Nicotto Town


すずのグータラ日記


作品講評 ~本にするにあたって~

文芸社さんからの作品講評を書きます。

拝読したのは、著者が中学2年生だった2009年の4月から
専門学校の1年修了間近の2015年3月までに綴られた日記である。
途中数回の沈黙の期間が挟まれているが、この思春期の6年という間に
著者はいくつもの非常に辛い経験を余儀なくされた。
その結果、鬱病を発症し、統合失調症や強迫性障害、発達障害の症状も
見受けられるという状態に追い込まれてしまったのである。これまで
入退院を繰り返し、現在も通院治療中の著者であるが、自身の体験と
心境を包み隠さず描くことで心の病への理解を促し
さらには同じような病気に苦しむ人たちを元気づけたいという強い意志を
持って、今回、書きためてきた文章を開示するにいたったようだ。

鬱病を発症する人の多くは、真面目で勤勉であるといわれる。
鬱と躁の状態を繰り返す双極性障害の場合だと、元々は社交的で
周囲への気配りがあり、ユーモアに富んでいるという。
著者もわかりあえる友人に恵まれ、習い事に熱心に取り組み
「すずは昔、そうじも料理も勉強もデザート作りも(ママ)できてた。
でも、お父さんとお母さんが離婚してから、がらりと変わっていったね」
(2013・9・2)と、ある人が指摘しているように、人格的にも
大きな変化があったことは明らかである。本作を一読すると、発病の要因と
考えられる大きな精神的ストレス源をいくつも挙げることができる。
発端となったのは、中学生2年生時の両親の離婚であろう。信頼していた
父親との離別は寂しいだけではなく、子どもから見れば父親に
捨てられた、裏切られたという思いをも芽生えさせた。そして、両親に
不満を抱く以上に、あるいは家族の崩壊の原因を著者自身に求めて、
自責の念に駆られたのではないだろうか。

中学校でのいじめの影響も見逃せない。その辛さを
「泣きたいほどつらいよ。心が音をたてて"ポキッ”と折れそうだよ」
「命の考え方が軽くなった感じ」(2013・10・3)と
著者は素直に自分自身に訴えている。イライラといった症状も頻発し
難聴の症状が出ていることも窺える。さらに、最も大きな要因と
なったのが、2011年3月11日に発生した東日本大震災であろう。
幸い、家族や親しい友人を失うことは逃れたものの、その後の
度重なる大きな余震への不安、当時の住まいから30キロ圏内にある
福島第一原子力発電所の大事故などが追い打ちをかけ、多感な時期に
あった著者は「今日も生きていけるかな?」(2011・3・23)
という不安と日々向き合うことになってしまった。実際、災害鬱が
社会的に認知されてきているように、著者の友人や友人の父親なども
同鬱症状を発症している。著者もまた、災害鬱に悩む一人であると
言ってもいいだろう。

重篤な症状の発症の決定打となったのが、高校生活である。
母親の意向に沿って県内でも有数の進学高校に入学したが、親しい友人たちとは
バラバラになったうえに、高校生活は他高校に間借りして5月に始まる
という変則的なものであり、しかも入学式が行われるのは
「(東日本大震災で亡くなった人たちの)遺体があった場所」であった。
そこで「入学おめでとうございます」(2011・3・14)という
状況になることに大きな違和感を持つのは、多感な女子高校生にとっては
至極当然のことであろう。

入学から1か月後の6月8日の記述からは、幻聴や幻覚にも悩まされている
ことが明らかになる。実際授業が始まると、レベルの高さに著者は怖気づ
いてしまい、とうとう入院生活が始まってしまうのである。
その経緯について、著者は「○○高校にでも行って~入院するほど
おかしくなってなかったと思うし・・・。」(2011・7・24)
と冷静に状況を分析している。病気に苦しみながらも、著者は観察眼は鋭く
敏感な感受性を窺わせる。この他にも、著者の母の失職の危機や
ナルコレプシーの疑い、可愛がっていた猫たちの相次ぐ死など
不安をかきたてる出来事が次々と起こる。著者が心を病むのも致し方ない
というのが、多くの読者の思いであろう。ともあれ、非常に困難な状況の中
首吊りやリストカット、オーバードーズなどを繰り返しながらも
著者は必死に今日まで生き抜いてきた。
その頑張りには惜しみのない拍手を送りたい。


これが、文芸社さんからの日記のをまとめでした。

どうですか?

みなさんの心はつかめたかな?

心に響いたかな?

これが世に1冊の本として出ようとしている。

沢山の方に読んでいただきたいです。

#日記広場:日記

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2015/06/30 21:31
そうだったのね 笑
もうそろそろ届くはずって思っていたところよ~

気長に待ってるから大丈夫よ
お返事書くのは、お休み入ってからになるから
気長に待っててくれると嬉しいわ
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2015/06/28 08:20
僕は文才がない上に、すずさんのように沢山の経験をしてきたわけではないので
こうして日記が本として出版されることをうらやましくも嬉しく思います。
すずさんの気持ちが多くの人に伝わるといいですね。
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2015/06/27 22:28
すごいなぁ・・・
すずの書いた本が出るのなら、是非とも買わせてもらいたい!
すずの過ごしてきた日々を色々伝えてもらってきたけど、それでも知らないこと、まだまだいっぱいある。
大切な姉であり親友のすすが、過ごしてきたリアルな日々を読ませてもらいたいな



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