Nicotto Town



恐怖は不意にやってきて抜け出せない-1


先週末土日はここ居住地区の家主が自由に所有物を家の前で売ることができる
ガラージセールの日
でした 天気も良くて 人出も結構ありました

売りたい物がそれなりに貯まったので我が家も参加
夫は通常通り出勤
私と長女とで準備をしていました

これまでにも数回参加していたわけで
基本的にこの辺りに住む人たちがやってくるフレンドリーなセールです なかには新聞やフリー媒体に広告を出す人もいるみたいだから
そしてそれなりに知っている人は知っているこの地区のガラージセールの日だから この辺りの住まない人ももちろんやってくるわけです

ガラージセールの楽しみの一つは
我が家の子供達が使った物でまだまだ使えるものを
他の小さな子供達が笑顔で買って行ってくれることです
もしくは
大人が必要だからと買って行ってくれること
自分が大切に扱ってきた物だからこそ必要とされるところに渡るのが嬉しい
そして適度な金銭的報酬を求られるのも嬉しい

なかにはケチで文句をつける人もいるんですけどね(ごく少数だけど)
そういう人に買ってもらうぐらいなら
チャリティーに全部あげてしまいます

そういう価値観でやっている人が私の周りには多いです

初日の土曜日、開始の朝8時に向けて折りたたみテーブルを出したりの準備中のことです
白人男性で私と同じかちょっと若いぐらいの人が
自転車用の子供シートに興味を示してやってきたんです
「どうぞ 2ドルです」
と言ったら 買うんですね 男性はシートを持って こちらに2ドルよこしました
「これ 自転車に装着するサポートがあるでしょう?」と聞くんですよ
「ありますね、でも私は売りません。使っているので」と答えたんですよ
だからこその捨てるような値段2ドルなんだから
実際だれも買わなかったら捨てることにしてあったシートなんですよ
このシートを買う人は別にサポートを買うか、すでにサポートを持っている人
と限られるわけだから 買い手を見つけるのは正直難しいんです

普通の人は「売りません」と言われたらそれで引き下がるわけです

ところがこの人は違った
「新しいのを買えばいい、その分出すから、いくら?」
と押してきました
「売りません」
と答えたら キレた

2ドルを受け取った長女に対して仏語で怒鳴り始めたんですよ
私はまだまだ準備中だったから
ガラージから荷物をドライブウェイに運び出していたんで
怒鳴っている内容は聞こえなかったんですが
怒鳴っているということは分かりました

そこから先
私の意識は完全に飛びました
気づいたら売るはずじゃなかった私が使っているサポートを売ってしまいました
25ドルで

その後もキャンセルするチャンスはあったといえばあったんですが
どうしたことか完全に頭が凍り付いてしまって
なにも考えることができませんでした

その朝一番のモヤモヤが去って

その後は順調に楽しいガラージセールでした
7歳ぐらいの女の子が てんとう虫の貯金箱を気に入って
「これいくらですか?」と聞くので
「50セントですよ」と答えると(大人だったら1ドルと答えていたと思う)
女の子は道路に駐車してあった車まで戻ってパパに50セントをもらって戻ってきました 貯金箱を左手に持って 開いた右手の上に25セント硬貨を二枚乗せて差し出してくれました
そこで25セント硬貨を一枚だけもらって「ありがとう」と言ったら
文字通り女の子は目を丸くして 私の顔を見るのよ 
それでいいのよ と頷くと ニコッと笑って走って行きました
車のところで待っていたパパに報告してくれたんでしょうね
パパがこっちをみて手を降りましたから 振り返しました
可愛かったわ〜
おばあちゃんとやってきた5歳ぐらいの女の子は
アニメでもやっているシリーズの本を気に入って5冊選んでくれました
大人が選んだなら10ドル近くの言い値から始めたいところだけど
5ドル貰いました ああこの子が読んでくれるんだな と思うと嬉しいよね
こういうのがガラージセールの醍醐味
笑ってくれる子供を見ると嬉しい

子供用のおもちゃ箱本棚 
買う気もなく値段を聞く人には30ドルとか35ドルと答え
ああこれはこのまま家の中に保管かなと思っていたら
最後に本当に必要そうに買値を考えてくれた5歳ぐらいの男の子のお母さんが買ってくれた
値段交渉して18ドルでした

初日は人がくれば対応する以外はものすごくモヤモヤモヤモヤしていて
ものすごく気持ちが悪かったです
会う友人や近所の人に「売るつもりのないものを使っているものを叩き売りしてしまった」と言って気持ちを鎮めようとしてました

店じまいして夫が帰宅してからやっと頭が少し動き始めて
始まりから時系列でなにが起こったかを話すことが出来たと思います
そこで夫が私のモヤモヤの根元の気持ちを言葉にして与えてくれたことで
霧が晴れたようでした
根底にあったのは「恐怖」だったんです

普通だったら「売らない」と言ったところで商談は終わりになるのに
キレられてまだまだ子供である長女が怒鳴られたことで
私は恐怖で真っ白になってしまったとやっと解りました
それから 恐怖に支配されると 通常の思考が停止してしまい 相手の思うがままに押し切られてしまう ということを実体験してさらに恐怖を覚えたこと

普通だったらキレられたって
「いらないなら どうぞ置いていってください」
「take it OR leave」
「NO」
の一点張りでいいんです
ガラージセールは自分が売りたいものを売る機会なんですから
来る人の要望に答えるべき機会ではありません みんな知っていることです

普通だったらそうやって子供である長女を怒鳴るような人は
こっちも怒鳴り返してやる気概があるのに
そういうことが出来なかったこともショックでした
多分 相手の求めるものを与えて この場を終わらせる という方向に流されたのは恐怖を終わらせる無意識の自己防衛だったのかもしれません


アバター
2015/06/19 12:52
>あるるさん
わめきたてる ほんとですねえ。

「売りません、店で買えますよ」
「じゃあ お金出すから新しいの買いなよ」
「(なんだこの人?自分が新しいの買えよ)売りません」

といったら いきなり 大声で娘に怒鳴って自分の都合のいい理屈を言うんですから、とんだ奴でした。
まんまと 飲み込まれてしまいました。。。はあ。。。
こういうことってあるんですねえ。
アバター
2015/06/18 01:58
そんな人がいるんですね・・・
びっくりしました!
お嬢さんも怖い思いをされて かわいそうです
そのあとは ほのぼのなお客様でいやされたのが
救いでしたね
売る気のなかった物を 強制的に売るはめになってしまったのは
なんだか悔しいけど それ以上わめきたてられると面倒だし
猫二さんの判断は正解だったと思いますよ



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