Nicotto Town


ま、お茶でもどうぞ


水木しげるさん、逝く

今年もまた、多くの偉人が亡くなりました。

その中でも最近報じられて「ああ、ついに…」と思った方が、漫画家水木しげるさん。
ゲゲゲの鬼太郎や悪魔くん、その他妖怪辞典などの著書で、幼少から親しんできた作家でした。

今年の夏ごろに、水木さんのエッセイ「ほんまにオレはアホやろか」と、ゲゲゲの鬼太郎地獄篇(鬼太郎が地獄にいるお母さんに会いに行く話)を買ったのは、奇妙な偶然でした。
まさかその年に亡くなられるとは…。

幼少から親しんできたと書きましたが、実はあの緻密な点描からなる迫力ある背景と、デフォルメされた人物像が怖いと感じていました。だからマンガはほとんど買わなかったです。
小学校低学年のとき、雪姫、という鬼太郎ファミリーの女の子のいる巻を持っていました。

水木さんのコマ割りには、よく主要キャラのアップだけの一コマがあって、あれも苦手でした。セリフはないのに、まるでこちらを見透かしているような雰囲気のせいでしょう。

でもアニメの鬼太郎は好きで、欠かさず見ておりました。
シリーズは何度もリメイクされていて、声優さんもそのたびに変更が。目玉の親父さんだけは亡くなるまで現役でした。あの声がリメイク作品をシリーズとして支えていたと思います。

私は第二期の、鬼太郎役が戸田恵子さんのシリーズで育ちました。
再放送で野沢雅子さんの鬼太郎も見たけど、自分が初めて見たシリーズの方が本筋だと思ってしまいます。
第三期以降に子どもだった人達は、その時見たシリーズが自分だけの鬼太郎なのでしょう。


エッセイ「ほんまにオレは~」は、水木さんの幼少から現在までの自伝です。
他の同世代の子達と比べて言葉をしゃべるのが遅く、寝てばかりいたという水木さん。
親や周りも心配するのですが、自分は自分と思って生きておられたようです。
自分の半分はあの世に置いてきた、ともどこかで言われていて、そういう人もいるのだなあ、と私も思います。

あまりスピリチュアルなことは書きたくないけど、でもやっぱり、大地の精霊に愛された人間はいるんじゃないかと思います。そういう人は、波乱も多いけど大きなことも成し遂げたりすることが多いようです。

水木さんの場合はそれが顕著な人で、とにかく一貫して「ズドン」としている。
何があっても「生かされて」いる。
戦地で死にそうな目に何度も遭っていますが、エッセイから感じられるのは、「それでもなんとかなっている」ことでした。
水木さんが放つ一貫したおおらかさ、それはほのぼのとしたものではなく、ひたすらに力強い雰囲気です。時に冷徹で、しかし包容力もある。大地のよう、とはこの人のことでしょう。
目に見えない「何か」を信じる人でしたが、我欲のために頼ったり信奉してはいなかったことも興味深いです。
生前のインタビューで、「(貧乏だったから、今は)お金大好き」と老獪に笑っておられましたが、無邪気でした。

スピリチュアルに傾倒する人の多くを見ていると、母体(あの世)に帰りたがっている子どものように見えます。
必死に祈り、または瞑想してあの世を視ようとする人は、皆、子どもです。
帰りたいのはわかります。私もこの世にいるのが苦痛でした。
でも、今は残された時間を少しでも楽しもうと思っています。やりたいことをやらなくちゃ。
あとどのくらい自分が生きられるかわからない。そう思ったら、ぼやぼやしていられません。
まずは、小休止している自作小説を完結させなければ。
それから、やりたいゲームも早くクリアしたいし、来年出るゲームももちろん買わなきゃだ。
犬ともっと、どこかに行きたい。
そんな感じで、来年も生きられるといいなと思います^^

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2015/12/12 11:18
ふうこさん、コメント感謝です。

デフォルメの絵だけ見ると、自分でも描けそうって思ったりしますが、水木さんはもともと天才的に絵が上手い人で、だからあの背景もうなずけます。
よくぞ点描であそこまで。並の集中力じゃないですね。色づけも、染粉を溶いて塗っているそうで、独特の色が水木カラーと呼ばれているそうです。(水木ブルーだったかな)

影響を与える作家って本物のオリジナリティを持った人ですよね。
受け継がれていく、というふうこさんの言葉、その通りだと思いました。
直接師弟関係になくても、親子じゃなくても、何かを受け継いでいくってのは…人間の良さですよねぇ…。
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2015/12/11 17:40
私は、アニメの鬼太郎しか見てなかったので、
大人になってから「水木しげる展」を見て、背景の細かさ、点描で表してることに驚きました。
それからエッセイなども読むようになりました。
インタビューでは、独特な雰囲気だったなぁ。

テレビの「浦沢直樹の漫勉」で、浅野いにおさんが、
細かい背景とディフォルメされた人物のギャップというのを、
水木しげるさんから影響を受けたと言っていました。
キャラの絵柄は違くても、そうやって受け継がれていくんだなぁ…。
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2015/12/11 12:25
そらさん、コメント感謝です。

水木しげるさんへの印象は、しばらく前から「ああ、そうなのだな」と感じていました。
同じく大地に愛されている人は、作家の上橋菜穂子さんです。あの方は洞窟が好きで、地下洞窟にあるホテルの部屋に入ったとき、安心したことがあるとか。
そういった人たちは、我知らず使命みたいなものを背負わされるのかもなぁと思います。
人が有名になるのは、決して前世の褒美とかではなく、多くの人に大事なことを伝えるために、そう成らされているんじゃないかと。
いろんな大きな賞があるけど、それらを受賞することで名が知れますから、多くに伝導できるという寸法です。

私も過去、スピリチュアルに傾倒して(変にお金使ったりはしてませんが)、よく夢に逃げてました。
今は目が覚めて良かったと思います。
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2015/12/10 15:36
今回の蒼雪さんのブログは、ずどんときますね~

私も、水木しげるさんは、おおらかではなく、大地に踏ん張って立っている図太さを感じます。それがとても心地いい。
スピリチュアルに傾倒する人って、私は現実逃避している人に見えるんです。
自分の目の前のモンダイを直視しないで、フワフワと見えざる世界に意識を飛ばして逃げている人。



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