHK 土曜夜10時~
【あらすじ】記者クラブとの報道協定を守るため、三上松岡が指揮する捜査車輌に乗り込んでいた。三上は再び、被害者の父が身代金を運ぶ車を追うことになる。誘拐犯が被害者の父・目崎に指示する受け渡しルートは、14年前のロクヨンと全く同じだった。そんな時、誘拐されたはずの娘・歌澄がディスカウントストアで友人たちと一緒に補導されたという報せが入る。歌澄によると、町中で野宿した時、携帯電話を紛失したらしい。三上目崎歌澄が無事だったことを報せるよう松岡に要求するが、松岡の答えは意外なものだった。

【感想】分かってみれば、実に理路整然とした事件でした。やはり今回の誘拐事件の犯人は幸田と雨宮でしたね。と言っても本当に誘拐したわけではないので、どういった罪になるのでしょうか。詐欺かしら。幸田と雨宮の目的ははっきりしていて、15年前の誘拐事件の犯人である目崎を告発すること、そして目崎に15年前に雨宮が味わったのと同じ苦悩を味わわせることだったのでしょう。しかし目崎が犯人である証拠は何もない。15年前、雨宮しか「佐藤」と名乗る犯人の声を聞いてませんしね。だから誘拐事件を起こした。15年前の事件をそっくり模したのは、目崎に事件を思い出させるためと、目崎が犯人である確認をすること、そして復讐の3つの意味があったんでしょうね。だけど、幸田たちは目崎以外の誰にも危害を加えるつもりはなかった。だから歌澄を誘拐しなかったんでしょう。15年前、自分たちのミスの隠蔽を告発しようとした幸田らしい、真っ正直な犯罪とも言えます。真っ正直な犯罪というのもおかしな話ですが、犯人が分かっているのに証拠がなく、罪をつぐなわせることができない場合、どうしたらいいのか。そういうテーマも隠されていたように思います。
そして、何故誘拐事件の捜査本部が情報公開に否定的だったのかも、わかりましたね。捜査一課では、この事件がロクヨンを模しているのは、被害者の父親がロクヨンの犯人であると、ある程度読んでいたということでした。だから、それが分かった時、被害者だけど15年前の事件の犯人の家族ということが分かってしまう目崎の家族の名前を公開するのを避けようとしたのでしょう。ただ、それを三上にも伝えるべきでしたね。伝えなかったから、何故匿名なのかに大いに疑問を持った三上が、名前を公開してしまったわけですから。こういうのを縦割り社会と言うのでしょうか。部署同士の連携がないため意志が伝わらず、結局うまくいかないんですよね。
事件のおかげで、長官の視察は中止に、そして肝心のロクヨンが解決されてしまったため、本庁人事も立ち消えになりました。まるで捜査一課が幸田に命じて今回の事件を起こさせたような感じです。まぁ、さすがにそれはないでしょうが、それがアリだったら、もっとすごい事件になっていたでしょうねw
三上の娘も戻ってくる兆しを見せ、最後はほぼ大団円でスッキリまとまりましたが、今回の事件が起きるまでの本庁と県警の対立や、警察とマスコミの小競り合いなど、社会派的な面がクローズアップされていたのに、そちらは最終回にあまり出てこず、少し尻すぼみの感がなきにしもあらずでした。というより、そういった面を少し短くして、事件そのものをもっとクローズアップさせた方が、視聴者からすると見やすかったような気がします。まぁそうなると今度、このドラマの味そのものが失われそうではありますが…。バランスって難しいですね。映画はドラマより短いと思うので、もっとスッキリとした64が見られるのではないと思ってます。




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